霊界の門 ・見えないものの力

霊界や因縁から、現在の自分をみつめ、「見えないものの力」を味方にしましょう。

仕事あれこれ(2)

2012年11月22日 | 心霊現象
一昨日の間違い直し、ありがとうございました。
「軍服とサーベル」が正しいのです。「バーベル」は重すぎて下げられません。(笑)
頭の中はサーベル(刀)が浮かんでも、手は勝手にバーベルを印字している。
こんな事はあまりにも多いのです。
私達「女子会?」の会話は、こんな間違い用語(単語)が飛び交いますから、聞いている人は
チンプンカンプンでしょうね。しかしなぜか私達には分かる。
とうとうそんな年代になってしまいました。うれしいですね。
人様から、違ってますよ~って言われるのが、ありがたく、うれしく、心がほっこりしてくるのは
私だけでしょうか? とにもかくにも、厚く御礼を。




さて、昨日の続きで、もう一つのアルバイトも書いてしまいますね。
眠らない家業といえば、『ホテル』がある。
池袋・西口に『ホテル・メトロポリタン』がある。
そこが次のアルバイト先だ。私の身分は「契約社員」。半年に一回づつ契約を更新する。
最初に配属されたところは「リネン室」。
社員の制服のクリーニングから客室の風呂用シャワーカーテンのクリーニングなどなどの業者への
発注をおこなう。
また、厨房で働く人達の作業用(シェフたちの白衣と帽子)衣類のクリーニング発注などが主な仕事
だった。はやく言えば「クリーニング部門」である。
間違いなく「本人」に品物が戻ればOKである。
中にはボタンが取れたり、ほころびたり、体に合わなくなったりで修正(修理)をもやる。
社員の若い方々は、地下のその部署を嫌がったが、ほとんど全社員と顔を合わせることから、私は
喜んで日々をすごしたものだった。
ホテルのリネンで、初めて『拝みボタン』というものを知り、その付け方を習った。
『おがみボタン』とは、黒服つまり偉い人が着る制服で黒い上着に付いた前ボタンをいう。
両手を合わせて「拝む」ような恰好で付けられているボタンだから「そう」呼ばれていた。
この付け方が結構難しい。糸の取り方、つまりその長さを目安にして縛りつけていくとき、出来上がりの長さが思ったようにならない。長すぎても、短すぎてもダメ。
キチンと胸の前で、二つのボタンが「合掌」していなければならない。
だから「その修理」が、自分の勤務の時には来ないように祈る。そんなみんなと一緒に働いた。
「リネン室」の隣の部屋は「ハウス」。やはり地下の部屋だ。
ここはおばちゃん達が多い。責任者以外はアルバイトか契約社員だ。
「客」がホテルをチェックアウトすると、連絡が入る。すぐさま何人かで駆けつけて、部屋を掃除する。
その時第一に見るのは、「お客さん」の忘れ物。
無かった物を、「あるはずだ」と言われかねない昨今の人心に、前もって点検するのだ。
「一千万のダイヤの指輪、洗面所に置き忘れたんですけど・・・」と、客から電話が入る。
「そらきた!」・・・、しかし無かったものは、無い!。

ある日「ハウス」の部屋がざわめいていた。
何かあったのだ。いつもの事だから気にもとめない。
リネンはリネンの仕事がある。しかしその時は違った。
部屋を空けるから、電話が鳴ったら出てね~、と言われそして誰もいなくなった。
リネン室だって、2人しかいない。(今日は休みの日だもの)
いずれニュースが入るだろう。
案の定入った。600万円入った封筒が部屋になかったか、と。
もちろん客は大慌てだ。何かの契約金らしいが、今見たら「封筒」が無い!
何とかしてくれ!。
万万が一、あり得ないが、「ゴミ箱」に捨てた?
誰もが笑って「あり得ない!」と言った。が、それでも可能性のあるものは何でもやってみた。
お客はもう、うろたえるのみで話にならない。(電話の向こうでも、その様子は分かる)
私はリネン室で電話番に早変わりしていた。
今日出した「ゴミ」はどこを経由してどこの「ゴミ処理場」へいくのか?
時間によっては、焼却されてしまう。
「まさかぁ~」と言って笑っているうちに、600万の札束が燃え尽きるのだ。
所沢。焼却場の場所である。
何時に乗せたゴミか。「ホテルメトロポリタンのゴミ」として、はたして分かるものなのか?
事情は全部説明してある。
結果、奇跡に近い事が起こった。
そのごみ処理場から、札束6つが発見された。焼却炉に投げ込む寸前にである。
まるで「おとぎ話」みたいな事が起こったのだ。
興奮と安堵で、くたくたに疲れた社員は言う言葉すら失ってコーヒーをすすり続ける。

