米倉涼子さん主演のテレビドラマの「ドクターX」で膵臓がん手術をするシーンがありました。ドラマでは、膵頭部がんが上腸間膜動脈に浸潤しているため教授は切除不能と判断したのですが、米倉涼子さん演じる大門医師は上腸間膜動脈と門脈の合併切除を伴なう膵頭十二指腸切除術を行いました。ドラマではあたかも大門医師が正しく善であるかの様に描かれていましたが、最新医学的には教授の判断が正しく、切除せずに化学療法を行うことが標準的な治療なのです。もちろんあくまでフィクションのドラマの話ではありますし、大門医師は異端者として特殊な手術を手掛けたのかもしれません。しかし、一般の患者さんが治療法を判断する上で、変に悩むことにならなければいいなと心配してしまいました。医学的に誤った医療をした外科医をヒーロー(ヒロイン)の様に描くのは大きな問題だと思います。
2012年11月4日千葉大学第2外科時代の同級生で親しい友人でもある剣持敬先生が藤田保健衛生大学臓器移植科教授に就任した祝賀会があり、名古屋まで行って来ました。彼は若い頃から非常に優秀で、私にとって同級生ではありましたが、さらに外科に関する手技や知識を教えてもらった教師でもありました。祝賀会では、彼が藤田保健衛生大学から暖かく迎えられたことが感じられて大変安心しましたし、今後も力を発揮できることが確信できました。日本の移植医療の発展のためにも、彼の更なる飛躍を期待して止みません。