ロビン・フッド (2010)

2010-12-17 14:41:43 | Weblog
ロビン・フッド (2010)
Robin Hood

U.S. Release Date: 2010

■監督:リドリー・スコット
■キャスト:ラッセル・クロウ/ケイト・ブランシェット/マーク・ストロング/ウィリアム・ハート/マックス・フォン・シドー/他
■音楽:マルク・ストライテンフェルト
■字幕:松浦美奈
■お勧め度:★★★★★

 「「グラディエーター」のリドリー・スコット監督が、再びラッセル・クロウを主演に迎え、伝説の義賊“ロビン・フッド”の物語を映画化したスペクタクル・アクション・アドベンチャー。ロビン・フッドが民衆のヒーローへと成長していく過程に焦点を当て、その等身大の人物像を史実とフィクションを巧みに織り交ぜたストーリーと迫力のアクションで描き出していく。共演はケイト・ブランシェット、ウィリアム・ハート、マックス・フォン・シドー。
 12世紀末。イングランドの獅子心王リチャード1世率いる十字軍遠征隊に参加していた弓の名手、ロビン・ロングストライド。フランス軍との戦闘でリチャード王が落命して間もなく、仲間と共に部隊を離れたロビンは、リチャード王の王冠を持ち帰る使命を帯びた騎士ロクスリーが闇討ちされる現場に遭遇する。瀕死のロクスリーから剣をノッティンガム領主である父ウォルターに届けて欲しいと頼まれたロビンは、彼になりすましてイングランドへと帰還。やがて、王冠をリチャード王の母に返したロビンは、ロクスリーとの約束を果たすべくノッティンガムへ。そこで、義父ウォルターと共に夫の帰還を待ちわびていた美しい未亡人マリアンと出会ったロビン。彼は、新王ジョンの専横に脅威を抱くウォルターから、ある頼み事をされるのだったが…。」(allcinema.net/より。)

ただの「スペクタクル・アクション」かと思ったら、それは良い意味で最初と最後だけで、物語り性がかなりあって、ロビン・ロングストライドがなぜロビン・フッドになったかという事が、フィクションとしてかなり詳細に描かれていて面白い。ロビン・ロングストライドは、元々はリチャード獅子心王の家来だったが、幼い頃に殺された自由主義の父親がいて、その事を、剣を預かって届ける過程で知ることになる。その時点で父親のことを思い出し、という過去と現在があるために、そもそも単なる家来や兵隊ではなくて、自由思想の持ち主だった、その結果としてロビン・フッドになった、という点がよく分かるし、父子の絆が、ちょっと面白い方法で描かれている。その上、ロビン・フッドになった後の森の生活というか世界は、後の自由主義革命のプロトタイプみたいなもので、こういう世界が他にもあったのじゃないか。歴史的にも当時とその後の繋がりがあって興味深い。キャストがいい。ラッセル・クロウとケイト・ブランシェットは意外と似合っている。特にケイト・ブランシェットというとQE2やらで強い(だけ)の役が多かったような気がするが、本作ではカワイイ面とコミカルな面も演じ、はっきり言って美形では無い分、印象に残る。ロビンに従う3人の部下というより友人も個性的で、マックス・フォン・シドーは見物、実年齢で出演じゃないか。最高に良かったのはウィリアム・ハートで、シブ過ぎる。ほとんど全編に出ていて、隠れ助演のような感じ。バトルシーンも特撮はあっても、剣と弓矢だけなので、アナログっぽい感じで、特撮性があまり感じられないという良さがある。それにさすが名監督、細かい部分に気を使っている感じで、流血シーンを要所要所に使うに止めたような気がする。特撮を使うにしても、スローで飛ぶ矢とかは、ボスを倒す時だけだったような。こういう使い方は生きる。歴史的にもちょっと興味がある。リチャード王は勇猛ながら、十字軍の件で国をほったらかし、帰国寸前で死ぬことになり、後を継いだジョン王は、完全なバカ殿で、ロビン・ロングストライドとウィリアム・ハートのおかげで、諸侯(公)をまとめてフランス軍に勝利するが、ロングストライドに嫉妬して「無法者」扱いにして「森」に追いやる。この後にも英国(イングランド)の政情はかなり問題が残ったという事が想像できる。スペクタクル性(ドーバーの白壁とイングランドの風景)、物語り性、キャスト、全てがかなりいい。これ以上、どこをどうすれば良かったかという点が無いような作品。久し振りに観る本格的な映画。


ヒアリング度:★★★
感動度:★★★★★
二度以上見たい度:★★★★
劇場で見たい度:★★★★★
ビデオ/DVDで欲しい度:★★
ビデオ/DVDで見た方がいい度:★★
ムカつく度:
考えさせられる度:★★★
(「ヒアリング度」は英語のヒアリングの勉強になるかどうかの度合)