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この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

スピード英語に追いつけないネイティブ

2009年10月10日 | 語学学習
英語ネイティブの中にも、ペラペラと早口でしゃべる人もいれば、ゆっくりと噛み砕くように話す人もいます。
我々日本人にとっては、早口でしゃべるネイティブの会話は難物で、私などはほとんどまったく知らない別の言葉に接している気がしてしまいます。

ところが聞いてみると、意外とネイティブでも、早口の英語が聞き取れないことがあるのだそうです。
それを聞いて、ふと思ったのですが、日本語では「早口だから」という理由で「聞き取れなくなる」ことはあまりありませんね。
訛りが強かったり、方言で知らない単語が出てくると「意味が分からない」ということは多々ありますが、そうではなくごく標準的な日本語であれば、まくしたてるように早口でしゃべっても「聞き取る」ことは確実にできます。
英語の場合、特にアクセント(訛り)が強くない標準的な英語でも、スピードが早くなり過ぎると、ネイティブですら聞き取れないことがあるというのです。

この違いは、どうやら言語の構造にあるようです。
英語は、子音だけの音やシュワと呼ばれるあいまい母音が多く、それらの発音は会話の中ではストレスの置かれる母音に比べると軽視されます。
たびたび細かな子音は早口になると発音されなかったり、次の母音とリエゾンして別の単語に聞こえるような発音になったりします。
こうしたことから、英語は、スピードがあがると、「発音」自体が変化し、結果的に「聞き取る」ことが難しい、という現象が起こり得るのです。

一方日本語は、子音と母音はほとんどの場合セットになり、ストレスの概念がないので、どの母音も基本的には均一に発音されます。
そのため、ある音が欠落することはほとんどありません。
欠落すると単語が別の単語になるか、意味をなさなくなってしまうのです。

例えば、英語では幾つもの音節を持つ単語では、ストレスのある音がしっかり発音されていれば、他の部分が欠落しても、それらしく聞こえます。
importantは、poにストレスを置けば「portant」と発音してもそれらしく聞こえますし、Americanもmeにストレスを置けば「merican」と発音しても、何となくAmericanと聞こえます。
かつてAmericanから「メリケン」という外来語ができたのも、そのことをよく表しています。

日本語ではこうはいきません。
例えば「英会話(えいかいわ)」という言葉を「いかいわ」と発音すると、まったく意味が通じなくなります。どの音節が欠落しても同じです。

欠落が許されないがために、逆にいえばどんなに早口でしゃべっても、音が欠落することはありません。
そのため、ほとんどの場合、日本語は早口でも「聞き取る」ことはできるわけです。

「あの人の英語、早すぎて聞き取れないよ」
この悩みは、日本人だけではなくネイティブにも共通のようです。
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