やんやんブログ

ゲームって、なぜこう面白いのでしょう

ワールドデストラクションの攻略 その41

2009-04-24 20:44:49 | ゲーム攻略
見事ハッピーエンドで終了しましたワールド
デストラクションですが、プレイヤー側にして
みると、あまりハッピーエンドとは言えません。
とっかかりはとても良かったと思います。
RPGにおける主人公と敵役は、一般的に
後者が破壊者であり、前者がそれを防ぐという
構図が描かれます。しかし、この作品では
まったく逆になっており、主人公側が世界の
破壊を望むという、特徴あるシナリオになって
います。これは面白い試みだと思いました。
しかし、物語は終わりに近づくにつれて破綻を
きたし始めます。

主人公が属する撲滅委員会は、実際のところ
獣貴であるワニ師によって操られていました。
しかしこのワニ師の野望が良く分かりません。
究極的には世界に君臨する王となりたかったの
かもしれませんが、果たしてそんなことに価値が
あるのでしょうか。ちなみにワニ師は、獣貴の
中でも特に切れ者であるような描写がなされて
おり、獣貴が集まる会議の後でも、この世を
冷静に見つめた発言をしています。そんな彼が
危険極まりないデストラクトコードを操り、何を
目指したかったのか。ちぐはぐな印象を受けます。

そんなワニ師に操られていた主人公側はどうで
しょうか。獣貴12師は傲慢な者や非道な者が
多かったのも事実です。しかし特に命を奪う
必要があるとは思えないものもいました。
ゾウ師やクマ師は言うに及ばず、黄陸王の
警護にあたったワシ師は、そんなにひどい
存在だったでしょうか。四聖獣はどうでしょう。
彼らにはほとんど非はないように思えます。
そういった連中を手にかけた、最も中心的な
存在であるモルテに良心的な呵責が、全く発生
しないというのは、正直唖然としていまいます。
またそのモルテの言われるがままに行動を共に
していたキリエについては、最早言葉もありません。

それ以外にも、謎が多く残されています。そもそも
生命体ではないキリエが、なぜ自我を持つまでに
至ったか。クリエイターは、なぜこの時期に世界の
破壊を望んだのか。そしてキリエを誕生させたのか。
フィールドに出てくる魔物は一体どういう存在なのか。
それら理由の説明が、全てにおいて不足しています。
人物描写、世界観の描きこみが不足しており、物語の
深みを感じません。結局は勢いでごまかしており
キメが荒い印象が残ります。
所詮それらは、既存のRPGで散々繰り返した内容で
あり、勇者が戦う理由など、またいちいち説くのは
くどいだけで省略した、という言い訳もできるかも
しれません。しかし、それではせっかく最初に掲げた
既存RPGとは逆の構図を、まるで無駄にしています。
最初の企画時のアイデアが持続しなかったのかも
知れません。歴史に名を残すRPGとなる可能性を
まるまる潰してしまったように思います。

つづく


最新の画像もっと見る