文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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情報機関の調査で中国の感染者、死者数が公式発表の数十倍になることに衝撃を受けた英国政府が疑念を抱くのは、ウイルスを発生させながら

2020年06月14日 13時59分41秒 | 全般

私が言及している月刊誌は日本人のみならず世界中の人たちが必読である。
何しろ本稿の様な本物の記事が満載されているにもかかわらず、たったの950円なのだから。
以下は、EU・英国は中国にカンカン、日本流 脱・中国五つの処方箋、と題して月刊誌WiLL今月号に掲載されている、産経新聞論説委員岡部伸の論文の続きである。
この論文は朝日新聞等やNHK等のテレビ放送局が全く報道機関の体を成していない事と、彼らが完全に中国の影響下=支配下にあることを明瞭に示している。
見出し以外の文中強調は私。
英国の覚悟 
話を冒頭の英国に戻すー。 
「命を救ってくれたことへの恩義をどう表現すればいいのか」。 
4月12日、集中治療を受ける重篤な状態から退院したジョンソン英首相は、医療関係者に謝意を表明、EU離脱で分断した社会をコロナで団結させる意欲を見せた。 
その4日後の16日、ジョンソン首相の代行を務めたラーブ外相は、事実関係を徹底調査して中国の責任を解明する方針を明言。
「中国に厳しい質問をせざるを得ない。危機後に中国とは通常通りに戻れないことは明らかだ。対中関係を全面的に見直すべきだ」と語った。 
英国が中国から多額の投資を受け入れたのは、リーマン・ショック後の財政赤字改善策としてキャメロン政権時代に緊縮財政を取ったためだ。 
2015年、訪英した習近平国家主席とキャメロン元英首相が英国の原発プロジェクトに中国国政企業が出資するなど400億ポンド(7兆4千億円)の投資契約を結び、「英中黄金時代」と自賛した。
米国の警告を無視して中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)へ欧州で最初に参加し、米国が警戒する中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と協力を始め、今年1月、同社5Gの一部容認を決めた。 
感染から回復したジョンソン首相はいま、その反動に直面している。 
情報機関の調査で中国の感染者、死者数が公式発表の数十倍になることに衝撃を受けた英国政府が疑念を抱くのは、ウイルスを発生させながら感染初期に警鐘を鳴らした医師の声を封印し、WHOを使って「人から人への感染はない」と虚偽情報を流布させ、「不都合な真実」を隠蔽し続けて体制優位の「対外宣伝」をする共産党一党独裁国家の特殊性にある。 
中国糾弾の中心は、首相の屋台骨を支えるブレグジット(英国のEU離脱)を推進した与党保守党の最強硬派だ。
EU離脱強硬派を主導したリースモッグ議員やEU離脱担当相を務めたデービス議員、フォックス前国際貿易相らは3月、ファーウェイによる5G導入の白紙撤回を求める法案を下院に提出した。
否決されたが、38人の議員が支持し、エネルギー産業への中国投資撤回、中国依存サプライチェーン(供給網)の全面見直しなど、あらゆる中国との関係再構築をジョンソン首相に訴えている。 
ジョンソン政権がファーウェイを一部容認したのは、英国の携帯電話各社が15年前から同社製品を導入しており、5Gで同社を排除することは膨大なコストがかかるからだ。 
しかしコロナで風向きが変わった。
いまこそ、中国依存を断ち切るチャンスである。
中国リサーチーグループを発足させたトゥーゲンドハット下院外交委員会委員長は、「中国が英国の先端企業の技術をかすめ取ろうとしており、安保の観点からファーウェイ導入は再考せざるをえない」と主張する。 
最後の香港総督を務めたパッテン喞も、「中国政府のコロナ対応は全世界にとって危険。英政府は英中関係を仕切り直さねばならない。もはや黄金時代ではない」と、経済コストがかかってもファーウェイ導入などの対中政策の見直しを訴えた。 
そのファーウェイは4月1日に英政府へ公開書簡を送り、「5G導入中断は、害を及ぼす」と参入存続を訴えたが、政権を支える保守党重鎮から強い「脱中国」圧力を受けたジョンソン首相は、死線を彷徨った経緯からも必然的に対中政策の転換を余儀なくされるだろう。
英国に続いて導入容認に傾いていたEU各国も見直しに動き始めた。 
「今こそ中国を敵国として扱わねばならない」。
ジョンソン首相が在籍したデイリー・テレグラフ紙の論説主幹も、コラムで「中国を敵国とみなせ」と書き、首相に決断を迫った。  
情報機関も対中関係の一掃を求める。
英秘密情報部(SIS、通称M16)のサワーズ前長官氏は、「12月と1月、中国は問題を西側に隠した」と隠蔽工作を指摘し、国内治安維持に努める英情報局保安部(M15)のマッカラム長官は、「今や最大の脅威は中国」と述べ、監視対象をロシアから中国の産業スパイやサイバー犯罪に移すと宣言した。
この稿続く。


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