SMILEY SMILE

たましいを、
下げないように…

如是我聞 1

2004-10-20 08:01:59 | 太宰
ちょっと、いや、かなり後悔している。
最初の取り組みとしては、異質なエッセイだし、受け入れられにくい作品かな、と。
これは昭和24年、太宰さんの死ぬ年、3,5,6,7月発行の『新潮』に連載されたもの。
7月は勿論、太宰さんの死後、発表された。
これは、口述筆記だったらしい。
なるほど、内容も内容だから、この方法は太宰さんの罵詈雑言にかなり拍車がかかっているように感じる。
内容としては、かなり評価のわかれる作品。
どちらかといえば、悪評のほうが高いかもしれない。なんと言ったって、「小説の神様」に噛みついたんだから・・・。批評家も流石に腰が引けて、「太宰君、それは言い過ぎだよ」ということになるのかもしれない。
しかし、現代の読者は、違う。そんな文壇事情など、知らない。知ったことではない。
太宰さんが、本当に抗議したかったことを、そのまま受け取る。
太宰さんは、もう、死ぬ気で書いていた。捨て身。
戦後の日本人の変わり身の早さに幻滅した太宰さんは、死に向って加速してゆく。精神も、肉体も、翳りを見せ始める。年に200本も原稿の依頼が舞い込む超人気作家の、最後の雄叫びだ。
ここには、生の太宰さんの声が聞える。虚構と現実を巧みに操る作家のなりふり構わぬ真情の吐露。

(続)

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2 コメント

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たけ君、 (agrico)
2004-10-20 19:31:42
ちょっと待ってくれたまえ。

あまりに長いので、まだ読み終わってないのだよ。



あ、記事は、どうぞ先に進んでくださいね。
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Unknown (たけ)
2004-10-20 23:44:26
ホント、長いんですよね。

後から気付いたんです。

そういえば・・・って。

幾つかのことに焦点を当てていきたいと思います。

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