ラグの「素直に生きれば人生は楽しい」

主に人生の歩き方について「人生お弁当箱診断」など
以前のブログ名:和色ムーブメント

地元の名店に学ぶ。

2008年10月07日 | 街的興趣


そこそこ昭和チックなお店。前々から名前が気になっていて ・・・
大昔、この愛称(字も同じ)で呼ばれていた大~っきなカラダの同僚がいました。
( 同い年、一緒に働いていて仲が良かったヤツ ・・・ どないしてるのやろぉ? )


 


嫁さんに付き合って
晩飯の買い物に行ったのですが、約2名、わが家の極楽蜻蛉な息子と娘から
“晩飯いらん(友人と食事する)” とメールが入りました。そやったらということで、
残り3名も負けじと豪華ディナー?を食べに近場の中華料理屋さんへ ・・・ ???

ここ数か月、
「地元」 や 「懐かしい」 「慣れ親しんだ」 というキーワードで旅している気分です。
外食も同様で、街場の最先端スポットや流行りの料理やサービスを提供している
お店をリサーチする一方で、「昭和なお店」 や 「普通においしい」 というキーワード
のお店に潜入する回数も増えてます。ちょっと前なら、絶対に入らんかったような
お店にも “忘れていた食楽” を掻き集めるために足を運んでいます。

何年も
地元で同じ商売を続けておられるお店は、一見さびれた様子が窺えるのですが、
よぉ~見ると強い芯があります。やっぱ、本当に良いお店というのは、経営者や
ご主人の “絶対に譲れないもん” が垣間見えるのものなのですね。言い換えたら、
気負うことなく、出し惜しみすることなく、平気で “店のこだわり” をあっちこっちで
振りまいている。如何せん、新しいものや流行りのものばっかり追いかけてると
それが見えなくなっていたりするものです。

そして、
こういうお店には、キマって “旨い” “楽しい” “嬉しい” もたくさん転がっていて、
オーラとなって店内外にまで漂っていたりもします。そんな独特の空気にお客は
吸い寄せられて、ファンとなり足繁く通ってしまうものなのですよね ・・・ 。

店内は
100㌫ 地元の方々です。大きなテーブルでは、ご近所3家族合同飲み会が開催
されていて、座敷では近所の小学校(何かのクラブ)の生徒と父兄が、わが家の
ようなノリでテレビを見ながらわいわいと夕食タイムです。JRの4名座席に姿勢
良く座っているかのようなお年寄り軍団は、前後3テーブルに分かれて上品に
社交の場を楽しんでおられました。皆さん、秋なのに “ほんのり桜色” ですわ!

初入店にも関わらず、
わが家の3名は、4人用の円卓にどっかと鎮座し、まるで常連客のようにオーダー
するのでした。( ・・・ でないと、この地元民100%の店内では浮いてしまいそうです )
“とりあえず、大瓶3本ほど持ってきて!” ( “今どき「大瓶の瓶ビール」” が有り )
“とりあえず、1本でええんちゃう!!” とすかさず、嫁さんが訂正注文したことは
言うまでもありませんが ・・・ 。

娘はいきなり、
皿うどんと鶏の唐揚げとギョーザ2人前、あと、スタミナ焼きと白ごはんと ・・・
“どんだけ!?” と言いたくなるような、しかし、見事なまでのマシンガンオーダーが
炸裂しました。これにはお店のおばちゃんもビックリ!と思いきや、意外と冷静に、
“それだけでよろしぃーか?” と返すあたり、おばちゃんもなかなかのツワモノ!

オヤジの私も負けじと、
海老チリに焼売にカレーラーメンに ・・・ 誰が食べるねん!と一人ノリツッコミを
かましながらも味のチェックは忘れず ・・・ 肝心の味は “普通に旨い!” です。
ポーションを考えれば、価格は至って良心的。家族3人?で営業されている様子
ですが、そこそこスピーディー(オーダー上がりも早い)でキレがありました。

壁に貼ってあった
「紹興酒」 と 「老酒」 の文字が気になって気になって ・・・ 気分は 「紹興酒」。
“紹興酒くださいな!” と私が言うと、“燗で?” とおばちゃんが返してきます。
ちょい予想外の逆提案に、少し身動ぎながら、“そんなら、燗で!” と返します。
更に “大きいの?小さいの?” と、おばちゃん攻めます!攻めます!“壁には
「紹興酒 500円」 としか書いてないやん!大きいの小さいのってどれやねん?”
と独り言の私。小声で、“小さいのん貰ろとこかなぁ~” とファイナルアンサー 。
( 日本酒用の8勺ほどのお銚子に入った紹興酒の超熱燗が ・・・ ホッ!)

何て言うのか ・・・
その時間、その空間で自分の存在が実感できる、この何とも言えない空気感。
( めっちゃオモロいなー、おばちゃん! ほんまに旨いやん、おっちゃん! )
ご馳走さまでした! ありがとう!


 


このラーメン屋さん、
ごく近所にあるお店ですが、今年に入って初めて伺いました。それから月2ペース
で通っています。見た目ベタで安っぽいラーメン屋さんですが、レベルは高いです。
魚系の出汁がアクセントになっている絶品のスープは、下品過ぎず上品過ぎずで、
“クセになる味” というより、“いつでも使えるプロの味” という域。私のおすすめは、
「こってりラーメン」  麺程よく(硬さ普通)、ネギは多めで、背油ボチボチ(普通)に、
卓上の卸しニンニクちょいと投入です。( スープの味を味わえるように ・・・ )

良いお店は、
接客(スタッフ)もレベルが高いものです。昼間はパート?のおばちゃん、夜は
若いアルバイトのお姉ちゃんなのですが、フレンドリーやけど線があって間合いが
ええ感じです。厨房の兄さん方も悪くないです。とにかく、フツーーーにええ店です。

近場(地元)の
この二店舗、共通しているのは、「普通に使えるお店」 ということと、次の日、全然
「胃もたれしない味」 だということです。ほんまにええ店ってどんな店なのか ・・・
少しわかったような気がします。勝手にお客様が集まるような繁華街で働いていた
時には気づかなかった素直な視点が一つ増えたかもしれません。



■ 街的興趣 ■

街にある繁盛店には
人に媚びない強さがある
しかし、街に媚びる弱さがある

沿線の名もないお店には
町を愛するオヤジがいる
人にやさしいオカンがいる

第五大成丸