愛知教育大学管弦楽団第77回定期演奏会 鑑賞雑感
昨日は、後輩の定期演奏会を聴くために愛知県芸術劇場コンサートホール行って来ました。

以下、雑感です。記憶をたよりに・・・。
天候が悪い中、会場は1,2階はほぼ埋まっており、盛況でした。
客演指揮は、米津俊広氏、本校OBで、世界で活躍されている方です。
1曲目は、L.V.ベートーヴェン 「エグモント」序曲
何度も演奏しましたね。この曲は、遊びがなく、最後まで演奏者が気を緩めることのない何かがあります。
9分ほどの曲ですが、ショルティやバーンスタインなどの巨匠も、この曲を暗譜で振らないと聞いたことがあります。それほどの曲なのです。
そのため、序奏に入る前の緊張感は何ともいえません。
不吉な予感があたり、いきなり管楽器が音をはずします。
動揺したのか、弦のアンサンブルもイマイチ。
バランスも悪く、Hn. がやたら聞こえます。
テンポは私の好きなテンポです。
ベートーヴェンのテンポ設定は難しいのです。そもそも、本人自身の演奏を聴いた人はいなく、メトロノームの性能も怪しいので、ベートーヴェンの指定の速さをどこまで信頼するかは指揮者自身の判断によるのです。
だから、第5番の入りも、トスカニーニとフルトヴェングラーであれだけ異なるのです。
有名なのは、第7番の2楽章。荘厳なテーマです。
ベートーヴェンは、Allegretto 四分音符=76 という指定です。
しかし、実際には、フルトヴェングラーやベーム、クーベリックは =55 ぐらいです。
カラヤンやバーンスタインが =62ぐらい。
最速は、やはりC.クライバー。それでも =70ぐらい。これでも、とても速く感じます。
やはり =76 には無理がある?
話がそれました。
2曲目は、J.ブラームス ハンガリー舞曲 第1/3/5/6/10番
この曲は、ハンガリーを訪れたブラームスがピアノ連弾用として発表したもので、作曲というよりは編曲作品です。
それを、さらに他の人が編曲しているので話は複雑です。
ブラームス自身の編曲は、第1・3・10番のみなのです。
それでは、有名な5・6番の作曲者は誰?
考え出すと眠れなくなるのでやめておきましょう。
弦は急に良くなりました。
やっぱり、弦楽器奏者は(管楽器奏者も)ブラームスが好きなのです。
第1番の哀愁のある中音域のメロディが動き出したのです。(もっとやっても?と思いますが・・・)
管と弦のバランスも良くなっていきます。
ブラームス自身の演奏は、トスカニーニやワルターなどは直接・間接に聴いている可能性があるので、ベートーヴェンと違って作曲者の意向がある程度伝わっているといって間違いないでしょう。
だから指揮者によって大きくテンポが変わることはないのですが、それでも今日の5番は速かった・・・。
メインは、J.ブラームス 交響曲第2番 ニ長調 作品73
私の大好きな曲です。というより、プレーヤーなら誰もが好きなのではないでしょうか。
簡単ではないのですが、頑張れば手の届く距離にあり、大規模でもなく、それでいて曲はすばらしい。中音域がよく動き、どのパートも満足感がある、そんな曲は、なかなかありません。
ブラームスが、せめてあと2、3曲、交響曲を残してくれたなら、アマチュアオーケストラの選曲はもっと楽になったことでしょう。
第1楽章の入りはやや固かったのですが、どんどん良くなっていきました。
棒も丁寧で、オケの力を理解した上で音楽を引き出していきます。
テンポもよく、構成も大きくとらえています。
木管の技術も高く、アンサンブルもできていました。
出色は、Hn.の1st。
この曲、特に2楽章はHn.が目立ちます。ヘミオラのリズムとシンコペーションが多く、厄介です。若干ミスもありましたが、柔らかい音色で吹ききり、本日のMVPではないでしょうか。アシの人も上手く助けてくれました。コンビネーションも見事です。
このところ、ワルターやカラヤンなど、ブラームス全集を聴きまくっていたので生演奏が妙に新鮮です。
曲の構成がより明確に理解できます。プレイヤーの頃は、自分のパートしかわかりませんでしたから・・・。
マーラーやショスタコーヴィチに慣れているため、ブラ2がとてもシンプルに感じます。
ブラ2といえば、クライバーの来日公演を思い出します。
前から10列目ぐらいの指揮者のほぼ真後ろで見て(聴いて)いました。
4楽章の頭のクレッシェンドをプルートを少しずつ増やすなど、見ていた者でないとわからない工夫をしていました。
クライバーの指揮は日本舞踊の家元みたいな優雅さと色気を漂わせていました。
演奏後のカーテンコールは、楽団員がはけた後も続き、10回以上。
あんな演奏会は、後にも先にもありませんでした。
今日も、楽章が進むに連れて、ぐいぐい引き込まれていきました。
総じて、よいブラ2だったと思います。
演奏中は写真撮影ができませんので、休憩中。

