西陣の路地の奥に、蜂蜜専門店を見つけました。
町家が軒を連ねる街並みにひっそりと佇む、小さな店です。
清潔感のある店内には、アカシアやクローバだけでなく、レモン、リンゴ、コーヒー、桜など、様々な植物から採れた蜂蜜のビンが整然と並んでいます。
国産のものだけでなく、インドやカナダ、マレーシアなど、世界各地から輸入されたものも置かれていました。
女性の店長さんが一人で応対してくれました。
にこやかで優しい物腰。
そして何よりもはんなりとした京都弁が、耳に心地よく響きました。
「小さいビンの方はねえ、観光できはった方が、重いから言うてぎょうさん買っていかはって、もうこんだけしかないんですぅ。」
解きほぐすと、今ここに在庫がないのは、観光客が大きいのでなく小さな方ばかり買ったからだ、と言うことです。
しかもその言葉の裏には、買うなら大きいビンの方を買って欲しいのに、という気持ちが暗に込められているようです。
しかし、若干きつめの話題も、京言葉で柔らかく話されると不思議と悪い気はしません。
他人を話題にする時に、「きはった」「いかはった」といった尊敬語を使うことで、話す当人の人格をより柔らかく見せる効果があるのでしょう。
日本語は、尊敬語、謙譲語などが高度に発達してきたと言われますが、その最たるものが京言葉なのかもしれません。
美しい京都弁に釣られて、店を見るだけのつもりだった予定を変更し、幾つも蜂蜜を買ってしまいました。
もっとも「よそ者」の私が買い求めたのは、やはり「小さいビン」の方でしたが…。
町家が軒を連ねる街並みにひっそりと佇む、小さな店です。
清潔感のある店内には、アカシアやクローバだけでなく、レモン、リンゴ、コーヒー、桜など、様々な植物から採れた蜂蜜のビンが整然と並んでいます。
国産のものだけでなく、インドやカナダ、マレーシアなど、世界各地から輸入されたものも置かれていました。
女性の店長さんが一人で応対してくれました。
にこやかで優しい物腰。
そして何よりもはんなりとした京都弁が、耳に心地よく響きました。
「小さいビンの方はねえ、観光できはった方が、重いから言うてぎょうさん買っていかはって、もうこんだけしかないんですぅ。」
解きほぐすと、今ここに在庫がないのは、観光客が大きいのでなく小さな方ばかり買ったからだ、と言うことです。
しかもその言葉の裏には、買うなら大きいビンの方を買って欲しいのに、という気持ちが暗に込められているようです。
しかし、若干きつめの話題も、京言葉で柔らかく話されると不思議と悪い気はしません。
他人を話題にする時に、「きはった」「いかはった」といった尊敬語を使うことで、話す当人の人格をより柔らかく見せる効果があるのでしょう。
日本語は、尊敬語、謙譲語などが高度に発達してきたと言われますが、その最たるものが京言葉なのかもしれません。
美しい京都弁に釣られて、店を見るだけのつもりだった予定を変更し、幾つも蜂蜜を買ってしまいました。
もっとも「よそ者」の私が買い求めたのは、やはり「小さいビン」の方でしたが…。












