La Muse malade

あなたの、その傷口から、涙が流れた

の
を
見た


確かに、あれは、涙だった

温かく

私の指に触れたものは

傷

の涙

だよ
ね

君、知っているかしら

傷が泣くってことを


ね

すっぱい

でしょ？

傷の歴史を
きずの履歴を
キスで埋めて

倦めて
熟んだ

海






膿
を


舐めて

呑んで
飲み干そう

聞こえる？

膝を抱えて、じっとしている

耳をすませて

何が聞こえるの？

うとうと・・・

何が聞こえるの？

こっくり、こっくり

短い夢の中で、聞こえたのはなんだったのかな？

服装に就いて

自分の野暮ったさに就いては、半ば絶望している。

服装なんてどうでもいいと思っているくせに、それなりの格好はしたい

などと思っている。そのくせ、そういうことには極端に吝嗇である。

いつも同じような服ばかり着ている。考えたくないのである。面倒。

太宰さんじゃないけど、国民服があったらいいのに。

タマゴを抱える男

言葉のリズムや流れだけが、湧きあがってくることが、しばしばある。

言わば、「曲」のようなものが。

これをいつかカタチにしたいと思っている。

Monster

ねぇ？

あなたは、あなたの中にいる

その繊細な怪物をどうやって、手なずけるの？

Taste of honey

期待するのは子供、期待しないのは大人？

何度も裏切られて、年を重ね、期待なんかせずに、できずに、したくと

も、そんな勇気持てず、あいつは甘ったれだ、なんて説教して、気を紛

らわせているうちに、期待なんてこと忘れて、それが悲しいことだと感

じることもできなくなって、つまらなくなって行くのか？

Clair de lune

グルダの「月の光」は、

湖面に映る月のようだ。

泣きべそ

太宰さんも、時々気が緩んで、ポロリと本音を漏らすことがある。

以下は「服装に就いて」の引用。



私は自分に零落を感じ、敗者を意識する時、必ずヴェルレーヌの泣き

べその顔を思い出し、救われるのが常である。生きていこうと思うの

である。あの人の弱さが、かえって私に生きて行こうという希望を

与える。気弱い内省の究極からでなければ、真に崇厳な光明は発し得

ないと私は、頑固に信じている。とにかく私は、もっと生きてみたい。

謂わば、最高の誇りと最低の生活で、とにかく生きてみたい。



ヴェルレーヌを太宰さんと置き換えれば、そのまま、私の呟きになり

かわる。

私が太宰さんに最も惹かれるのはここなのだと思う。

弱さを誤魔化さない。

弱さを見つめる勇気を持つ。

この他に、私のような小心者が誠実に生きて行く術はない。

弱さに対する、潔癖なまでの眼差し。

私は、弱さや、自信の無さを大事にして行きたいのだ。