私の古いノートが出てきました。
そこにいくつもの句や文章が書かれています。
その時々の「私の心模様」が投影されているようでもあり、きっとその時は私の心も、「かくありなん」と
偲ばれるのです。
今日は「それ」をご披露しながら、歌であれ句であれ、はたまた映画の台詞であれ私の心の琴線に触れ、同じ協和音を奏でたものと、当時を思い出しています。
冒頭の句。これはね「詠み人知らず」。ただ「夜鷹(よたか)とだけ書いてある。
夜鷹、今の人は分からないでしょうねぇ。私だって分かっているわけではないが、映画や小説でようやく苦界に身を落とした女の人を言う、ということくらいは分かっていますが・・・。
身を売るにもいろいろある。「花魁(おいらん)」と言われる身分になるには女郎屋(妓楼)に身をおかなければならない。
しかし身一つで、誰でもどこでも法すれすれでも「商売」出来るのは、場所を持たない「夜鷹」だ。
「むしろ(ござ)」一枚持って、『お兄さん、遊んでいきなよ~』と声をかけ、川っ原でも空き家でもお寺の空き地でも、どこはばかることなく商売をして生きた女。こんなふうに私はイメージをしてきた。
「なぜ、そうなった?」と聞いてはいけない。タブーである。秘中の秘にしなければなりたたない。
その夜鷹が詠んだという一句。
何人(なんびと)の果てなるを あきらかにせず
由(よし)ある女の 零落(れいらく)なるべし (夜鷹)
これを聞いてね、私は直感的に脳裏を横切ったこと。
平家の落ち武者。いえ落ちてゆく平家の女官たち。
あと、伊勢神宮まで落ち延びながらも、そこで惨殺されたか命からがら逃げおおせた女たち。
「由ある女」と断りをいれる運命が、あまりにも悲しく、理不尽な世を恨むこころに乗せて「恨み節」が聞こえてくる・・・。
その時の私の周りは、出雲大社の巫女さんや、伊勢神宮まで逃げて行った方の守護霊がたむろしていましたから、ついつい想いが重なったのでしょうね・・・。
黒髪の乱れたる世ぞ はてしなき
思いに消ゆる 露の玉の緒 (北条伽奈姫)
天正10年3月11日。
武田の最後の武将「武田勝頼」は、天目山にて自害した。
その時一緒に逃げた「勝頼室」伽奈姫は、夫とともに自害。
これがその時の彼女の辞世の句である。
北条家まで逃げ延びれば、命は繋がったものを・・・。
「玉の緒」という言葉を私はここで覚えた。
シルバーバーチの言う「玉の緒」と同じだ。
次は「江戸時代・狂歌」とあるから、巷の誰かが詠んだ歌であろう。
名は「四方(よも)」とだけのメモがある。
寒い朝、霜がおりた。一番仕事に早く家を出、橋のふもとまできて気が付いた。
人の足跡が付いている。霜を踏みしめて、自分より早く行ったその人の用とは・・・。
人の世は 我より先に用のある
人の足跡 橋の上の霜
次の句は書きそびれたとみえて、言葉が一つ抜けている。
皆様なら、どんな句(言葉)をお入れになりましょうか?・・・。
渡り来て 浮世の橋を ながむれば
さしも危うき ( )ものかは
最後に、いつも私が部分だけを申し上げてきた「裏柳生・秘伝書」のこと。
それがこの古いノートに書き込んでありました。
古い古いTV映画、『影の軍団』のモットーとでもいう精神(バックボーン)にあたるものでした。
それが丁度その頃の私の決意には、欠かせない精神であったことから、いたるところで使いまくっていた言葉だったようです。
これが「全文」ですので、どうぞご賞味あれ。
『裏柳生 その秘伝書に曰く
闘えば必ず勝つ!
