Sun Set Blog

日々と読書と思うコト。

占い?

2008年08月31日 | Days

 今日もまた雨。お昼の休憩で社員食堂に行った時には青空が見えていて、久しぶりにちゃんとした青空を見たような気がするという話をしていた。
 心の中ではもちろん今日は久しぶりにジョギングができるかもと思っていたのだけれど、夜にお約束のように再び雨が降り出す。会社を出た20時過ぎにも雨はやはり降り続いていて、同じ電車に乗る同僚と一緒に帰りながら、これは今日もダメだなあと思っていた。

 僕はずっと前からドコモの携帯を使っていて、iチャンネルというサービスを使っている。天気予報やニュースなどが随時更新されているのをチェックできるものだ。
 その基本メニューのなかに占いが入っていて、良いときだけ信じるといったいい加減な信じ方ではあるのだけれど、とりあえず気がついたときにはチェックしている。今日は駅から部屋まで帰る道の途中で、音楽を聴きながら携帯で欧州サッカーの結果を見て、その後でその占いを見た。それでおもわず吹き出してしまった。

 占いは全体運と恋愛運と仕事運と健康運、そして金運になっている。12星座中何位かも書いてあって、ちなみに今日の天秤座は4位。
 気になったのは健康運と金運で、健康運にはこう書かれている。

 背筋を伸ばして歩くだけで年齢よりもかなり若々しい印象を与えるでしょう。

 これは占いなのか……と思わず笑ってしまったのだ。これはたぶん、占いじゃなくて当たり前のことのような気がする。

 金運は、

 衝動買いで最高の買い物が! 大型ショッピングモールに立ち寄りましょう。

 というもの。これは健康運よりは占いらしくあると思うのだけれど、これを見てショッピングセンターに行った段階で衝動買いじゃないような気はする。まあ、その言葉をクリックするとショッピングサイトに繋がるといったことがないだけいいのかもしれないけれど。

 でもまあ、いまは22時で、雨のためこの時間に部屋でゆっくりできるというのはとても嬉しいのも事実。ジョギングは楽しいし好きなのだけれど、帰ってきてから一連の流れを終えると、23時は絶対に過ぎているので夜が相対的に短く感じられるのだ。
 ということで、一日仕事をしていたので最高の買い物はできなかったけれど、こういうのんびりとした時間も最高だなとは思う。
 でもまあ、明日も5時前に起きる予定なので、あまり夜更かしはしないようにしよう。


―――――――――

 お知らせ

 欧州リーグもいよいよ5大リーグすべてが開幕ですね。結果を見るのが、週末の楽しみになる時期がまたやってきたのです。


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雨の収支

2008年08月31日 | Days

 雨が続いている。
 今週はジョギングも1度しか走っていないし、フットサルも20分ほどやったところで雷のためにフットサルコート自体が休業になってしまった(その後に激しい雨になったので、いずれにしても続けていられなかったとは思うけれど)。夕立があり、日中降る雨があり、明け方に降り注ぐ雨がある。今年の夏はかなり雨が少なかったから、夏の最後で帳尻を合わせようとでもしているみたいだ。

 最近はちょっと忙しい。
 こういうときこそ頑張りどころだと思いながら朝から晩まで働く。
 けれども時間を見つけて(あるいは作って)今週は2冊本を読み、2本映画を観る。
 1冊目は『知的生活の方法』渡部昇一、講談社現代新書で10年ぶりくらいの再読。新入社員の時に最初の上司に読むべき本リストをもらった中に入っていたもので、最近社内のプロジェクトのひとつでその上司と再び絡むことになったので、懐かしく思って読みなおしてみた。

 知的生活とは、頭の回転を活発にし、オリジナルな発想を楽しむ生活である。日常生活のさわがしさのなかで、自分の時間をつくり、データを整理し、それをオリジナルな発想に結びつけていゆくには、どんな方法が可能か? (……)知的生活とは、なによりも内面の充実を求める生活なのである。

