兵隊よりも士官になろう

私はリーダーは天性のものではなく、教育によって量産が可能であると考えています。

【21世紀の横型リーダーシップ】3.見直しを迫られる従来型のリーダーシップ

2008-05-04 01:02:02 | リーダーシップ
3.見直しを迫られる従来型のリーダーシップ

 2章で紹介した昭和時代の煙突は、平成に入り、バブル崩壊に伴う大企業の消滅やリストラという名の首切りにより、事実上残っているのは公務員くらいでしょう。成果主義による評価方法の変更も煙突の崩壊を加速させました。
 リストラをして、コスト高といわれたベビーブーマーが定年退職して、労働者の平均年齢は下がり、給料も下がりました。さてその結果、会社は強くなったでしょうか?
そういう観点でいろんな会社を見ると、定年退職した後も継続して雇用したり(給料はだいぶ安くなってます)、関連会社に勤めてもらって65歳までとりあえず後任の技術者を育成することになったベテランもいれば、初志貫徹してセカンドライフ(インターネットのあれではありません)をエンジョイしている人と、キレイに別れています。退職を選択した人は、50歳を超えたあたりからリストラにあい、成果主義への移行期に冷や飯食わされて、評価もされない隙間の課題をこなしてきた方が多かった。会社に対して不満たらたらで辞めたといっても良いでしょう。継続して働いている方は、ある意味深刻で、子供達がフリーターやニートになっているため、食うために働かざるを得ない人もいれば、家に居場所がないから仕事していた方がマシと妻から言われた人、多額の借金を抱えている人、あと、仕事が趣味より好きだからという人が1人だけいました。とりあえず、私がお話を聞いた人達を見ると、不満たらたらでも辞めた人の方がマシかもしれません。

 なんか、実も蓋も落ちもない話しですみませんが、平成になって、昭和のバブルが崩壊し、90年代後半に金融危機を経て、小泉バブルもはじけ、心の風景では荒れ野原が一面に広がっているといったところでしょうか。大規模商店法改正で日本全国いたるところにイオンやジャスコなどを核としたショッピングモールができ、駅前商店街はシャッター通りと化してしまいました。そのイオンすら採算がとれない店舗を廃止するとのニュースが先週流れました。ガソリン価格が高騰する中で、何もかもお店がなくなってしまったという地域が出てくるのではないかと心配しています。かつてダイエーは店舗の土地を担保にして、借金を繰り返すという不動産投資で規模を拡張して、土地バブル崩壊と共に勢いを失いました。イオンの場合は、石油価格高騰で消費者が自動車を運転できなくなったから店じまいするのか、地方の金回りが悪くなったから店じまいするのか、いずれかでしょう。それにしても、店舗閉鎖となるところで働いていた人は失業してしまいますが、再就職先ってあるんでしょうか? 競争相手と仁義亡き戦いをしていたら、後ろから本社の連中にミサイルを撃たれて、戦場ごと爆破して、全員死んでしまいましたというのでは、これは怨みが強烈に残ってしまいます。通常は業績悪化を受けて経営者が辞任するということとバーターでやっても、うまくいくかどうかなのに、本社の連中を食わすために、現場は死んでくれでは納得がいくはずがありません。大東亜戦争でガダルカナル島に行って伝染病や飢えて亡くなった方のように、本土から見捨てられたという構図そのものではありませんか。自滅のリーダーシップとか、タコが自分の足を食うのと同じで、破滅のリーダーシップです。これは、ぜひとも後世の歴史家のために、こんなひどいことがあったと語り続けなくてはいけません。

 ある時代、これは素晴らしいというビジネスモデルで、規模を拡張し、いけいけどんどんと後先考えずに走っていると、はしごを外されたあげくに、火を放たれて逃げ場もなくことごとく討ち死にしてしまう。。そんな風景は、最近、ありましたね。サブプライムとか、債務保証会社(モノライン)とか、格付けがトリプルAだったはずなのに、いつの間にか格下げになってしまった債権とか。。。。時代が変わるとき、ある日突然変わることはありません。なんか様子がおかしいな?と思うときがあるのです。そのサインを見たとき、すぐに撤退できるか、ぼーっと見過ごして、何もしないかによって、組織が生き残れるか否かの分水嶺となる場合が多く見られます。良いたとえになるかわかりませんが、台風って、生まれた瞬間からあんなに強い雨や風が吹いているわけではありません。日本の南の海上で太陽で温められた空気がうずをまいていって、だんだん成長していって、風速が一定規模にまで成長したら台風××号という名前になります。エネルギーが形になって、エネルギーを放出していって消えていく。。どこかで聞いたような。。空即是色、色即是空のあのお経(般若心経)そのものではないですか。