兵隊よりも士官になろう

私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。

【21世紀の横型リーダーシップ】5.横型リーダーシップとは

2008-05-06 00:54:27 | リーダーシップ
5.横型リーダーシップとは

 組織の硬直化が進み、変化に対応できず、「見ざる、聞かざる、言わざる」という企業文化に陥ってしまった大企業とは別に、新たしい動き(ムーブメント)が、10年位前から起こってきています。一番顕著で分かりやすいのは、アニメや映画を作る現場です。

 ハリウッド映画のDVDにメイキング映像が特典映像として収録されているケースがありますが、そういうものを見ていると、どの映画も同じようなプロセスで作られているように見えます。

 (1) 映画監督が、映画化したい原作をみつける
 (2) 資金提供者を募る
 (3) 映画を作成するための計画書やスケジュールを作成する
 (4) 映画監督が、映画に関与するスタッフを集め、プロジェクトチームを作る
   この時、キックオフのイベントを行う
 (5) 各々のスタッフに役割と責任、生産物の期限を割り当て、合意を得る
 (6) 計画書に従って、映画を作成する
 (7) 映画が完成したら、祝賀会を開催し、喜びを共にする
 (8) 契約に従い、スタッフや資金提供者に利益を分配する
 (9) 次の映画を作るまでの間、勉強したり、遊んだりする
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 映画を作るためにプロジェクトチームが生まれ、映画完成と共にチームを解散します。縁があれば、また一緒に仕事をします。映画を作製する組織が固定しているのではなく、必要に応じて、世界中からスタッフが集められます。1人前のスキルを持ったメンバーが手をあげたり、リーダーから呼ばれたりして、1つの映画を期限内かつ予算範囲内に作るという目標に向かって、仕事を進めます。仕事が終わったら、メンバーで利益を分配して、チームを解散します。個人的なお付き合いは続きますが、チームとしての役割は終わりです。こういうダイナミックなチームにより、大きな仕事をどんどんこなします。アニメなども著作権の関係か、「製作:○○株式会社」ではなく、「プロジェクト○○」とか、「○○製作委員会」という名前となっています。こういったゼネコンが大きな公共工事を請け負う際、いくつかの企業体と手を組んで、○○JV(共同体)というふうに言っているのに少し似ています。

 わたし達の身の回りでも似たような組織がありました。○○商工会議所とか、○○ロータリークラブなどの会員制の組織みたいなところで、お祭りを実行する会でもいいですし、ネットを使って知合いを募り、チームを作って、同人誌やゲームを作ったりするのも、どこか似ています。地縁や血縁、同窓会、県人会、学校のPTAみたいに組織があって、メンバーが最初からいるというものと別に、○○同好会とか○○愛好会が現実世界やネット上の仮想世界に広がってきて、複合ネットワークの時代に突入しています。ちょうど同じ人がいろんなネットワークに加入していて、お友達からうちのネットワークにおいでよと誘いを受けたり、なんとなく疎遠になったりと、いうふうに変化しています。このような形のグループは価値観が似た者同士が集まるため、明るいグループは明るく、暗いグループは暗くなります。誰からも声をかけてもらえない人にならないよう、お友達を大切にしてください。

<コラム> 福田首相の目指す日本の姿は「きれいな日本」
※教育ブログに2008/04/13に投稿した内容

福田首相の目指す日本の姿は「きれいな日本」

 リーダーシップ研修で、リーダーが語る内容が大切だという話があります。いけいけどんどんとか、当面の目標とかといったノルマ達成というスローガンは20世紀型です。
ビジョンというか、これからこういうふうにしたいという言葉は目先がどうのこうのではなく、10年後、100年後を見据えてこういう形にしたいんだというリーダーの心が反映されています。
(先輩達が先送りした)いろいろな問題を解決して、ドブだらけの下水溝をキレイにして(ではないでしょうが)、桜が咲いたのをみんなが見て幸せになれるようにしたいものだ という心情を語ったのではないでしょうか。
21世紀の日本は、経済成長とか、モノといったものから距離を置いて、侘び、寂び、萌えといった美しいものを追求するようになるのではないかと、そんなことを考えています。

橘みゆき 拝  2008/04/13

<< 引用開始 >>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080412-00000016-yom-pol
首相「こんな桜ばかりの日本にしたい」新宿御苑で桜見る会
4月12日11時14分配信 読売新聞

 福田首相主催の「桜を見る会」が12日午前、東京都新宿区の新宿御苑で開かれ、女優の菊川怜さんやタレントの真鍋かをりさんら招待者約1万人が青空の下、咲き誇る八重桜を楽しんだ。
 首相は「色んな問題があるがそれをきれいにしたい。そして、こんな桜ばかりのような日本にしたい」とあいさつ。「物価が上がるとかいったようなことがあるが、しょうがない事はしょうがないので、耐えて、工夫して切り抜けるのが大事なんです」と強調した。
 首相は連日、厳しい政権運営を強いられるが、この日は招待者から「(9日の)党首討論良かったよ」などと声をかけられ、終始笑顔を見せていた。
<< 引用おわり >>

●本書のために追加したコメント

 この記事に関して、いろんな方のブログを拝見しました。「しょうがない」以降の部分について、コメントしている方がほとんどでした。いまのような日本になったのは誰のせいですか? あの小泉総理と竹中総務相じゃないですか、国民が騙されたとか、いろいろありますが、少なくとも総選挙によって過半数の方が賛成したじゃないですか。その結果、とんでもない方向に政策がなされたとしても、いまとなっては犠牲を最小限にするしかやりようがありません。そういった意味で、福田総理の「しょうがない」というのは、自分のせいじゃないもんねーという気持ちが現れているのでしょう。それに最善を尽くしても、中東戦争が勃発したり、支那や半島、台湾などで有事があれば、外国からエネルギーや食糧の輸入は困難になりますから、それこそ輸入インフレにより物価は上昇してしまうのは、「しょうがない」ということなのです。腹を立てるくらいなら、家庭菜園やベランダにプランターを並べて、簡単にできる野菜でも育ててみたらいかがかな?

橘みゆき 拝  2008/04/19