アンコールのトリッチ・トラッチ・ポルカ演奏後、最後のあいさつ。

最後に課題を。
今日のブラ2で、たぶん団員は1st4人、2nd5人、ビオラ2人、チェロ5人、弦バス2人。
チェロ以外は、2倍から3倍いないと、普段の練習からアンサンブルができません。
今日も、前の方の正規メンバーと広報のトラ(※ エキストラのこと)とで温度差を感じた場面がありました。
弦の人数を増やすことは、永遠の課題ですね。
個人的には、コンミスに花束を渡すのは舞台袖でしてほしい。
指揮者と共にならOKですが、コンミスだけというのはお客さんの前ではどうでしょう?気持ちはわからないでもないですが・・・。
ぜひ、数多くのプロオケを生で聴いて、耳と目を肥やしてもらえたらと思います。

次回は、3月13日のドボ8。楽しみです。
演奏者のみなさん、スタッフのみなさん、ありがとう!
昨日は、後輩の定期演奏会を聴くために愛知県芸術劇場コンサートホール行って来ました。

以下、雑感です。記憶をたよりに・・・。
天候が悪い中、会場は1,2階はほぼ埋まっており、盛況でした。
客演指揮は、米津俊広氏、本校OBで、世界で活躍されている方です。
1曲目は、L.V.ベートーヴェン 「エグモント」序曲
何度も演奏しましたね。この曲は、遊びがなく、最後まで演奏者が気を緩めることのない何かがあります。
9分ほどの曲ですが、ショルティやバーンスタインなどの巨匠も、この曲を暗譜で振らないと聞いたことがあります。それほどの曲なのです。
そのため、序奏に入る前の緊張感は何ともいえません。
不吉な予感があたり、いきなり管楽器が音をはずします。
動揺したのか、弦のアンサンブルもイマイチ。
バランスも悪く、Hn. がやたら聞こえます。
テンポは私の好きなテンポです。
ベートーヴェンのテンポ設定は難しいのです。そもそも、本人自身の演奏を聴いた人はいなく、メトロノームの性能も怪しいので、ベートーヴェンの指定の速さをどこまで信頼するかは指揮者自身の判断によるのです。
だから、第5番の入りも、トスカニーニとフルトヴェングラーであれだけ異なるのです。
有名なのは、第7番の2楽章。荘厳なテーマです。
ベートーヴェンは、Allegretto 四分音符=76 という指定です。
しかし、実際には、フルトヴェングラーやベーム、クーベリックは =55 ぐらいです。
カラヤンやバーンスタインが =62ぐらい。
最速は、やはりC.クライバー。それでも =70ぐらい。これでも、とても速く感じます。
やはり =76 には無理がある?
話がそれました。
2曲目は、J.ブラームス ハンガリー舞曲 第1/3/5/6/10番
この曲は、ハンガリーを訪れたブラームスがピアノ連弾用として発表したもので、作曲というよりは編曲作品です。
それを、さらに他の人が編曲しているので話は複雑です。
ブラームス自身の編曲は、第1・3・10番のみなのです。
それでは、有名な5・6番の作曲者は誰?
考え出すと眠れなくなるのでやめておきましょう。
弦は急に良くなりました。
やっぱり、弦楽器奏者は(管楽器奏者も)ブラームスが好きなのです。
第1番の哀愁のある中音域のメロディが動き出したのです。(もっとやっても?と思いますが・・・)
管と弦のバランスも良くなっていきます。