これ兵法の第一事なり
全て人の情を断ち
神に会うては神を斬る
仏に会うては仏を斬る
しかるのち はじめて極意をえる
行く手を阻むは悪鬼羅刹の化身なりとも
あに遅れをとるべけんや 』
人それぞれの人生。その時誰に、何の言葉に励まされ、慰められるかは知らない。
が、どこともなく聞こえる「言葉」に反応する心がある事を知れば、人は、世の中は、そう捨てたもんじゃないと思って、気を取り直して生きてきた。
歌もそうだ。その歌が、その時聞こえてきたから、「今」を生きているという人もいる。
私も一つだけ、書いたのにすっかり忘れているものがある。
誰の歌で、どんな旋律だったかさえ思い出せないでいる。
それを思い出せたら、なぜこの歌詞を全文古いノートに書き残したのかも、思い出すかもしれない。
もし、知っておられる方は是非、私に教えてくださいませ。
今日の最後に「これ」を書いて、終わりにいたします。
「真夜中の子守歌」
街がねむる頃 夜の虹がでる
名もない人の望みが かける夢の虹が
おいで鎖をはずし しなやかな獣になり
奪い取られた何かを 取戻しにゆこう
夜はあたたかい 夜は美しい
愛し合うだけ 他に何がある
もう一人のオマエを
もう一つの人生を
誰も知らない
そこにいくつもの句や文章が書かれています。
その時々の「私の心模様」が投影されているようでもあり、きっとその時は私の心も、「かくありなん」と
偲ばれるのです。
今日は「それ」をご披露しながら、歌であれ句であれ、はたまた映画の台詞であれ私の心の琴線に触れ、同じ協和音を奏でたものと、当時を思い出しています。
冒頭の句。これはね「詠み人知らず」。ただ「夜鷹(よたか)とだけ書いてある。
夜鷹、今の人は分からないでしょうねぇ。私だって分かっているわけではないが、映画や小説でようやく苦界に身を落とした女の人を言う、ということくらいは分かっていますが・・・。
身を売るにもいろいろある。「花魁(おいらん)」と言われる身分になるには女郎屋(妓楼)に身をおかなければならない。
しかし身一つで、誰でもどこでも法すれすれでも「商売」出来るのは、場所を持たない「夜鷹」だ。
「むしろ(ござ)」一枚持って、『お兄さん、遊んでいきなよ~』と声をかけ、川っ原でも空き家でもお寺の空き地でも、どこはばかることなく商売をして生きた女。こんなふうに私はイメージをしてきた。
「なぜ、そうなった?」と聞いてはいけない。タブーである。秘中の秘にしなければなりたたない。
その夜鷹が詠んだという一句。
何人(なんびと)の果てなるを あきらかにせず
由(よし)ある女の 零落(れいらく)なるべし (夜鷹)
これを聞いてね、私は直感的に脳裏を横切ったこと。
平家の落ち武者。いえ落ちてゆく平家の女官たち。
あと、伊勢神宮まで落ち延びながらも、そこで惨殺されたか命からがら逃げおおせた女たち。
「由ある女」と断りをいれる運命が、あまりにも悲しく、理不尽な世を恨むこころに乗せて「恨み節」が聞こえてくる・・・。
その時の私の周りは、出雲大社の巫女さんや、伊勢神宮まで逃げて行った方の守護霊がたむろしていましたから、ついつい想いが重なったのでしょうね・・・。
黒髪の乱れたる世ぞ はてしなき
思いに消ゆる 露の玉の緒 (北条伽奈姫)
天正10年3月11日。
武田の最後の武将「武田勝頼」は、天目山にて自害した。
その時一緒に逃げた「勝頼室」伽奈姫は、夫とともに自害。
これがその時の彼女の辞世の句である。
北条家まで逃げ延びれば、命は繋がったものを・・・。
「玉の緒」という言葉を私はここで覚えた。
シルバーバーチの言う「玉の緒」と同じだ。
次は「江戸時代・狂歌」とあるから、巷の誰かが詠んだ歌であろう。
名は「四方(よも)」とだけのメモがある。
寒い朝、霜がおりた。一番仕事に早く家を出、橋のふもとまできて気が付いた。
人の足跡が付いている。霜を踏みしめて、自分より早く行ったその人の用とは・・・。
人の世は 我より先に用のある
人の足跡 橋の上の霜
次の句は書きそびれたとみえて、言葉が一つ抜けている。
皆様なら、どんな句(言葉)をお入れになりましょうか?・・・。
渡り来て 浮世の橋を ながむれば
さしも危うき ( )ものかは
最後に、いつも私が部分だけを申し上げてきた「裏柳生・秘伝書」のこと。
それがこの古いノートに書き込んでありました。
古い古いTV映画、『影の軍団』のモットーとでもいう精神(バックボーン)にあたるものでした。
それが丁度その頃の私の決意には、欠かせない精神であったことから、いたるところで使いまくっていた言葉だったようです。
これが「全文」ですので、どうぞご賞味あれ。
『裏柳生 その秘伝書に曰く
闘えば必ず勝つ!
これ兵法の第一事なり
全て人の情を断ち
神に会うては神を斬る
仏に会うては仏を斬る
しかるのち はじめて極意をえる
行く手を阻むは悪鬼羅刹の化身なりとも
あに遅れをとるべけんや 』
人それぞれの人生。その時誰に、何の言葉に励まされ、慰められるかは知らない。
が、どこともなく聞こえる「言葉」に反応する心がある事を知れば、人は、世の中は、そう捨てたもんじゃないと思って、気を取り直して生きてきた。
歌もそうだ。その歌が、その時聞こえてきたから、「今」を生きているという人もいる。
私も一つだけ、書いたのにすっかり忘れているものがある。
誰の歌で、どんな旋律だったかさえ思い出せないでいる。
それを思い出せたら、なぜこの歌詞を全文古いノートに書き残したのかも、思い出すかもしれない。
もし、知っておられる方は是非、私に教えてくださいませ。
今日の最後に「これ」を書いて、終わりにいたします。
「真夜中の子守歌」
街がねむる頃 夜の虹がでる
名もない人の望みが かける夢の虹が
おいで鎖をはずし しなやかな獣になり
奪い取られた何かを 取戻しにゆこう
夜はあたたかい 夜は美しい
愛し合うだけ 他に何がある
もう一人のオマエを
もう一つの人生を
誰も知らない