あまくさ人のひとりごち

あまくさ人のひとりごち、つまり独り言です。
撮りだめした写真も併せて載せます。

牛深小森海岸の夕陽

KKC48

第1379回 旅立ちの日に 小嶋登さん死去

2011-01-22 19:14:21 | 教育

今から20年前のこと。
埼玉県は秩父の、とある中学校は、
とても荒れている学校だったという。


その中学校の校長先生になったのが、小嶋登さんというお方。


「荒れている中学校を、歌で立て直したい」


「歌声の響く学校」を作ろう。
そこで小嶋校長先生は、生徒たちに合唱をする機会を増やすことにした。


生徒たちは反発した。
合唱なんて、かったりー。


でも、校長先生は負けなかった。
音楽の高橋浩美先生(当時は坂本先生)とともに、
生徒たちを粘り強く指導していった。


その結果、
その中学校はほんとうに歌によって立て直されたという。


ある日のこと。
高橋先生は校長先生にこう提案した。


「卒業する生徒たちのために、何か歌を送ってあげましょう。作詞をしてください」


校長先生は、
「わたしにはそんなセンスはないから」と固辞したが、
翌日、高橋先生の机には校長先生直筆の歌詞が・・・。


白い光の中に 山並みは萌えて
はるかな空の果てまでも 君は飛び立つ
限りなく青い空に 心ふるわせ
自由をかける鳥よ 振り返ることもせず


勇気を翼にこめて 希望の風にのり
この広い大空に 夢を託して


懐かしい友の声 ふとよみがえる
意味もないいさかいに 泣いたあの時
心通ったうれしさに 抱き合った日よ
みんな過ぎたけれど 思い出強く抱いて


勇気を翼にこめて 希望の風にのり
この広い大空に 夢を託して


今 別れのとき 飛び立とう 未来信じて
はずむ 若い力 信じて
この広い この広い 大空に・・・


その歌詞に感動した高橋先生。
わずか15分で、その歌詞に曲をつけたという。


そしてその曲は、
「卒業生を送る会」のサプライズとして、先生たちによって歌われた。
翌年からは、生徒たちも歌うようになった。


その曲の名は、
「旅立ちの日に」。
今では学校の卒業式で歌われる歌の定番のひとつとなっている。


・・・・というようなことを、去年のブログでも書いたなあ、そういえば。


その小嶋登さんが、お亡くなりになった。
合唱、いや、合掌。



「旅立ちの日に」作詞者、小嶋登さん死去 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

  全国の小中学校の卒業式で歌われている「旅立ちの日に」の作詞者で、元中学校校長の小嶋登(こじま・のぼる)さんが20日、急性心筋梗塞のため死去した。80歳だった
 告別式は26日午後1時、埼玉県秩父市上影森829の1メモリアルホール秩父で。喪主は長男、直樹(なおき)氏。


 1988年に、荒れていた秩父市立影森中の校長となり、「歌声の響く学校」として再生を目指した。「旅立ちの日に」を作詞したのは定年退職を控えた91年。当時、同中の音楽担当だった高橋浩美教諭(49)から「卒業生に贈る歌詞を作って下さい。歌にしたい」と依頼され、「白い光の中に 山なみは()えて」などという歌詞を一晩で書き上げた。歌は同年3月、3年生を送る会で初めて披露され、翌年、音楽教師向けの専門誌に掲載されると、全国の学校に広まった。秋川雅史さんやSMAPら歌手も歌い、CMソングにも使われた。小嶋さんは退職後、高橋教諭に「すごいことになったな」と話していたという。

 


天草西海岸の夕陽