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SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

JDDW2011福岡

2011-10-24 | 学会
2011年10月20-23日に、福岡市国際会議場を中心として、JDDW2011という消化器病関連では日本で一番大規模な学会が開かれました。私も膵癌診療ガイドライン改訂委員会、ポスター発表の司会、そして自分自身の発表をしました。国立がんセンター時代や千葉大学第二外科時代の懐かしい知り合いに何人も会いました。

私が今回発表したのは、嚢胞性膵疾患の治療成績です。東海大学消化器外科と国立がん研究センター東病院外科を合わせて、280例の切除例がありました。その約8割は膵管内乳頭粘液性腫瘍:IPMNで、残りの2割は粘液性嚢胞腫瘍:MCNと、SPN、そして漿液性嚢胞腫瘍:SCNがほぼ同数でした。IPMNの半分弱が、良性の腺腫でした。浸潤がんは35%でした。浸潤がんの約半数が管状腺がん、約1/4が粘液がん、約1/4が乳頭腺がんでした。粘液がんと乳頭腺がんの5年生存率は60%以上でしたが、管状腺がんでは5年生存率20%と極めて不良でした。MCN、SPN、SCNでは全て5年生存率100%でした。

古事記講義

2011-10-24 | 雑感
三浦佑之氏の書いた「古事記講義」を読みました。今回最も興味深かったのは、古事記に書かれた素戔嗚尊、日本武尊、オホナムジなどのヒーローの光と影の解説です。例えば、日本武尊は人気のあるヒーローですが、成人前から父の景行天皇から疎まれていました。そして、王になることなく最後を迎えます。また、古事記が日本書紀とは、似て非なる構造を持ち、それは両者の成立過程の違い、つまり大和朝廷の関与の違いであることが解説されています。簡単にいえば、日本書紀が正式な国の歴史書であるの対し、古事記はとても古層的で、人間味に溢れているのです。