 表紙にはこう書いている。いま読み返すと内容はずいぶんと古めかしいところがあったりするのだけれど、1976年出版ということを考えると当然のことだろう。たとえば、著者は夏場に知的生産性の質と量を高めるために、クーラーを購入するべきだと強く提案している。そうすれば夏でも涼しい中で効率を落とさずに知的労働に勤しむことができると説いているのだ。どれだけクーラーが快適かということにページを割いている。もちろん、2008年の現在で、クーラーのない部屋で暮らしている人は、北国でもなければほとんどいないはずだ。そういうギャップが随所にあって、少し引いて見てみるとそれはそれで面白い。けれども根幹にあるものはぶれてはおらず、だからこそいまでもこの本を書店で見かけたりするのだろう。ある種の姿勢を示すための本としては、古典的な位置にきているのかもしれない。

 もう1冊は『適当な日本語』金田一秀穂著。アスキー新書。
 帯にはこう書いてある。

 コトバ一筋三代目!
 金田一先生の日本語教室、ここに開講!!

 正しい日本語より気持ちいい日本語
「とんでもございません」、「役不足」、「歌のさわり」、「汚名挽回」……

 辞典の編纂でおなじみの金田一さんは三代にもわたっていたのだなと驚く。
 この本はその三代目である金田一さんが、「適切」であるという意味での適当と、「いい加減」な意味での適当両方が言葉を理解する上で必要であり、それでいいのではないかというようなことを述べている本。三章にわかれていて、日本語の素朴な疑問についての質問(「とどのつまりのとどって何ですか?」など)に、懐かしい言葉の解説(おしたじなど)、そして最後がパソコン&ケータイ時代の漢字選びと銘打って文脈で同じ読み方のどの言葉を使うのが適切なのかを解説している。
 専門家の深い知識が経験からくるけれどもゆるい洞察越しに語られる。ずいぶんと軽やかなスタンスの教授であり、帯に出ている写真からも人の良さそうな感じが伝わってくる。はじめて知ることも多く、ものすごい! というわけでは全然ないのだけれど、出勤時の地下鉄の中で読むにはいいかんじだ。

 映画は『デトロイト・メタル・シティ』と『ハンコック』。個人的な点数は2作品とも5点満点で3.5点。4点のハードルは(個人的には)高いので、これはおもしろかったということ。『デトロイト~』は笑えたし、『ハンコック』は予想外の展開に驚かされた。ともに観てよかった。

 明日も早いので今日はもう眠ろう。


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 お知らせ

 Miss Independent(Ne-Yo)をリピートして繰り返しています。


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シャッター

2008年08月26日 | Days

 僕が住んでいた小さな町には、古びたアーケードの商店街があった。その特徴であるアーケードのために、昼でも常にいくばくかの影に覆われ、そのことが商店街の寿命のようなものを早めているかのように見えた。それは日陰に置かれた観葉植物のゆるやかな消耗のように、あるいはいつ再発するかわからない病の潜伏のように、時間が止まったような古びた商店街の中に静かに染み込んでいた。

 その町に暮らしはじめたばかりの頃、僕はよくその商店街に通っていた。新しい町に早く慣れようとしていたからだし、大きな書店と小さいけれどそれなりに品揃えの豊富なCDショップがあったからでもある。僕はまだ若かったので、洋服をその商店街にある店で買おうとは思わなかった。ただ、商店街には昔から常連客に愛された喫茶店や、老舗の和菓子屋なんかもあった。地元の友人たちと話していると、子供の頃からの(正確に言うと親の代からの)いきつけの店もいくつかあった。

 それでも、そのアーケード商店街は、ゆっくりと沈みつつある船のようなものだった。大きな船で、下のほうで水が漏れ始めているのに、その巨大さゆえに甲板にいる人たちは誰も気づかない。手遅れになるまで気がつかずに、優雅にパーティーのようなものに興じている。そんなイメージがあった。かつては栄えた場所。たくさんの人たちの思惑や感情が交差したはずの場所。いまでは荒野の大地のように、ざわめきをも裂け目の中に吸い込んでしまっているみたいだ。

