たとえば炭疽菌テロでばら撒かれたとき、たとえば高病原性新型インフルエンザで早急に抗ウイルス薬を届けねばならないとき、どうするか。米ツインシティー(ミネアポリス&セントポール)にて郵便ルートを利用しカラ瓶を一斉に届ける実験、一応の成功をみたと報告。
- たとえば炭疽菌テロなどで病原体がばら撒かれたとき、暴露が考えられる人々に一刻もはやく抗生剤を届け服用させねばならない。
- この「短時間に一斉に届ける」ことの大規模実験。
- 対象はn=3万7千世帯。4つの郵便番号地域(two sections of St. Paul (55101 and 55102), the north side of Minneapolis (55411), and parts of Robbinsdale, Golden Valley, and Crystal (55422). )
- 郵便配達人とlaw enforcement officer(法律増強官?)でひと組。これが40組。law enforcement officerは、配達人を守るために配置されており、薬を守るためではない(薬自体は豊富な備蓄から無料で配布されるのであえて盗もうとする人はいないと想定)
- 朝6時にヨーイドン!で午後3時までにカラ瓶と説明文書を配達。
- 非常に首尾よく、郵便ルートを使い薬を配布するのは、おおきな公衆衛生危機のとき威力発揮することを確認。
- 対象の3万7千世帯のうち、配達できなかったのはRobbinsdaleの76世帯のみ。これは道路の冠水で到達できなかったため(当日は大雨)
感染症流行時の社会不安発生要因のひとつに、「薬が手に入るか入らないか不透明」という要素が大きく存在します。2003年SARS@北京では、「SARSの薬があるぞ」という非公式なささやき(あろうことか、ささやき人が見せてくれたのはタミフル!だったり、ようわからん漢方だったり)がありました。2009年初頭(←H1N1)パンデミック発生前)に北京市で鳥インフルヒト感染死が発生したときには、外国人向けクリニックにつめかけた邦人がタミフル求め声を荒げる・・・なんてことも報告されてきました。
そんな中、朝6時にヨーイドン!で午後3時には全員の手に行き渡っている・・という仕組みが実験で実証されていれば、大きな不安緩和要因となるのは間違いありません。
日本の新型インフル対策(に限らず感染症一般対策)において、モノを戸別に届けるプレフェッショナル・・・日本郵政やクロネコヤマトなど・・・を巻き込むメリットは(社会不安対策上にも)極めて大きいと思われます。
ソースはCIDRAP↓
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/bt/bioprep/news/may0712mail.html
Twin Cities medicine-by-mail test called successful
その元ソース↓ ミネソタ州。CIDRAPのおひざ元ですね。
http://www.health.state.mn.us/news/pressrel/2012/opmeddelivery050312.html