以下は今日の産経抄からである。
終章は至言である。
「理由もなく謝るのはよくないね」。
容疑も知らされずに逮捕され、青年Kは眉に戸惑いの色を浮かべる。
「親父ににらまれ『何をしたか言え』つて言われると。何もしていなくても罪の意識を感じたように」
カフカの小説をもとにした映画『審判』である。
人の中に眠る「原罪」を、監督のオーソン・ウェルズが戯画的に描いたものだという。
よくよく考えると怖い心理描写だが、私的な場の潤滑油として「すみません」といった言葉を囗にした経験なら、日常的にある。
もちろん、罪の意識から出たものではない。
時と場合、相手を選ぶなど使用上の注意もある。
とりわけ外交の第一線で闘う人には無用の講釈だろうーと思っていたら、そうでもないらしい。
いわゆる徴用工問題について、「心が痛む」と述べた岸田文雄首相である。
訪れた先の韓国で。
日韓の未来志向を歴史問題から切り離す、と尹錫悦大統領が明言したのと時を同じくして。
対日外交で批判される尹政権への助け舟という見方はできる。
「私自身の思い」との前置きもあったが、謝罪と取られかねない発言はやはり余計だった。
「シャトル」は定期の往復便を指す。
緊張を増す東アジアの情勢を思えば、シャトル外交の再開で前へ進もうとするのは理解できる。
さりとて、韓国のこれまでの振る舞いにまで目をつぶることはできまい。
政権が代わる度、日本との関係は親疎の閧を行き来した。
対韓外交は不毛なシャトル、出口のない迷走の繰り返しだった。
歴史に学んでいれば、出るはずのない発言だろう。
各紙は8日付朝刊(東京版)で、「心が痛む」を見出しに取って報じた。
いわれなき「罪の意識」をこうして広げてゆくことに、首相の心は痛まないのだろうか。
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