北朝鮮有事をにらんで、日本にかの国から難民が大量に流入したら・・・の検討を始めたと報道されています。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171113/k10011221271000.html
北朝鮮からの難民を想定 感染症対策検討へ 厚労省
かの国から脱出する方々といえば、北京在勤時に脱北者のお世話をたっぷり(あの時は過労死するかと思ったぜよ・・)させていただいた管理人から、研究班のみなさまへエールです。実際に万一のことが発生したら、当時の私と同じ思いをされるであろう現場の皆さまにも。
机の上だけで考えてものごと動かしたらエライ事になる。これだけは叩き込んでください。
1.彼らを扱う経験者から学ぼう。管理人も初動はカナダの医務官から情報もらった。
たとえばWHO公式数字で人口10万あたり511と言う数字の結核罹患者。まず保護したら、真っ先にチェックすることは?(10ウン年前の北京なら胸部X線とツ反ということでしたが、それは現代に合わせるとして)。彼らを扱いなれて情報・データもってるのは中国衛生部(当時。今でいう国家衛生和計画生育委員会)。結核指定病床ではどう扱うの(手錠付きと手錠なしの入院光景とか)。
2.彼らを診療した経験者から学ぼう。
たとえば彼らが「私は心臓が捻じれるように痛いです」と言って(⇐通訳で直訳してもらうとこうなる)きたとき、何(病)を考える? 日本の医学部で教えてるとおりやったら、心エコーも心カテも、数か月先まで予約待ちの列になってしまうことでしょう(日本人の受診者はどうなる?)。
医薬品の投薬は? 分3×5日分を渡したら、何日でなくなるでしょう?服薬アドヒヤランスの概念が根本から異なります。 看護学部の人も薬学部の人も痛感するでしょう(というか、痛感じゃなくて、あらかじめノウハウを持っていないと大変なのですが)
ここらへんは 韓国ハナ院あたりにノウハウは蓄積しているでしょう。
3.本当の大変さはボディブローのように効いてくる
いざウン万人がわっとやって来たとして、当初は世間の注目のもと、アドレナリンいっぱい、DMATやDPATやNGOもワッと集まってくることでしょう。でも、1カ月後は3カ月後は6カ月後は? 何人に対してもベストを尽くすプログラム単一仕様の(多くの国のようにお金を払える払えないで対応を変えたりというプログラムがインプットされていない)日本の医療従事者、過労死が出るでしょう。計画で絶対に忘れちゃいけないのが、「急性期の次」。ロジスティックスの発想で。
まあ、奥歯にいっぱいものが挟まっていますが、ブログに書けるのはここまで。なにかございましたら。
J-ideo 第3号 P426~もご参照ください。