郷が杜備忘録

旅行や読書と日々の行動の記録。
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経済優先社会-このままではいけない(てるおかいつこ著)

2024-02-29 | 読書

この本も古本屋で見つけた本である。1992年発行だから古い本である。

中身は、暉峻さんが1990年と1991年に講演した内容を本にしたということである。

暉峻淑子さんは、1928年生まれの日本の経済学者、評論家であり、埼玉大学の名誉教授でもある。

日本女子大学文学部を卒業後、法政大学大学院で学んだという。

1986年から87年にベルリン自由大学客員教授、1989年から1990年はウィーン大学客員教授をしている。

目次は、

まえがき

Ⅰ「福祉に冷淡な社会」日本

Ⅱ福祉にこめられたこころーヨーロッパ社会

Ⅲ子どもも若者も老人もードイツ社会

Ⅳ個人が尊重される”安心‘‘のある社会

かつて滞在したヨーロッパの社会の実情をもとに、日本社会の今後の行く末を見通したものだと思います。

出版当時は日本がバブル経済に浮かれていたころだと思います。先日株価が当時の最高株価38、915円を超えたと

騒がれていますが、バブル時代一大黒字国、金貸し国として、外国の土地を買いあさったり、映画会社を買ったり、

世界の大都市のビルやホテル、絵画や骨とう品を買い集めたりしていました。

そして日本人は「国民総中流」という意識でいて、実情は違っても「みんなと一緒でありたい」気持ちで「中」だと思っていました。

しかし、バブルが崩壊したからだけではないと思いますが、そんな金持ち日本も、多国籍軍にお金を出す一方で、労働者には長時間労働を強いて

過労死を出したり、子供の虐待や老人の孤独死などが起きてきました。

教育も経済的優位性にだけ特化して、企業に役に立つ人間の教育だけを考えてはいなかったでしょうか。塾に通い、習い事に時間を取られ、管理と競争を強いられ、就職すれば会社の中でも管理と競争、定年退職すれば「粗大ごみ」といわれ、医療費がかかると嫌われる。

孤独で、安心のない老後の暮らししかできないのでは、生きてきた意味がなくなってしまうのではないでしょうか。

お金がたくさんあることはいいことですが、先人が作り上げてきたインフラや仕組みを活かして、これから生きていく人も「人間一人ひとりが生きていることはいいことだ」「この世に生まれてきてよかった」という社会を築くために、その方向にお金を活かしていかなければいけないと思います。

ぜひ、今国政に参加している議員の皆様も、日本国民みんなの生活を支えるために、お金は「今を生きる人間とこれからの時代を支える人間のために」使っていただけるように、政策の転換をお願いしたいと思います。


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