ラグの「素直に生きれば人生は楽しい」

主に人生の歩き方について「人生お弁当箱診断」など
以前のブログ名:和色ムーブメント

日本的ライフスタイルを!

2009年02月13日 | 二升五合




 ① 価値/価格 が高い低価格路線の飲食店
 ② 大商圏型の飲食店(専門店)
 ③ ライフスタイルを提案する飲食店


“今後の飲食店の在り方” として有望であろうと挙げられていた3業態の中で、
③ の 「ライフスタイルの提案」 には、私は雑貨屋さんや家具屋さんにあるような
生活スタイル品(家具・調度品、照明やディスプレー)を先にイメージしてしまいます。


「時代の流れ」

昔を振り返れば、1950年代後半(昭和30年代)頃に
「三種の神器」 と言われた
白黒テレビ・電気冷蔵庫・電気洗濯機の家電3品目が、「生活様式の提案」 にも
なっていたのではないでしょうか。余談ですが、この当時は家庭にある電気器具で
裕福さが色分けされていたようです。

 ・ 電灯 (第七階級)
  + ・ ラジオ ・ アイロン (第六階級)
    + ・ トースター ・ 電熱器 (第五階級)
      + ・ミキサー ・ 扇風機 ・ 電話 (第四階級)
        + ・ 電気洗濯機 (第三階級)
          + ・ 電気冷蔵庫 (第二階級)
            + ・ 白黒テレビ (第一階級)


60年代後半(昭和40年代)に入ると、「新三種の神器」 と言われた 「カー(自動車)・
クーラー・カラーテレビ」 が登場して、「3C時代」 と呼ばれたわけですが、この頃から

少しずつ、余暇や楽しみといったカテゴリーの物品がスタイル提案されていたように
感じます。

70年代に入って、それまでの家電品は “提案” から “必需” となり、代わって
クルマや化粧品などの高級品や酒やタバコといった嗜好品もテレビCMに頻繁に
登場してきた印象があります。ようやく、「生活」 と 「ライフ」 というニュアンスの違い
が見えたような印象でした。一方、この当時の飲食業界、特に外食という枠組みの
お店の役割は、まだまだお腹を満たすことが目的の施設でしかなかったような気が
します。やはり、物事には順序があるということでしょうか ・・・ 。


「衣食住からの広がり」

人が生活していく上で、必要とされる 「衣/食/住」 のあり方は、時代と共に変化
してきた訳ですが、時代が変わっても 0(ゼロ)になることのない大きな三本柱です。
逆に、今はそれぞれが単体で成立してしまうような単純な時代ではなくなりました。
業界的に言えば、「食」 なのですが、その 「食」 という単体要素だけでは、消費者
(顧客)に十分な満足感を与えられる時代ではなくなったということです。

クルマや化粧品と共に、70年代のCMに登場していた 「食」 関連の商品には、
「ビール」 「ウイスキー」 などのお酒、「加工ハム」 や 「レトルト食品」 などの食品が
多くありました。しかし、この頃のCMは、生活やライフスタイルの提案というより、
コピーライターがエッジを利かせた宣伝文で商品を印象付け興味をひくパターンが
多かったような印象です。いずれにせよ、“生きる為” というような範疇から完全に
離れたものとなっていたことは事実です。そして、高級感や利便性を打ち出す為、
各企業は商品開発や宣伝広告に知恵を絞り、物販におけるマーケティングなどの
リサーチにも力を入れるようになりました。

一方、外食業界では、料理のレベルアップや飲み物の品揃えは当然なのですが、
冷蔵庫や冷凍庫、バックヤードの充実など厨房設備、空調設備やネオンサインを
含めた店内外装設備に大きな投資をしなければならない時代に突入しました。
顧客確保の為、そうした付加価値へも無謀な投資を行い、方や、目に見える大幅な
コスト削減も平然と行なう ・・・ これを順番に繰り返す荒くれた状態の店舗も増え、
気づけば、足し算と引き算しかできない業界になっていたのかもしれません。


「ライフスタイルって何?」

さて、昔話はこれぐらいで ・・・
「ライフスタイルを提案する飲食店」 ですが、これまでの歴史の中で “提案” を
行なってきたという印象が残っているものはほとんどありません。一般的ですが、
記念日にワインを傾けるディナーレストランや
新鮮なネタを目の前で握ってくれる
高級な寿司屋などの “商品やシチュエーションの提案” はあったとしても、やはり
“ライフスタイルの提案” というイメージまでは無かったような気がします。