世の中には考えられない事って、あるものだ。
なぜ、ごみ箱なんだ?・・・本人も分からないものを、他人の我々が知るはずもない。

「喫茶」の女子社員がコーヒーをかけて制服を汚した。
替えの制服はクリニング中だ。倉庫へ連れていって、一番体に合う物を選んでやる。
台帳に乗せられた何千枚の制服の中から、その部署の制服の、それも女子用を身長とウエスト・サイズで割り出す。
「ピッタリ!ありがとう」と言われた時はホットする。
リネン室に入って、ようやく「ものになってきた」証だ。
始めての人には絶対出来ない。小一時間かかって見つかる時もある。
それをいち早く探し出して、着せてやるというこの技は、年期がいる。


さて、長く話をしてもきりがないので「ペストリー」(菓子部門)に配置換えされた時の話をば。
洋菓子部門だからケーキ造りが主である。
私はその雑用。ほとんど道具洗いが主だったが、時には出来上がったケーキの「テープ」まき。
そしてある時は、「杏」の缶を汁ごとミキサーにかける。50缶くらいだったか?
またある時は、レモン絞り。100個は有にある。機械を使うが目に沁みるほどである。

さて、そんなある日またまた電話がはいる。内部連絡だ。
「来たぞ!」「了解!」。
「みんな~、作業を中止して例の御仁のケーキを作るように。至急、急げ!」
何事だ・・・。
そこのホテルは、ランチタイムが終わると、お茶とケーキの飲み放題、食べ放題の時間になる。
そこへ時たま、「100個のケーキを食べる人」が来るのだ。
尋常な御仁ではない。少しおかしい人・・・。トイレへ行って吐いては食べ、吐いては食べてどこかで満足すると出て行くそうな。
ここからがまさしく舞台裏。
シェフというより、今でいう「パテシェ」達は、段つまりグレードをドーンと落としたケーキを造り始める。つまり、使う材料の一つ一つの品質を何段階も落とすのである。味や甘味や風味は同じよう
につけるから分からない。
多分私のような「素人」には、決して分からないだろう。
たとえば一流のケーキは、スイスから空輸されてくる「チョコレート」が使われる。
「バニラ」の香りづけは、エッセンスじゃない。ちゃんとしたバニラの木から煮立てて造るのだ。
あれこれと違う内容で、「御仁」の食べるケーキ類が用意され、そのお客の前に並ぶ。
御満悦の時間を過ごして「御仁」が帰ると、また内線で知らされる。
「終了!」チーフの合図で作業が終わる。「ふー、コーヒータイムにしょうぜ・・・」と、彼らは
インスタント・コーヒーで一時の憩いにひたる。

こっそり上階から下ろされた「そのケーキ」は、私が最後に片づける「ゴミ袋」の中に投げ捨てられていた。
どんな味か、捨てられる品と同じものを事前に食べさせてもらった事がある。
ショートニングとか、バターとかが全然違うから、と言われて食べてみたが、「えっ、私全然おいしい!」。しかし口には出さず、言葉は飲み込んだ。


その後ホテルにも「リストラの嵐」が吹き、一斉に500人ほどの首切りがあり、私の首もとんじゃいましたねぇ~。
その後、時々おいしいケーキを買いに足を運びましたが、サイフもドンドン軽くなるのでだんだんと
遠のいてしまいました。
ボールに付いたクリームやジャムなどなど、味見をしながらも私は「本当の味」というものを教えて
いただきました。
一番の材料を使うこと。一番の技術で造ること。一番の心で造ること。
こんなケーキは、やはり「絶品」なのでしょう・・・。

○○ホテルのカレーとか、○○ホテルのスープとか「ホテルのシェフの味」が売り物になっている昨今、その時をしみじみ思い出しながら心をよぎることは・・・。

思えばいろんな仕事をやってみたものよ・・・、と。
そしてね、種を明かしますとね、かつて書いた『ある女将』の割烹へね、このホテルの社長はじめ
専務、常務が宴を張りに来られていたというわけです。
ですからみーんな顔見知り。
しかし会社(ホテル)では「あーら、社長さん」とか「あーら常務さん」なんて決して言ってはいけません。知らん顔して最敬礼していましたね。

人生いろいろ、職場もいろいろ。
回りまわると、ふりだしに戻るみたいな「すごろく」気分になってきませんか?
人生すごろく?、そうでも思わないとやってられない時ばっかりでしたから・・・・。
はい、おしまいです。

最後に。
そのホテルは、一日の売り上げが4000万円を超えると、「金一封」が全員に出されました。
私ももらいました。500円玉が入っていました。
臨時収入とまではいかなくても、嬉しいものですよ~。
たった500円という金額でも、「やったね~!」という気分がなんともいえず、このホテルを
なぜか私の心が愛していたように思います・・・。