ブラームス自身の演奏は、トスカニーニやワルターなどは直接・間接に聴いている可能性があるので、ベートーヴェンと違って作曲者の意向がある程度伝わっているといって間違いないでしょう。
だから指揮者によって大きくテンポが変わることはないのですが、それでも今日の5番は速かった・・・。
メインは、J.ブラームス 交響曲第2番 ニ長調 作品73
私の大好きな曲です。というより、プレーヤーなら誰もが好きなのではないでしょうか。
簡単ではないのですが、頑張れば手の届く距離にあり、大規模でもなく、それでいて曲はすばらしい。中音域がよく動き、どのパートも満足感がある、そんな曲は、なかなかありません。
ブラームスが、せめてあと2、3曲、交響曲を残してくれたなら、アマチュアオーケストラの選曲はもっと楽になったことでしょう。
第1楽章の入りはやや固かったのですが、どんどん良くなっていきました。
棒も丁寧で、オケの力を理解した上で音楽を引き出していきます。
テンポもよく、構成も大きくとらえています。
木管の技術も高く、アンサンブルもできていました。
出色は、Hn.の1st。
この曲、特に2楽章はHn.が目立ちます。ヘミオラのリズムとシンコペーションが多く、厄介です。若干ミスもありましたが、柔らかい音色で吹ききり、本日のMVPではないでしょうか。アシの人も上手く助けてくれました。コンビネーションも見事です。
このところ、ワルターやカラヤンなど、ブラームス全集を聴きまくっていたので生演奏が妙に新鮮です。
曲の構成がより明確に理解できます。プレイヤーの頃は、自分のパートしかわかりませんでしたから・・・。
マーラーやショスタコーヴィチに慣れているため、ブラ2がとてもシンプルに感じます。
ブラ2といえば、クライバーの来日公演を思い出します。
前から10列目ぐらいの指揮者のほぼ真後ろで見て(聴いて)いました。
4楽章の頭のクレッシェンドをプルートを少しずつ増やすなど、見ていた者でないとわからない工夫をしていました。
クライバーの指揮は日本舞踊の家元みたいな優雅さと色気を漂わせていました。
演奏後のカーテンコールは、楽団員がはけた後も続き、10回以上。
あんな演奏会は、後にも先にもありませんでした。
今日も、楽章が進むに連れて、ぐいぐい引き込まれていきました。
総じて、よいブラ2だったと思います。
演奏中は写真撮影ができませんので、休憩中。

アンコールのトリッチ・トラッチ・ポルカ演奏後、最後のあいさつ。

最後に課題を。
今日のブラ2で、たぶん団員は1st4人、2nd5人、ビオラ2人、チェロ5人、弦バス2人。
チェロ以外は、2倍から3倍いないと、普段の練習からアンサンブルができません。
今日も、前の方の正規メンバーと広報のトラ(※ エキストラのこと)とで温度差を感じた場面がありました。
弦の人数を増やすことは、永遠の課題ですね。
個人的には、コンミスに花束を渡すのは舞台袖でしてほしい。
指揮者と共にならOKですが、コンミスだけというのはお客さんの前ではどうでしょう?気持ちはわからないでもないですが・・・。
ぜひ、数多くのプロオケを生で聴いて、耳と目を肥やしてもらえたらと思います。

次回は、3月13日のドボ8。楽しみです。
演奏者のみなさん、スタッフのみなさん、ありがとう!
