鎌倉の極楽寺1丁目の山を霊仙山といいます。標高は83mで東側は切り立った崖になっています。この山頂付近は、1923年の関東大震災までは公園になっており、細菌学の北里柴三郎博士がロベルト・コッホをこの地に案内したと書かれた記念碑(現在は稲村ケ崎の海浜公園にある)も残されています。山道が険しく、誰でも行けるわけではありませんが、先日、幸運にもこの地を訪ねることができました。
今は高い木立に覆われ、山頂からの眺望は楽しめませんが、ちょっと南に下ったところに仏法寺跡の平場があり、そこからは鎌倉市内、三浦半島の観音崎まで見渡せます。写真は鎌倉市内を写したものですが、由比ヶ浜から材木座海岸、鎌倉市内の中心部の主要な建物が確認できます。
鎌倉時代には、山頂付近にある五合桝遺跡は重要な戦略拠点であり、新田義貞の鎌倉攻めの時には激しい攻防戦が行われたと思われます。またこの地にあった仏法寺は極楽寺の支院であり、忍性が雨乞いを行ったとか、東南にある和賀江嶋に入出港する船の監視をしていたとかいわれてますが、その場に立ってみますと、なるほどと肯けます。鎌倉市内には東側のハイキングコースから西側の眺望を楽しむ場所はいくつかありますが、東側を展望する場所は少なく、貴重な体験ができました。
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