逝きし世の面影

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たった11年で忘れられた9・11事件

2012年09月11日 | 9・11事件と情報操作

『何もない9・11報道の異常』

今日は、11年間も絶えること無く続く対テロ戦争の原因である9・11事件発生から11年目の記念日であるがマスコミは黙して一言も語らない。
新聞やテレビの報道は何も無い。
11年前にはエンドレスで際限なく繰り返されたツインタワーの崩壊の理解に苦しむ同一映像は、今では放送されることは無くなった。
ところが、アメリカ軍によるテロ撲滅のための対テロ戦争で『テロ』は世界中に爆発的に拡大して、米軍が介入したイラク、アフガニスタン、パキスタンの三国だけで6割を占めている。
3・11大震災から1年半後であるとして、日本のマスコミは報道特集を行っているのですが一年半は何かの節目としては中途半端である。
対照的に9・11から11周年目、大事な節目であるにもかかわらず、『9・11事件』を完全に過去の『不都合な話』として忘れているのだろうか。
今の世界の社会構造を決定的にした最大のものは9・11事件であり、それなら完全無視する今のマスコミの優先順位(価値観)は根本的に狂っているとしか判断できない。

『9・11の犯人とされたアルカイダを応援するNATOやアメリカ』

去年の3.11大震災で福島第一原発が大爆発した直後に、突然原発大国のフランスのサルコジ大統領が主導して、アメリカ軍やNATO軍はアルカイダなどイスラム武装勢力を応援して『独裁政権』を理由にリビアのカダフィを殺害する。
現在は同じように『独裁政権』を理由にしてシリアのアサド政権を打倒しようと、欧米やサウジアラビアがアルカイダなどスンニ派武装勢力を応援するが、昨年の『打倒リビア』とまったく同じ構図なのです。
中東の最悪の独裁政権とは宗教独裁国家サウジアラビアであるが、打倒どころか欧米が応援するダブルスタンダード。
目の前にあるイスラム社会の現地中東の客観的事実を欧米諸国のマスコミはまったく知らないのだろうか。
女性の自動車運転や一人での外出さえ禁止するサウジとは反対に、中東でもっとも民主的で女性の権利を認めているのがリビアでありシリアなのですが、9・11の犯人であると断定したアルカイダなどイスラム武装勢力を利用して倒そうと画策しているのですから、11年続いている対テロ戦争の『隠された真実』が少しづつ明らかになりつつある。
数万人が死亡したと伝えられている激しい内戦に陥ったシリア情勢ですが、何故か戦争難民が7万人(死者数の2~3倍)程度で、アジア・アフリカなど通常の内戦での数字とは違いすぎる。
普通なら一般市民が危険を避けるために、死者数の三桁から四桁の膨大な難民が発生する。
何処の内戦でも最低でも二桁以上の難民が出るが、欧米マスコミが『政府軍が無差別に市民を殺している』と報道しているシリアでは、一般市民が自分の家に留まって今までどうりの生活しているのです。
しかも内戦の規模からすると少なすぎるシリア難民は口を揃えてアサド政権打倒を叫ぶのですから、今までの欧米マスコミのシリア報道の胡散臭さは際立っている。
シリアでは、マスコミが報道しない隠しておきたいまったく別の要素(アメリカやサウジアラビアが支援するアルカイダ)が反政府武装闘争に含まれているのです。
シリア内戦の実態ですが、欧米マスコミの主張とは違い、アサド政権が主張するように(対テロ戦争の一環としての)アルカイダなど『外国のテロリスト』による破壊工作の可能性が高い。
なるほど。これでは9・11事件の11周年でマスコミが何一つ報道しないのは当たり前である。
マスコミが報道しないのではなくて、いくら報道したくても内容が不都合過ぎて出来ないのです。
たった11年で忘れたふりをして9・11を『無かったことにする』算段なのでしょうか。

