ラグの「素直に生きれば人生は楽しい」

主に人生の歩き方について「人生お弁当箱診断」など
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ビオロジック or リュット・レゾネ

2007年11月29日 | 家WINE


「樹齢45年の古木から採れた良質のブドウだけで造られた
ヴィンテージ・シャンパーニュ。きめ細かな泡立ちと金色の輝きが
美しく、花の香り、アーモンドの風味が余韻として心地よく続きます。」
という、インポーターのコメントをとりあえずコピーしておきます。

誕生日に楽しむつもりで買っておいたものだったのですが、買って
帰った日(3週間前)、“これ、飲んでええのん?” と嫁さんの声が
したかと思えば、あっという間にグラスを持ってテーブルに ・・・
“あ~ぁ、ええよ。” と答えるしかない私だったことは言うまでもなく。
( まだ、誕生日ちゃうやろ!何でわからへんのやーッ ???  )



Fleur de Prestige Brut Millesime



Champagne Beaumont des Crayeres

 ボーモン・デ・クレイエールの歩みは、まさにブドウ栽培の歴史そのものです。
 大地の恵みを分かち合うために1955年に創立されたメゾンは、今日では
 シャンパーニュの至宝のひとつに数えられています。約240の生産者から
 構成される生産者組合で、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区に約80haの畑を所有。
 ブドウ畑は庭園のようにその伝統と価値を尊重しながら栽培が続けられています。
 個々の栽培農家の所有畑は1haにも満たないため、機械や化学農薬はほとんど
 使用されていません。フリー・ラン・ジュースだけを使用してコクのある高品質な
 シャンパーニュを産み出しています。



 

  ■ ワイナリー   : シャンパーニュ・ボーモン・デ・クレイエール
  ■ ワイン名  : ボーモン・デ・クレイエール フルール・ド・プレスティージュ ブリュット ミレジム
  ■ Vintage : 1999
  ■ 原産国 : フランス
  ■ 地   方 : シャンパーニュ
  ■ 呼   称 : A.O.C.シャンパーニュ
  ■ 品   種 : シャルドネ 50% ピノ・ノワール 40% ピノ・ムニエ 10%
  ■ 熟  成 : デゴルジュマンまでの熟成期間 54ヶ月
  ■ その他 : オーガニック情報 ⇒ 「リュット・レゾネ」



このシャンパーニュは、
“困った時の社販” で買った(上代5,600円)のですが、
写真では判りづらいですが、繊細できめ細かな泡が爽やかな飲み口を
生み、上品で膨よかな余韻が楽しめる美味泡ものワインです。
( 「家WINE」 には、ち~っと贅沢やけどね ・・・ )
何となくシャンパンと言えば、パーティーなどの乾杯用というイメージが
あるかもしれませんが、最近では、飲食店でも飯中で飲まれるように
なっており存在感が広がっているという印象です。但し、それなりのお店で
最初から最後まで “シャンパンオンリー” はいただけませんが ・・・ 。
私の中でシャンパンというお酒の位置は
「格好つけずにカッコ良く飲みたい食前素面酒」 でしょうか。

さて、今日はワイン紹介だけで終わりません(終われません)。
このボーモン・デ・クレイエールの商品詳細の最後にあるオーガニック情報の
「リュット・レゾネ」 という言葉なのですが、“必要なものを必要な分だけ”
という意味であり、いわゆる有機栽培の 「ビオロジック」 とは違い、
ブドウの状態が健全な状態でなくなる可能性がある時だけ、一番安全な
化学肥料を最低限必要な量だけ使うというブドウ栽培です。こうした造り手は
もちろん化学肥料や薬品を使わなくて良い場合は使いませんし、なるべく
使わないよう最大限の努力もしています。
 
「安心安全」 を取るか 「味・魅惑」 を取るかという棲み分けに感じる方も
おられると思います。果たして、完全無農薬の有機栽培が本当に安全
なのでしょうか?そして、それがワイン造りの自然な姿だと言い切れる
のでしょうか?私自身、どちらが良いとは言い切れない部分もあります。
ただ、思うのですが、虫たちが作物を食べる時、まずい(腐った)部分から
食べて、旨い部分を残しておいてくれるでしょうか。ハウスでなく、直接
お日様を浴び、雨から水分を取るということが自然なのかもしれませんが
大気汚染や酸性雨の影響を何らかの形で受けている現状に目を伏せて
それでも “自然が一番!” と本当に言い切れるのでしょうか。

肝心なのは造っている方々の取り組み方だと思います。ワインの場合、
ブドウ品種の特徴だけでなく、テロワール(気候・地形・地質・土壌等)の違い
によって醸される味わいが全く違ってきます。作物にとって一番良い栽培方法
がどれなのかを真剣に考え、真正面から取り組んでいる生産者さんこそが
本当に信用できるのではないでしょうか。消費者もそれを見極めることが
重要な時代になってきたと言えます。ただ、普通の消費者さんはそこまでは
見には行けませんよね。だから余計に信用できるバイヤーさんやお店(酒屋
さんや飲食店さん)を見つけておくことが美味しいワインに出会えて、しかも
安心安全を確保できる最善策だと感じます。

ついでに、
最近、飲食店でも 「無農薬野菜の ・・・ 」 とか 「○○自然派農園の ・・・ 」
といったコンセプトやメニューを取り入れているところが増えています。
果たして、そのうちのどれだけのお店(スタッフ)が、本来の野菜の本当の
美味しさをわかって採用しているのか、また、その生産者さんが行なっている
取り組みを実際にどれだけ理解して、“良い” としているのか疑問に感じる
場面(お店)も多々あります。(上辺だけで採用しているお店やスタッフが多い)
最近、世間を騒がせ飲食業界を揺るがしている 「偽装問題」 もしかりです。
大手ほど問われる倫理観を軽んじて受け止めていることで、更に問題を
大きくして消費者の不安を増幅させているのではないでしょうか。やはり、
“プロはプロらしく” 本来の仕事(安心安全で美味しいものを提供する事)に
真剣に取り組む姿勢が大切です。

生産者(農家)にしろ、飲食店にしろ、ブランド商品を扱っているとかいない
とかではなく、それぞれが造っている(扱っている)商品に対して、どれだけ
しっかりと責任を持って消費者に届けているかです。そこだけは誤魔化さず
に義務を果たすべきです。心当たりのある業界関係者の方々は襟を正して
ほしいものです。一方、消費者もそろそろ 「ブランド信仰」 から脱皮して、
自身の目や舌で “ほんまもん” を見極める時代になってきたことを素直に
受け入れるべきかもしれません。

スローフードやビオロジックという言葉の本来の意味を
それこそ時間を掛けて追求し、次の時代へ、そのまた次の時代へと
受け継いでいかなければならない気がします。特に、今の日本は ・・・ 。
今日は真面目なブログになってしまいました。

ここらで、ご馳走様でした!