ラグの「素直に生きれば人生は楽しい」

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2008年08月20日 | 造形憧憬


「播州ハム」 は、創業から50年以上、
真面目にハム・ソーセージ造りをしている老舗です。
今ではメディアやネットの普及で全国区になりました。





「播州ハム」 は、
姫路駅から西へ徒歩5分位の場所にある小さな工場で造られています。
早朝、中央市場でバイトし、学校帰りに駅前をうろついていた高校時代から
その存在は知っていましたが、その当時は、テレビの影響を大きく受ける時代
でしたから、大手ハム会社と並んでいると見劣りしていた記憶があります。

時代が変わり、
素材重視の本物志向や健康を意識した無添加の味などが求められています。
結果、昔ながらの “ものづくり” を継承している環境や職人が見直されています。
何か流行ると皆が右を向き、何か問題が起こると皆が左を向く他人依存な時代。
何とも可笑しげな話です。もうそろそろ消費者それぞれが責任を持って自己選択
しなければならない時代ではないでしょうか。もちろん、供給側も ・・・ 。

三代目のご主人は、
「どうすれば、地方の正直なハム屋の存在をお知らせし、まじめに造るハムを
買っていただけるのだろうか?」 と日々悩んでいたそうです。そんな時、あの
阪神淡路大震災(1995年)が起こり、ボランティア活動でインターネットと出会い、
ネットショップを立ち上げ、ハムの販売を開始したそうです。お客様から届く
「おいしかった」 というメールに社員共々感動したそうです。

要は、
いくら真面目に美味しいものを造っても、世間に認知されなければ自己満足で
終わってしまいます。その認知のキッカケ作りのツールとしてネットを活用する
ことは非常に良いことだと思います。但し、物を売るためだけに活用すると必ず
シッペ返しがくることを忘れてはなりませんが ・・・ 。

「播州ハム」 の約束(表題のみ)
◆ 肉を選ぶ ・・・ おいしさは良い肉選びから始まる。
◆ 塩を知る ・・・ ハム造りには化学調味料はいらない。
◆ 手を抜かない ・・・ 受け継いだ納得できる作業を守る。
◆ 炭火で焼く ・・・ 熟練の技と経験が問われる。

“こだわり”
と表現すれば、そうかもしれませんが、昔から “ものづくり” をしている環境や
職人にとっては、至極、当たり前なことではないかと私は感じます。
「こだわることにこだわらず、こだわらないことにこだわる」 これは、私が仕事に
取り組む時のポリシーです。“こだわり” なんて人に言うべきものではないという
意味です。“こだわり” は自身の中にあるもので、偶々、仕事や作業を通して
一端が他人に見えるだけのものです。それで済ますべきではないでしょうか ・・・ 。





工場横にある直売店で少しだけ買って帰りました。
スモークが得意ではない私ですが、ここのハム・ソーセージは大丈夫です。
赤ワインを ・・・ と思いましたが、ボンレスハムはそのままスライスして、
ボロニアソーセージも軽くソテーした程度で食べたかったので、ちょっとクセの
あるスパークリングワインを合わせてみました。まあ、悪くはなかったのですが、
やはり軽めでスパイシーな赤ワインあたりがあれば良かったかも ・・・ 。


■ 造形憧憬 ■

この情報過多で無分別な時代において
ほんまもんの “ものづくり” を表現するのは
ややもすれば、オリンピックで金メダルを取る
のと同じくらいむずかしいことかもしれない
なら、金メダルを目指すより、使い手の笑顔を
集めてみるのも悪くないのかも ・・・

第五大成丸