『すっかり様変わりした日本人の意識構造』

3・11大震災や福島第一原発事故の起きる前の日本人の権威に対する信用度や組織に対する忠誠度は世界一で、桁外れのずば抜けた高さだった。
我が日本国は人々の信用や忠誠(絆文化?)が原因して世界一の安全な国家が出来上がっていたのであるが、何事にも言える原則ですがどんなに良いことでも、よくない副作用が伴うのです。
普通程度の科学的な懐疑心があればアメリカ政府の9・11公式報告書の胡散臭さはだれにでも分かるのですが、世界で唯一日本人だけは愚かにも『権威あるものが見え透いた嘘はつかない』と思っているので、何かがおかしいとは気が付いているのですが過半数以上の圧倒的な多数が疑うことなく信じていたのである。
極少数だけが9・11の根本を疑っていた。
権威や秩序が優先していた6年前では、一流大学の学生の意識調査で水俣病などの企業が情報を隠蔽したことで発生した公害を紹介して、『もしも自分が知った場合(所属組織には打撃になるが)社会全体の利益のために内部告発するか』との問いに対して200人中『実名』での正義の告発はたったの5人だった。匿名でも15人しかいない。
合計しても社会正義を守るために絶対必要な内部告発の意思がある者は1割しかいなかった。
普通の9割の日本人では自分の所属組織(共同体の絆?)を優先して行動し、身内に都合の悪い事実を隠蔽するのです。
ところが1年半前の3・11以前と以後では、大きく社会全体が変化する。
権威ある学者や政府が組織を優先して恥ずかしげもなく見え透いた嘘を連発して、日本は未曾有の危機に直面したのです。
今までの日本人の一般常識だった『権威は正しい』はまったくの間違いだった。
正反対に権威や責任があるものほど、権威を守ったり責任追求を免れる目的で真っ赤な嘘を平気で付くと人々は悟ったのです。
学生達に対する6年前とまったく同じ質問内容でも、答えが完全に逆転する。
圧倒的な多数が所属組織の利益ではなく、社会全体の利益を優先して『告発する』と答えている。
3・11後にすっかり様変わりした日本人の意識を考えれば、今のマスコミが9・11事件を一切報道しないのは当然であって、何の不思議もない。
高い授業料を払ったが、初めて日本人も『権威を疑うな』との呪縛が解け、世界基準の『権威を疑う』ことが可能になったのです。

『半世紀前の同時多発テロの胡散臭さ』

アメリカのブッシュ政権が11年前の9・11事件発生直後(捜査が始まってもいない早い時期に)に『犯人である』と名指ししたのがイスラム教スンニ派テロ組織のアルカイダである。
この9・11事件とは、朝鮮戦争前夜に米軍占領下の日本の首都東京付近で連続して発生した鉄道を使った三鷹松川下山事件とそっくり同じ構図(連続同時テロ事件)となっている。
アメリカ人にとっての9・11の航空機と同じで、当時の鉄道は日本国民にとっては最も大事な輸送手段であり、連続テロの影響力は計り知れない。
列車を凶器として使った連続テロの発生直後、警察による捜査がまだ始まってもいない早すぎる段階で吉田茂政権は半世紀後のブッシュ政権と同じように、犯人を国労や39議席もあった共産党など左翼であると断定し多数を逮捕して裁判にかけ死刑判決を行っている。
半世紀以上の時間差があるだけで、日米両国でそっくり同じ構図の連続テロが発生しているのです。
歴史を少しでも正しく知っていれば、2001年に起きた9・11など少しも『驚き』ではない。
珍しくも何ともない、ありふれた陳腐な事件である。
日本の半世紀前の同時多発テロでは、20年後に警察によるでっち上げの冤罪であることが発覚して全員無罪になるが、その頃には有権者に『なんとなく怖い共産党』とのイメージが定着していて、米国や自民党の思惑は大成功している。

『リビア米大使殺害と、勝共連合としてのアルカイダ』

9・11の犯人のアルカイダを掃討するとの名目で、アメリカはアフガニスタンやイラクを攻撃して11年間もの長いあいだ対テロ戦争を行っているのですが、そもそもアルカイダはアフガニスタンにソ連が擁立した左翼軍事政権打倒が目的であり、アメリカが組織したサウジアラビアのスンニ派反共テロ組織で基本的に身内である。(9・11の犯人の半分以上はサウジアラビア人だとアメリカ自身が発表している)
『アラブの春』の民主化運動でチュニジアやエジプトの親米政権が相次いで崩壊すると、反米政権と見られていたリビアやシリアでスンニ派勢力が政権打倒の武装闘争を始める。
ところが、これらの国の反政府勢力の主力なのが何とアメリカと対立している筈のアルカイダだった。
NATO諸国やアメリカは、これらのイスラム系反政府勢力を応援しているのです。
アフガニスタンでの対テロ戦争で、アルカイダを掃討している筈のアメリカが、リビアやシリアでは実質的にアルカイダを支援して共闘しているとの不思議すぎる『ねじれ現象』を起こしているのです。
9・11から丁度11年目の節目の9月11日、アルカイダの拠点であるリビア東部ベンガジで米領事館がイスラム過激派武装集団に襲撃され、クリストファー・スティーブンズ大使らは自動車で脱出を図ったがロケット砲の攻撃を受けて、大使を含む米国人領事館員4人が死亡したと当初報道されたが、なんと機密である大使館内の緊急時の待避所を襲撃されていた。
明らかに身内による犯行なのだが、アメリカがリビアに撒いたテロの悪しき種が発芽したのである。
オバマ大統領は前代未聞のリビアでの米国大使殺害を口先だけで強く非難したが、果たしてカダフィ殺害では友軍だったアルカイダなどリビアのイスラム過激派武装勢力を武力制裁出来るだろうか。
大使を殺害されて何もしなかったらアメリカの権威が地に落ちるし、アルカイダとの親密すぎる関係を疑われるが、かと言って掃討すればリビア内戦が復活する。どちらを選んでも大騒動は避けられない。
大統領選挙を目前に控えてオバマとしては苦しい選択が迫られている。