そう言えば、“ライフスタイルの提案” って何なのでしょうか?
そもそも、「ライフスタイル」 という言葉を簡単に使っていますがどうなのでしょうか?
日本語に訳せば、「生活様式」 となるのですよね ・・・ ??? 私は、こう日本語に置き
換えられると、どうしても 「家(家庭)」 という狭義な範囲のイメージしか描けません。
広義に捉えれば、個の “人生観” や “生き方” にまで及ぶのでしょうが ・・・ 。


「日常と非日常の境目」

いずれにせよ、時代が求めているのは全く新しいスタイルなのでしょうか ・・・ ?
私はそうは思いません。どちらかと言えば、“これが自分のスタイルだ!” ということ
への気づきや気づくキッカケになるような出来事を求めているのだと感じます。
物足り無さを感じているというより、非日常な商品やシチュエーションが溢れていて
圧迫感すら感じる市場になっているのかもしれません。ただ、多くの人は社会的な
立場での付き合いや周囲の人との関わりを保つため、新しい “物” や “シーン” を
求め続けるのかもしれませんが ・・・ 。

そうした付き合いから離れると、「個(個人)」 としての存在意義や価値観を求めて
いることに気づくことは誰しもあるものだと感じます。今後、業界として必要なのは、
非日常の模索だけでなく、日常の中にある非日常の発見や肩の凝らない非日常感
の提案だと感じます。特に大手企業ほど ・・・ 。私の目線が間違っていなければ、
平面的で飽和状態にある業界の勢力図は、分散しながら新たな形(立体的)に必ず
再編成されていくと思います。


「有能な業界人求む!」

有能な業界人ほど、大手企業や安定企業で終わらず、“ライフスタイルの提案” を
できるだけ現場で実践してほしいというのが私の考えです。何故なら、文化と深く
関わる 「食」 という仕事に関して、企業の利益や個のライフスタイル提案だけで
終わらせず、日本独自の 「食」 に関するスタイルを動かしていくような目線で仕事
に取り組んでほしいのです。当たり前ですが、有能な人材ほど企業に所属すると、
ビジネスという視点でしか仕事を見なくなります。というか、そこでしか評価されない
仕組みになっていることが有能さや可能性を潰してしまっているのでしょうが ・・・ 。

特に、日本は外食の歴史が浅いためか、どうしても欧米のシステムをそのまま
導入したがる傾向にあります。自ずと他の国や地域の影響を大きく受けています。
「フードビジネス」 でライフスタイルの提案 ・・・ 否定はしません。ただ、日本らしい
外食産業の構築、そして何より、「日本の食文化」 をしっかり継承していこうという
そんな骨のある若者に増えてほしいものです。


「個人的スタイルの妄想と追求」

近所にラーメン店があります。( あるとします )
昼間、仕事の合間に行った時には、店内には活気があり、若いスタッフが素早く
オーダーを取りに来る。“ラーメン!” と私が言うと、“ハイよ!” と元気な返事が
あり、5分も経たないうちに目の前に ・・・ 。夜、家族で来店しテーブル席に座った
時には、愛想が良い熟練スタッフが “毎度いらっしゃい!何させてもらいましょ?
ギョーザもいっときますか?” と流れるような接客でもてなしてくれる ・・・ 。飲みに
行った帰り道、真夜中に立ち寄った時には、カウンターに座って私がオーダーする
まで、腕組みをした大将は一切声を掛けてこない。“ラーメンちょうだい!” と私が
言うと、軽くうなづいて大将は動き始める。“お愛想” “まいど(おおきに)!” ・・・ 。

これが私の理想のラーメン店スタイルです。良いとか悪いとかでなく、こんな感覚が
外国にあると思いますか?(わかりませんが)無いような気がします。これを文化
とは言いませんが、独特の日本的な感覚(人と人との関わり方)だと思っています。
( ひょっとして、私だけ ・・・ )

ということで、私が今後 “有望” とみている飲食店は、
「ジャパニーズ・オリジナル・ライフスタイル」 の提案ができる飲食店なのです。


「二升五合」

グローバルスタンダードは
多数決で決まるのだろうか?
そんなはずはないだろう ・・・

グローバルスタンダードを
評価する人が多いのだろうか?
たぶんそうなのだろう ・・・

しかし、何故
いきなり “世界標準” なのだろうか?
知ってるのだろうか “日本標準” を ・・・ ?

第五大成丸