小学館ウィーンフィル魅惑の名曲14号は、ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」を聴き直しました。
ピアノは、20世紀を代表するベートーヴェン弾き バックハウス。
指揮は、以前「運命」でも紹介した、最初の交響曲全集を録音したイッセルシュテット。
このコンビによる、ピアノ協奏曲全集は高い評価を受けています。
演奏は51年前のものですが、音質はすこぶる良く、目の前で弾いているかのような色彩感があります。
そもそも、バックハウスは、数少ないベートーヴェンの直系の弟子にあたります。
(ベートーヴェン→ツェルニー→リスト→ダルベール→バックハウス)
ベートーヴェンの解釈を、最も忠実に引き継いでいると言われていました。
確かに、誇張がなく、楽譜を正確に再現する中で、美しくうたいあげています。
ベートーヴェンがこの曲を作ったのが1809年。
ハイリゲンシュタットの遺書が1802年なので、難聴はかなり進行しています。
しかし、ベートーヴェンはピアノ教師としては大人気です。
自分の弟子に、その人の技術に合った曲を作って与えていました。
ベートーヴェンが最も気に入っていた弟子は、皇帝の弟、ルドルフ大公。友人でもあり、パトロンでもありました。
その大公のために作曲したのが、この「皇帝」だったのです。
雄大であり、テクニック的には難曲でもあります。
ルドルフ大公のピアニストとしての能力の高さがうかがわれます。
私のお薦めの一枚です。
ぜひ聴いてみてください。
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