『統一協会(勝共連合)と北朝鮮の不思議な腐れ縁』

裏表が激しすぎる正体不明のアルカイダと良く似た例では、文鮮明の勝共連合(統一教会)があり霊感商法など数々の悪事を働くが何故か日本の司法当局は見て見ぬふりをする。統一協会の『反共』が利用できるとでも思っているのでしょう。
ところが反共が看板の勝共連合(統一教会)は、日本国内で稼いだ金を以前から北朝鮮に大々的に投資していて誰よりも深い『腐れ縁』の関係にある。
文鮮明教祖が死亡すると北朝鮮は『祖国統一賞』を授与して『偉大な金日成主席と金正日総書記の民族大団結思想と祖国統一路線を体して民族の和解と団結、国の平和的統一を実現し、民族共同の繁栄のための愛国偉業に積極的に寄与した』と賞賛しているのです。
正体不明のアルカイダと勝共連合(統一教会)には、表には絶対出ない隠された裏の顔があるのです。
小泉訪朝後に始まった度外れたマスコミによる北朝鮮バッシングと同時期に始まったのがNHKが韓流ドラマですが、『冬のソナタ』の舞台となったスキー場などの観光施設はすべてが何故か勝共連合(統一教会)が所有する関連施設だった。
日本からの韓流ドラマファンの落とす金で随分勝共連合(統一教会)が潤ったのである。

『みんな仲良く陰謀論者』

11年前の9月11日当時、誰も初めて聞くアルカイダなるものの正体も歴代アメリカ政権との関わりも知らなかったので、ブッシュ政権が事件直後の捜査が始まってもいない段階での『アルカイダの犯行である』との発表を疑うものは無かった。
ところが11年経った現在、特にアルカイダ掃討を理由にイラクに攻め込んだ2003年以降ではこの状態が完全に逆転して仕舞う。
アメリカ政府の9・11に対する公式発表を丸丸100%真実だと思っているお人好しは世界中で一人も居なくなった。
誰が見ても怪しいのです。
明らかにアメリカが政治謀略を行っている。
疑惑を穏健派から過激派まで強さの順番に並べると、
①アメリカがアルカイダを甘く見すぎて大失敗した。(政府の失敗隠蔽説)
②アルカイダのテロが起きることを知っていたが放置した。(故意の見逃し説)
③一部機関がアルカイダのテロを成功する様に援助。(テロ支援説)
④アルカイダとはアメリカ情報機関の作戦名。(政府の自作自演説)
事件発生から11年間、お粗末極まる政府公式報告書以外にはアルカイダ情報が何一つ具体的に出てこないのですから、最低でも一番目のアメリカ政府による故意の隠蔽工作は、今になっては誰であれ否定できない。
ところがマスコミなどは、隠蔽の事実を認めることは自分が陰謀論者と世間から見られるのではないかと心底恐れているのです。
それで五十歩逃げた者が百歩逃げたものを卑怯者と呼んだ中国の故事の現代版である、9・11で政府の自作自演説などの過激派を『陰謀論である』と攻撃しだす珍事が起きているのですから愉快である。
一歩も逃げず戦場に留まった者だけ卑怯者と言える権利があるように、アメリカ政府公式報告が100%正しいとする者だけが『陰謀論である』と主張出来る。
少しでも疑っては駄目、それでは五十歩百歩なのです。本人が完璧に信じていないと陰謀論云々は阿呆臭すぎる。
正しい『定説』があって初めてアンチ定説としての陰謀論(仮説)が成り立つのですが、残念ながら9・1事件では誰一人も確かな定説を持っていないのですから今のように大混乱するのです。

