SURGERY NOW note
がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。
 



2017年9月29日に山形市で行われた日本胆道学会の専門医養成講座で[胆道癌の治療戦略-広範囲胆管癌も含めて]というタイトルで講演しました。特に、広範囲胆管癌についてご紹介します。

東海大学で切除された肝外胆管癌約150例の中で、広範囲胆管癌は1割強の17例でした。今回の広範囲胆管癌の定義は腫瘍径が4cm以上で左右肝管合流部と膵内胆管の両方に浸潤を認めるものとしました。広範囲胆管癌は、肝側および十二指腸側の胆管断端に癌が残ってしまうことが多いために、再発率が高く、5年生存率も約15%と予後不良でした。しかし、胆管断端に癌がない場合とあっても上皮内癌だけの場合には予後が比較的良好でした。広範囲胆管癌に対して肝切除と膵頭十二指腸を行えば胆管断端の癌遺残は減りますが、平均年齢75歳の高齢患者には危険性が高過ぎるのが問題です。



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