霊界の門 ・見えないものの力

霊界や因縁から、現在の自分をみつめ、「見えないものの力」を味方にしましょう。

いる、という三人の「似た人」

2013年05月12日 | 心霊現象
この世に三人いるという「自分に似た人」。
皆様は、その人にお目にかかったことがありますか?
それとも、人違いされ、「ああ、やっぱりね~」と実感されたことなど、おありだろうか・・・?

さて今日は、私が実際に人違いされ、まさしく「三人」いるらしいと実感したことをお話いたしましょう。


私がまだ二十代の若いとき。
銀座四丁目あたりを歩いていた。
もうすぐ行けば、「服部時計店」である。
待ち合わせをしているわけではないが、道に不案内な私は、銀座といえばまず服部時計店をめざし、そこから行動範囲を広める癖がついている。
さあ、いよいよ見えてきた。さて、右に曲がって松坂屋界隈でも・・・、と思った矢先、ご婦人数人に呼び止められた。
○○子ちゃんでしょ。なんであなたが銀座にいるのよ~」と、私の肩をたたきながらびっくりした顔でおっしゃる。
「えっ?」と、叩かれた私は相手を知らない。けげんそうな私の顔を見て、もう一度言う。
「○○子ちゃんよね。銀座で会うなんて夢みたい~」と。
私の方こそ「夢みたい」の話だ。
「すみません。お人違いじゃないでしょうか。わたし、あなた様を存じ上げていませんし・・・」。
5、6人の人が道路の中央を塞ぐ。人の流れがそこだけ止まっている。
迷惑そうな人々の顔が、人だまりを一瞥(いちべつ)して通り過ぎる。
「本当に、○○ちゃんじゃないの?・・・、だってそっくりだもんねぇ・・・」。

今のように携帯電話がある時代ではないから、ご本人にその場で確認をとることは不可能である。
「失礼いたしました」とおじぎをしながらも、二、三歩歩いて振り返り、かぶりを振りながら人ごみに消えていった。

「そっくりかぁ~」。
そこまで言われてしまうと、さすがの私も気にはなる。
やはり、世の中には「似た人」がいるようだ。
私が意地悪をして、知らないと言ったわけではない。本当に知らないのだ。
下宿へ帰って私がしたことは、すぐに鏡を見たことだった。
「こんな顔、そっくりさんがいるのかしらねぇ・・・」、としげしげ見ても想像すら出来ない私である。

一度ある事は、二度ある。そして、二度ある事は三度ある、という。
次はたしか私が五十代のころ。
下宿の路地を歩いていた。
国道に出て夜の惣菜でも買おうかと、道を曲がったその時。
「あら!○○さん。東京にお住まいでしたか?お会いしたかったんですよ」と、品のよい婦人が私に声をかけた。
全く知らない人だった。
「よく見てください。どこか違うでしょ」と私は顔を前に差し出した?。
夏はサングラスや帽子をかぶっているから、それもみんなとって、どうぞ、とばかりに見ていただく。
「そういえば、ちょっと細身でいらっしゃるかしら・・・」なんていいながらも、後ろ髪引くおももちで去っていかれた。
さあ、これで二度目だぞ。次はいつで、どこで、誰か?・・・。
三度目はきっとくる。
それにしても、似ている人って、ほんとうにいるもんですねぇ・・・。


このようにして、そこまでは私が「似ている」といわれた側の人間であったが、次は今度私が「似た人」を発見した。
知人と会った帰り道、駅で電車を待っていた。
ホームの後ろ側をなにげなく見て、私は「一人の高齢者」に目が釘付けになった。
「母だ!」。しかし待てよ、母はもう前に亡くなっている。この世にいるわけもないし、ましてや電車に乗る
ホームを歩いているわけもない。
しかし全てが「そっくり」だった。
年寄独特の着物を着て(和服・普段着)、小柄な体でゆっくりと歩いていく。
髪型も同じだ。何の飾り気もないふつうの老婆が、丸いメガネをかけて袋を腕にかけて歩いていく。
全体像があまりにも「そっくり」だったから、きっと顔までそう見えたのだろうが・・・。
いや、違う。顔が一番強烈にそっくりだった。
一瞬、追いかけようと思った。しかし、死んだ人の面影を追いかけて何がある。
母を思い出せという「思し召し」かもしれない。
私は「母とそっくりな人」を、いつまでも目で追い続けていた。

世の中には「いるんだぁ~」。そっくりな人が・・・。
それ以来私は、似ていると言われたり、人違いされても、やさしい眼差しで相手に接することを心に決めている。
「母に似た人」の姿が見えなくなって、私は駅のトイレに駆け込んだ。
なぜかこみあげてくるものがあり、泣けて泣けて・・・。
トイレにこもって、泣き続けた。
いつまでも開かないトイレ。泣き声さえ漏れるトイレ。
事件ですよ!とばかりに、通報する人もなくて私は助かりました。
スッキリ、さわやかになって帰路に着く私でございました。
「あの世から、私に何か言いたかったんでしょうか・・・」と、それからはいつも母と会話三昧の日々でした。
一方通行ですがね・・・。


これからもきっと、間違われて「呼び止められる」かもしれない。

「○○さん?。違うわね。だって彼女はとうに亡くなっているもの。それにしても、そっくり!。世の中にこんなにも似た人って、いるもんなのねぇ~」と、この世ではない「あの世」に行った人に、そろそろ間違われる年齢になってきました。
そして、いつかね。機会があれば似た者同士がばったり出会い「絶句」して、その後こう言いたい。
「あなたは、誰?。やっと会えたわねぇ。待ってたのよぅ。そっくりさん!」と・・・ね。