パリより愛をこめて (2010)

2010-05-22 03:55:51 | Weblog
パリより愛をこめて (2010)
From Paris with Love

U.S. Release Date: 2010

■監督:ピエール・モレル
■キャスト:ジョン・トラヴォルタ/ジョナサン・リス・マイヤーズ/カシア・スムートニアック
■音楽:デヴィッド・バックリー
■字幕:菊池浩司
■お勧め度:★★★

 「「96時間」のピエール・モレル監督が、「サブウェイ123 激突」のジョン・トラヴォルタを主演に迎えて贈るサスペンス・アクション。パリを舞台に、型破りなCIAエージェントとコンビを組むハメになった駐仏アメリカ大使館の若手職員が、その強引な捜査手法に戸惑いながらも巨大犯罪組織に立ち向かっていく姿を、ハードなアクション満載で描き出す。共演は「マッチポイント」のジョナサン・リス・マイヤーズ。
 フランスのアメリカ大使館に勤務するジェームズ・リースは、エリート大使館員にしてCIAの見習い捜査官。華やかな活躍に憧れながらも、いまだ地味な活動ばかりの日々。そんなある日、麻薬捜査のためにCIA本部から凄腕エージェント、ワックスがやって来る。そのパートナーを任され、初めての重要任務に張り切るリース。ところがワックスは、任務のためなら手段を選ばず、人を撃つのさえも躊躇わないあまりにも危険な男だった。人を撃った経験などあるわけもないリースは、ワックスのやり方に戸惑いと反発を覚えるのだったが…。」(allcinema.net/より。)

「パリより愛をこめて」「From Paris with Love」「ジェームズ」、これまたネタ切れヤキ回り作品かと思ったが、久し振りに見る映画らしい作品。スタッフ構成からしてフランス作品(だからだろう)。基本的には「007/ロシアから愛をこめて」が元になっているとはいえ、フランス作品らしいスタイリッシュさが目立つ。ジョン・トラヴォルタが良くなったし、暴力的な彼とは対照的な知性派のジョナサン・リス・マイヤーズはいいコンビ。「ロシアから愛をこめて」を観たことがあればミステリー性はなくなるという問題はあるが。しかし考えることもテーマらしきものも何も無い作品。だから良いのかもしれないが。例によって悪者は「テロリスト」という有名架空の存在。訪仏する国防長官だったかの一行を狙う。それを阻止する二人の全く違ったやり方というのがラストの面白さ。製作者としては、どれくらい「ロシアから愛をこめて」の事を考えたのだろうか。これの方がミステリーで考えさせられる。ジェームズ・リースのフィアンセ役のカシア・スムートニアックはダニエラ・ビアンキ(誰が知るか)とは似ても似つかないので、作品の展開は、それこそ「驚愕」もの。これが製作者の意図だったら、お勧めもの。パロディでもないし、もちろんリメイクでもないし、単に題名だけ取ったに近い。しかし取ったにしても、「ロシアから愛をこめて」を観た、覚えている人が何人、いるだろうか。参考のために観るのさえ無駄だろう。しかし対照的ではあるという事は言える。ジェームズ・ボンド、ショーン・コネリーの女好きとカッコつけたがり性格とは対照的という意味では。しかしスタイリッシュではあるにしても何か欠ける。もちろん「ロシアから愛をこめて」の頃、時代に比べれば、特撮もアクションも比べ物にならないほど進歩しているが、ロマン(ス)が無い。実は映画版の「ロシアから愛をこめて」、小説とは違って、最後は敵のスパイ(ダニエラ・ビアンキ)と仲良くなる。小説では確かトゲ靴女にやられてダウン。こういうロマンは流行らないのか。題名は無視してアクションと主演二人のコンビだけ観て楽しむなら、まあまあの作品。時代が同じせいか、「NINE」というかソフィア・ローレンの良さを思い出してしまう。次はイタリア作品に頑張ってもらいたい。


ヒアリング度:★★
感動度:★★
二度以上見たい度:★★
劇場で見たい度:★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)