2018年に出た本であるが、今をときめくIT業界の本を読んでみた。約6年が経とうとしているし、既にいろんな所が変わってきているが、その歴史を知っておくのも役に立つのではと思った。
先日ソフトバンクの孫正義さんの本を読んだことで思い付いた。
テクノロジー業界の4強、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンは、さまざまな喜びや繋がり、経済的繁栄や発明をもたらしているが、これらの企業は人類を幸せに導く聖なる四騎士なのか、それともヨハネの黙示録の四騎士なのであろうか?
※「ヨハネの黙示録の四騎士」とは、地上の四分の一を支配し、剣、飢饉、悪疫、
獣によって「地上の人間を殺す権威」を与えられているという。
これら4企業の成り立ちを調べ、その戦略と教訓を引き出す。
そして、四騎士の時代に個人が成功するために必要な特性を考える。
これが、この本を書いたスコット・ギャロウェイの構想である。
さて、著者はその前に自らの経歴を明かしている。
中流の下の上といった世帯に生まれ、シングルマザーに育てられた。
モルガン・スタンレーで2年間働いたが、大企業で働くスキルには欠けていたので
自分の会社を作った。ブランド戦略企業やオンライン通販会社を立ち上げたが、アマゾンによって息の根を止められた。その後L2を創設し、メディア企業の役員をしていたが、グーグルとフェイスブックに撃破された。
そして、2002年にニューヨーク大学のマーケティング教授になった。ブランド戦略とデジタル・マーケティングを教えている。
その中で、学生に教えている講座の目的を伝えているという。「目的は学生たちに武器を与え、自分と家族の経済的安定を手に入れられるようにすること。」だという。
最初の5章は、GAFAと個別に4企業の成り立ちを、その後、
6章 四騎士は「ペテン師」から成り上がった
7章 脳・心・性器を標的にする四騎士
8章 四騎士が共有する「覇権の8遺伝子」
9章 NEXT GAFAー第五の騎士は
10章 GAFA「以後」の世界で生きるための武器
11章 少数の支配者と農奴が生きる世界
という章立てであった。
10章が役に立つかもしれない。
とてつもなく便利な世界が出来ているが、果たしてそれはすべての人々を幸せにするのだろうか?
基盤としての経済成長は必要であるが、それがあまねく行き渡るためには、そしてそこからはみ出してしまう人々がいないようにするには、どうしたらいいのだろうか?