鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

都会の忘れもの

2018-03-30 | 
+++++++++++++++++++++++++++++++
鈴木信夫の詩手紙の作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントを選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
+++++++++++++++++++++++++++++++

世の中何かと便利になっている。
スマホ、ロボット、等々人に代わってやってくれるものが増えてきました。
そして、だんだん人間が大事なものを忘れていくような気がします。
心の余裕を持ちたいものですね。


        都会の忘れもの
                              2009年1月

もう少しで日が暮れるね
街並みは、夜が訪れるのを待っている
人波は、駅へだらだらすべり込んでいる
そこにみえないなにか、みえませんか

もう少しで日が暮れるね
街のにぎわいのなかに淋しげな
人のざわめきのなかに悲しげな
そんななにかがあるのです

ものがあふれるのはいいこと
楽しいのはすごくいいこと
そこに都会が忘れたものがある
わたしたちが忘れたものがある

一日が終わったら、一度でも思い出して
都会の忘れものを
そうすると、心暖めて眠りにつけるから

   詩手紙2009.1.28
   

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 水ぬるむ春ですね | トップ | わさび »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事