新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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新型インフルエンザのおさらい(たまにヒト感染することもあるのはナゼ? Lancetセミナー)

2008-05-28 10:26:40 | インフルエンザ:基礎知識/新知見

Lancet(医学系週刊誌)に新型/鳥インフルエンザのおさらいが載っています。ちょっとづつ小分けに、何回かにわけて紹介します。

各動物に各インフルエンザが感染するかどうか決める要素に、タンパクの型があります。

H5N1のHはヘマグルチニンの頭文字ですが、このヘメグリチニンが結合できる受容体(アンテナみたいなものです)の型によって、受信できたり出来なかったりします。
今のところの鳥インフルエンザではSAa2 3Galというアンテナで受信できますが、ヒトの呼吸器細胞にあるのはSAa2 6Galという別種のアンテナなのでなかなか受信できません。でも、ずっと奥のほう、呼吸気管支と肺胞の間にある細胞にはちょっとだけSAa2 3Gal型アンテナがあるので、密接接触者ではマレにうつってしまうことがあるのかも・・・といわれています。

ソースは
The Lancet 2008; 371:1464-1475
DOI:10.1016/S0140-6736(08)60627-3
Seminar
Human infection with highly pathogenic H5N1 influenza virus Andrea Gambotto MD a , Simon M Barratt-Boyes PhD b, Prof Menno D de Jong MD c d, Gabriele Neumann PhD e and Prof Yoshihiro Kawaoka PhD e f


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