郷が杜備忘録

旅行や読書と日々の行動の記録。
日常のできごとや思い出の写真が中心。 たまに旅行の記事も投稿します!

母の力 土光敏夫をつくった100の言葉(出町 譲著)

2024-08-03 | 読書

土光敏夫さんの名前をみて、読んでみようと思った。

土光さんで思い出すのは、「第二臨調」を仕切った人で、財界の大物にもかかわらずその私生活が清貧で、「メザシの土光さん」といわれたことです。

この本は、その土光さんを育てた母親「土光登美」さんとその息子「土光敏夫」さんのその生涯と言葉に関する本でした。

母の土光登美さんは、1871年岡山県生まれ、土光菊次郎さんに嫁ぎ二男三女を育てました。1924年に上京し、敏夫さん一家と同居、1942年神奈川県鶴見に橘女学校(現・橘学苑)を開校、1945年逝去。享年73才でした。

土光敏夫さんは、1896年岡山県生まれ。1920年石川島造船所入社、1946年石川島芝浦タービン社長、その後石川島重工業、石川島播磨重工業、東京芝浦電気の社長を歴任。1974年経団連会長。1981年臨時行政調査会会長として行革を訴えた。1988年逝去、享年91才でした。

この本には、土光さんの母が語った言葉がたくさん収録されていますが、それらは素晴らしいものですが、私には、土光敏夫さんが1986年行革審終結に合わせて発表した土光さんのメッセージが心に残りました。

その一部を抜粋しますと、

国民の皆様へ 

行政改革は二十一世紀を目指した新しい国作りの基礎作業であります。・・・・

新しい世代である私たちの孫や曽孫の時代に、わが国が活力に富んだ明るい社会であり、国際的にも立派な国であることを、心から願わずにはいられないのであります。

行政改革を遂行する責任を負っているのは、政府・国会及び地方公共団体であります。政府が不退転の決意をもって行政改革を遂行され、国会が国権の最高機関として政府の努力を鞭撻するとともの率先して国会改革・政治改革に取り組まれることを、私は強く願っております。また、地方公共団体においても、自らの責任において行政改革に邁進されることを念願してやみません。

行政改革の成否は、一に、国民の皆様の支持と熱意にかかっております。私はより良き明日を拓くため、皆様が、政府・国会及び地方公共団体の改革努力を厳しく見守るとともに、たとえ苦しくとももう一段の痛みに耐えて、行政改革というこの国家の大事業を最後までやり遂げてくださることを、心からお願いいたします。

(『土光敏夫 21世紀への遺産』)

このメッセージを発表した時は、90才になる三か月ほど前、その後表舞台には出なくなり、1988年8月息を引き取った。明日8月4日が命日である。

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江戸300藩県別うんちく話(八幡和郎著)

2024-07-30 | 読書
毎日暑い。外には出れないので、家の中でゴロゴロしている。もちろん、冷房はつけている。
先ほど見たニュースの特集で、宮城県にはもう海からの冷風(やませ)は、なくなるかもと研究者が話していた。
21世紀になってからは冷夏になっていないという。三陸沖に新たに第二の太平洋高気圧ができているようなのである。

そのような暑すぎる夏だから、読書も進まない。
切れ切れでも読める標題のような本が読みやすい。
東北だけでなく、日本全国の地域の歴史がわかり、おもしろい。
昔行った旅行地を思い出しながら読んでいる。
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90歳を生きること(童門冬ニ著)

2024-07-25 | 読書

私の好きな作家の一人、童門冬ニさんの本を読んだ。

童門さんも1927年生まれだから、今年は97歳になる。この本は、2018年発行だから91歳の時に書いたのだ。
この本の副題は、「生涯現役の人生学」ということだ。
「はじめに」の中で、「孔子は74歳で亡くなりました。10歳ごとに人間の生き方を設定していましたが、80歳以後の生き方は設定していなかった」と言います。
孔子が言ったのは、15歳で志学、30歳で而立、40歳で不惑、50歳で知命、60歳で耳順、70歳で従心ということでした。
従心とは、「七十にして心の欲する所に従えども、矩をこえず」ということで、「自分の思うとおりに行動しても間違いはない」という意味のようです。
私も「従心」に至ろうとしていますが、そのような心になれるのでしょうか?
童門氏は、多様な知識の持ち主でたくさんの本を書いていますし、知らないことをいろいろ教えてもらえる親父のような方です。この本でも歴史の知識などからいろいろ教えてもらいました。
その一つが「恕」ということばでした。この言葉は、孔子が弟子の子貢の「生涯行うべきことを一文字で表せば」という質問に答えた言葉でした。
恕(じょ)というのは、「相手の身になってものを考える優しさや思いやりのこと」ということだそうです。
なるほど、いい言葉を教えていただきました。
これからも童門さんの本を読んで、いろんなことを知っていきたい、知ったら活かしていきたいと思っています。
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旅といっしょに生きてきた(橋田壽賀子著)

