文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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米国政府は…中国の国内、対外のあらゆる分野での国際的な規範や民主主義の原則に違反する言動に対決して抑止すると誓約しているのだ

2020年06月16日 13時38分16秒 | 全般

以下は今日の産経新聞に、米、対中政策に「力の平和」、と題して掲載された、ワシントン駐在客員特派員古森義久の論文からである。
文中強調と*以下の注は私。
米国内での新型コロナウイルス大感染に加えて、人種問題での抗議デモの拡大を最も歓迎するのは中国政権だろう。
*朝日新聞やNHKの報道部を支配している人間達も歓迎していたのではないか*
人民日報、環球時報という中国官製メディアは『トランプ政権の自国民弾圧と香港問題での中国非難の偽善!』という趣旨の歓喜のにじむ記事で最近、いっぱいとなった。 
ではこんな現状は米国の対中政策にどう影響するのか。
これまでの強固な中国抑止の構えが揺らぐのか。 
この疑問への答えにはトランプ政権が5月末、議会に送った政策文書がカギとなる。 
「米国の中国に対する戦略的アプローチ」と題する公式文書だった。 
その内容は中国を経済、価値観、安全保障の3分野で米国主導の国際秩序を根底から崩そうとする敵に等しい脅威とみて、抑止にかかる対中全面対決宣言だった。
その全面対決の予算措置を議会の上下両院に求める同文書は、トランプ政権の中国政策表明でもこれまでで最強硬だといえる。
その包括的な政策の核心は以下の要旨4項目の「実行措置」だった。 
①米国の国民、国土、生き方を守る 
米政府省庁が中国による経済スパイ、対世論工作、政治謀略を取り締まり(米国内の中国の外交官や留学生を厳しく監視し、中国官製メディア要員は工作員とみなす。中国側の米国の研究機関や大学への影響力行使や通信分野への介入、高度技術の盗用を防ぎ、同盟諸国と協力して、中国からのインテリジェンス(諜報活動)やサイバーの攻撃を防ぐ。 
②米国の繁栄を守る 
中国による知的所有権の盗用など不公正な経済慣行を終わらせ、米国の産業界や労働者や消費者の利益を守る。
第5世代(5G)移動通信システムや人工知能(AI)という分野でも中国の不公正な挑戦を排除する。
日本や欧州と連携し、中国の国有・国営企業が市場原理をゆがめることや、政府の不当な補助金、他国企業への不正な技術移転の強制などの慣行を排除する。 
③米国の力による平和を保つ
中国の軍事力大増強に対し核戦力、通常戦力両方の強化で抑止力を保つ。
中国が世界最大規模で保有する中距離ミサイルを削減させる。
宇宙やサイバーでの中国の軍事拡張を抑える。
インド太平洋では日本と協力して中国の軍事覇権を阻み、台湾の自己防衛能力には有事に備えての最大限の軍事支援を続ける。 
④米国の影響力を拡大する 
中国の独裁統治、言論抑圧、汚職、略奪的な経済慣行、民族や宗教の多様性の禁止などを国際協力によって抑え、米国の価値観に基づく影響力を拡大する。
ウイグル人、チベット人、仏教徒、キリスト教徒、気功集団の法輪功などの基本的な人権保護を支援。
香港の住民の自由や権利をとくに重視し、中国が国際公約の一国二制度を厳守することも求めている。 
米国政府は以上のように中国の国内、対外のあらゆる分野での国際的な規範や民主主義の原則に違反する言動に対決して抑止すると誓約しているのだ。
その基盤にはトランプ政権の史上最大規模の軍事力増強による「力の平和」の態勢が誇示されていた。 
トランプ政権はしかも日本など同盟諸国と団結しての中国への対決を再三、強調していた。
その姿勢には日本が米中両国のどちらにつくかを迷うという懐疑は皆無だといえそうだ。


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