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新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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狂犬病には想定外の発症があるという話(ネパール)

2015-11-17 07:59:18 | 狂犬病

渡航者研修で狂犬病の話をするとき、咬まれたら帰国まで待たず必ずその日のうちに現地病院へ(暴露後免疫)とか、暴露前免疫の話とか、ネコやコウモリにもいる話とかをしていますが、いささか想定外の問答が本日のProMEDに。

  • ネパール人ドクター:63歳男性。Pahalwanpur, Kailali district (Seti Zone)から受診。腕の痛み・興奮・恐水病・羞明など典型的な狂犬病症状で11月11日受診、翌12日死亡。狂犬病確認されたので病歴を詳細に聞くと、53年前の10歳時に咬まれていたことが判明。狂犬病の潜伏期が53年ってこと有やなしや?
  • 回答者:53年というのは考えにくい。狂犬病は、咬まれていなくても、たとえば毛に付着して唾液とかでも感染するので愛撫でもあぶない。自分でも認識していない(覚えていない)マイナーな接触があるのではないか?

面白い問答です。”53年越しの潜伏期”には否定的見解なるも、咬まれなくても撫でただけで(本人も気づかないうちの)狂犬病・・・という見解は、否定もしにくく、ちらりと一言ぐらいは研修で述べてもよいのかもしれません。

ソースはProMED
http://www.promedmail.org/post/3791390

Date: Thu 12 Nov 2015
From: Sher Bahadur Pun <drsherbdr@yahoo.com> [edited]


Rabies long incubation, human, Kailali district, Nepal


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