かつて、そう若旦那がまだ10代の頃、立川駅の北口の線路沿いを国立方面に数分行ったところにTBKホールというパチンコ屋があって、その店先に立ち食い蕎麦屋がありまして、若旦那はその店ではじめてコロッケそばと出会ったんです、もっとも、当時はうどん大好きだったので、コロッケうどんなんだけど、まあとにかく、その出会いは実に衝撃的なものだったと記憶している。そばにコロッケ入れちゃうの?今では当たり前のそのメニューも当時はとっても斬新だったんだよねー^^
それから、しばらくは立ち食いの店に入るたびにコロッケを探したもんだった、一口にコロッケと言っても、そりゃあ個性がある、大きさや形はもちろん具材や味付け、つゆとの組み合わせで、それぞれ違った味わいがあるもんなんです。
時は流れて、若旦那の中のナンバーワンは春菊天に変わってしまったけど、でも、それで若旦那の思い出が色あせることはない、今だっていつだって、コロッケそばを食べれば思い出すあの青春時代(いやいや、そんなに思い入れあったか?)
まさにノスタルジック、あの頃を思い出しながらコロッケそばの旅に出よう、そう思わせてくれたのはこの看板だった。
神田駅前の「富士そば」さん、この立ち食いそば界のモンスターから、若旦那の旅ははじまるのだ(また、旅立つのか?)
コロッケはちょい小さめ、ギュッと詰まってるので、つゆに浸したところで、そう簡単にバラバラにはならない。
そもそも、若旦那はあまりつゆを汚したくないので、なるべくコロッケは壊したくない、かと言って、外に出して食べてしまったのでは、せっかくの油が取り込めないので、それもつまらない、少しづつ壊しながら基本的にはつゆとそばを一緒にいただき、壊した面がつゆに浸りすぎないように調整しながら食べ進めていく。
じゃがいもの甘さがつゆのしょっぱさと合わさり、また、溶け出した油があっさりとしたつゆにコクを与えていく・・・つゆを吸った衣は天ぷらとはまったく違った食感で、舌を楽しませてくれる。
全てのそばを食べ終えてもつゆが濁っていない、そこが大事なんだけど、それでも、自然にそして静かにつゆに溶けていったコロッケのかけらたちが、濃い醤油色の向こう側に溜まっている、もったいないから、軽くかき混ぜ、それらを浮かしながら一口、また一口、気づけば丼の底は丸見え、またもや、完璧なる完食、塩分のとりすぎが心配だ(アホか!)
次回!コロッケの具にコーンは必要か?の回でまたお会いしましょう(そんな回あんのか?)