『愉快な、毎日新聞の11日の夕刊のお馬鹿記事」

『米同時多発テロ11年 進む風化』との副題がついた『「政府陰謀」信じる生徒も』と題する記事では、『驚いたのは生徒らの誤解だった。』として『4人に1人はテロが政府の陰謀と信じ、イラクのフセイン大統領が関与したと考えている』と書いている。
姑息なデマ報道(政治宣伝)にしても馬鹿馬鹿しすぎる。
誤解しているのは生徒ではなくて、誰でも知っている11年前の明確な歴史事実を知らない阿呆臭すぎる毎日記者の方である。
イラクのフセイン大統領と9・11を関連付けて大宣伝していたのは、誰あろうアメリカ政府ですよ。
新聞記事ぐらい読め。この愚か者が。
アメリカの高校生は正確に客観的事実を把握していただけである。4分の1の生徒が9・11事件は政府が起こしたテロ事件であると思っていて、残りの4分の3の生徒が何らかの隠蔽工作が行われた事実を知っている。
報道を少しでも冷静に見れば、その程度は誰にでも分かる。
9・11は、ある意味では全員が『みんな仲良く陰謀論者』なのです。
あれほど世界中を巻き込んで大騒ぎしたのに9・11を教育の履修指針で触れている州は半分以下の21州しかない。
アメリカでの9・11事件とは、関係者全員が死に絶える76年間封印されたケネディ暗殺と同じで、薄々全員が政府の何らかの関与を知っているのですが、それで余計に誰も触れたがらないタブーに近い不都合な話なのです。
アメリカの9・11の11周年目の追悼式ではとうとうオバマ大統領などの政治家が一人も出席せず自粛するまでになっている。
この毎日夕刊紙の小見出しが、『どう教育 悩む教師ら』なのですから、客観的な歴史的事実を教育の仕方で『なんとかなる』と信じている中山成彬やネットウヨと同程度の発想である。
確かに日本が勝ち目のない無謀な対米戦争を行い、原爆とソ連参戦まで意味なく続けていた最大原因とは日本の特殊な洗脳『教育』だった。
病的に右傾化した今の日本ではレジームチェンジを標語に安倍晋三などが『夢よもう一度』と復活を図っているのは事実であるが、いくら何でも今のアメリカで昔の日本の教育勅語教育が通用するはずがないのである。

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2 コメント

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メディア支配 (マトリックス)
2012-09-11 20:16:21
日本におけるメディアコントロールの一番の問題はクロスオーナーシップだと(次が記者クラブだと)いいますがそれ以前に、戦後の朝日新聞の緒方竹虎はCIAのコードネーム・ポカポン(工作員の暗号名)、読売新聞の正力松太郎はCIAのコードネーム・ポダムであったこと。
 日本における左と右の論説の上層部が戦後すぐからアメリカの支配層の傀儡という流れで考えると、陰謀論という電波メディアの論調こそ電波系とでも未来における歴史の解説ではなっているのでしょうか…
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金太郎飴のような横並び同一記事 (宗純)
2012-09-13 11:20:04
マトリックスさん、コメント有り難う御座います。

一般の人々に一番影響力があるテレビなどの映像メディアですが、ニュースの時間枠は同一で、しかも内容が金太郎飴のように全く同一なので、ニュースを見たい者は全員が強制的に同一ニュースを見ることになる。
視聴者が、ニュースを自分が見ているというのは完全な誤解で、実態は強制的に見せられているのです。
本人が自覚しないだけで実質的に洗脳されているのですよ。
映画マトリックスのような恐ろしい話ですね。
今の日本の映像メディアの堕落腐敗ですが、間違いなく日本独特の奇習である記者クラブ制度と、法律的には違法なクロスオーナーシップの蔓延でしょう。
考えてみれば法律を平気で破る悪党(マスコミ)が、仲間内で談合を繰り返しているのですよ。
それなら、日本のマスコミが『正しい報道をするかも知れない』と期待する方が、余程間違っているのですよ。するはずがない。
ですから今の日本のマスコミの恥ずかしすぎる情けない現状は、仕組みとか制度の成り立ちを冷静に判断すれば何の不思議もないのですよ。
不思議なのは共産党機関紙の赤旗です。
クロスオーナーシップにも記者クラブにも無縁だが、やっぱり金太郎飴のような同一記事を載せている。違いは広告があるか広告がないかだけなのです。
不思議すぎる『不思議な話』なのですが、タブーに挑戦することが期待されている赤旗としては自己否定に近い自殺行為なのですね。
金太郎飴の記事を書いて恥じない赤旗編集部ですが、これでは最盛期に比べて購読者が半減するのは当然であり何の不思議もないのです。情けないですね。
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