2024-07-14 | 読書

人生の先輩の話を聞くことはためになる。自分のこれからを生きる参考になるからだ。

旅好きを自任する脚本家の橋田壽賀子さんのエッセイに「人生を楽しむヒント」の本があったので読んでみた。
橋田さんの人生とともにあった旅についていろいろと語られていた。
最後の7章にあった、「旅と人生―旅も人生も過程が目的だから」が、橋田さんの考え方が出ていて私も共感した。
それは、二流人生、二流だから丈夫で長持ち、ということだった。
橋田さんは女学校時代バレーボールをやられていたそうで、でもレギュラーになれない「十三番目人生」だったそうです。
試合に出れるのは十二人で、橋田さんの役目はボール拾いやタオル渡しだったそうです。でも見るのが好きだったからそれでよかったそうです。
大人になってからも、あまり不満を抱えない、高望みしない人だったといいます。あまり「ああなりたい」「こうしてほしい」ということを
強く思わない人間なのだといいます。一流になりたければ、不満やストレスをたくさん抱えることになります。
橋田さんは向いていないといいます。
書きたいことが書けて、それがドラマになって、少しでも誰かに伝えることができたらそれで十分ということです。
だから、今まで生き延びてこられたし、二流は二流なりの信念をもって生きていけばそれでいいといいます。
世の中のお母さんも完璧なことをしようと思ったらウツになってしまうから、何か足りなくて当たり前、自分にできないことは無理をしないで、
ほかのだれかの手を借りてもいいといいます。
一流とか一番にこだわるあまりに、自分の持っている「味」を見失うことだけは避けたいと言っています。
「人生二流で結構!」ということです。
もう一つ、「旅は過程が大切。それは人生と同じ」にも教えられました。
橋田さんは旅にガイドブックの類は持ったことがないといいます。行きたいところに行く、それだけということだそうです。
いつも心は空っぽのままだから、いくらでもお土産が入るといいます。旅はやっぱり道すがらが面白いといいます。
旅は日常の住まいを離れ、どこかへ行くこと、移動することが本来の旅の意味だといいます。
旅は目的地ではなく、その過程が大切だとということです。
人生も同じで、肝心なのは生きているということです。「ああ、いい人生だった」と最後に思えるとしたら、
その過程と精いっぱい向き合ってきたかどうかだと言います。
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シュンペーター -孤高の経済学者-(伊東光晴・根井雅弘著)

2024-07-12 | 読書

手元に未読の新書がたくさんあるので、できるだけ読破しようとあがいている。

かなり前に買った本だと思うが、シュンペーターという経済学者に興味があり、購入した。
著者の伊東光晴氏には「ケインズ」の著書もあり、そちらも確保してはある。
伊東氏はかつてはテレビなどにも出ていて、経済の解説や国の審議委員などで活躍していたので知っていた。
ところで、シュンペーターであるがケインズと並ぶ20世紀を代表する経済学者といわれていたが、いまいち知名度は低かったように思う。
それでも彼の書いた「理論経済学の本質と主要内容」は25歳の時に書かれ、その4年後には「経済発展の理論」を書いているので、天才的な経済学者であったようだ。
彼に影響を与えたのは、フランスの経済学者ワルラスと哲学者ベルクソンのようだ。
シュンペーターはオーストリア=ハンガリー帝国に生まれ、オーストリア、ドイツなどで活動し、その後アメリカにわたっているようだ。
シュンペーターの経済学は、経済にとって大切なことは技術革新であり、新製品による新市場の創設であり、ケインズの有効需要創出策とは違って、供給サイドを革新するものであった。
しかし、現実の経済学は80年代のアメリカの数理経済学が誤った方向性への導きにより、グローバル経済と金融万能、格差の拡大につながったのではないかと私は思う。
シュンペーター氏の経済学に関する著作は、もっと顧みられるべき価値があるのではないかと考えた次第である。
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