 数年ぶりにその小さな町を訪れたときに、僕はいくつかの変化を見ることになった。
 予想されたことではあったけれど、それは末期の病魔のように思いがけない速度で進行していたシャッター通り化であり、地元の店ばかりでなく、チェーン店のいくつかさえも撤退し、場合によっては更地となっている姿だった。売地という文字の書かれた立て看板が斜めに傾きながらも、いつの間にか勝手に住み着いた野生の動物のように自分の縄張りを主張している。シャッターに描かれた前衛アーティストを気取ったいたずら描きが、消されることもなく残り続けている。そこに描かれた角ばった文字は、預言者の宣託のように不思議な力強さを有している。洋品店の軒先のワゴンにうずたかく積まれたTシャツは、その前を通り過ぎていく中学生が小学校に入学する頃から同じ場所にあるかのようにそこにある。

 かつては賑わいを見せただろう通りが、歩いているだけで町の衰退を実感させるダイジェストのようなものとなっている。途中でこれ以上歩くことは辛いと思えてしまう。迷子になってしまった旅行者のように、困り果て途方にくれてしまう。いったいどこで道を間違ってしまったのだろう。そんなふうに自問自答する。けれども答えは出ない。もしかしたら持っていた地図が異なる町のものだったかもしれない。よくわからない。ただ、変化への対応のようなものが遅れてしまっていることだけは確かなことだった。それは太古の恐竜たちのように、あるいはすでに絶滅してしまったいくつもの動植物たちと同じように、滅びへの道をゆっくりと進んでいるように見える。

 もちろん、衰退しつつあるものの中にも希望はたくさんあり、どんな物事にもよい面とそうではない面があるのだということを思う。けれども頭に浮かぶのは、「強くて賢いものが残るのではなく、変化に適合したものだけが長く遠く歩むのだ」という言葉だったりする。
 変化に対応すること。
 それが必ずしもよいことばかりではないのだということはわかる。ただ、変化に対応しなければ、少しずつ進む砂漠化のように、多くの物事が砂に埋もれてしまう。いろいろな意味の砂に、いろいろな意味の時間のようなものに。

 いまでもときどき、あのアーケードの商店街のことを思い浮かべる。どうしてか、すっかり忘れてしまった頃に、ふいに思い浮かぶのだ。
 冴え冴えとした夜の、遠い月光に照らされた商店街を夢想する。いくつものシャッターは、月の光に照らされて冷たく輝いていることだろう。
 その光景は随分と物悲しく、けれども近しいもののように思える。


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 お知らせ

 今日は5時台の電車で出勤しました。最近はちょっと働き者な感じです。

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Run

2008年08月24日 | Days

 今日の夜は雨。昨夜も雨で、2日連続ジョギングはできず。
 仕事帰りに部屋の近くのラーメン屋に寄って、ラーメンを食べる。雨の日は走れないのでたまの外食をしたりする。それはそれで実は結構楽しみだ。
 おいしかった。

 先週の金曜日のフットサルで筋肉痛になって、随分と足が張っている。特にふくらはぎがぱんぱんに張っていて、手で触ってみても大分かたい。ジョギングをしていても筋肉痛になるの? とはよく訊かれるのだけれど、使う筋肉が絶対に違うので、筋肉痛にはなるときはなるのだ(ならないときには全然平気なのに……不思議だ)。

 携帯の天気予報では数日雨が(特に今晩は東日本で大雨が)降るようだけれど、たまには足休めになるというものかもしれない。
 ただ、習慣として走っているせいか、走らないとなんだかさぼっているような気がしてちょっと気になってしまう。
 そんなふうに思ってしまうなんて、なんだかなあともちょっとだけ思う。

『走ることについて語るときに僕の語ること』再読。村上春樹。文藝春秋。
 出版されてすぐに手にとって読了し、今回は再読。休日だった土曜日の午後に、のんびりと読む。
 村上春樹は33歳のときにジョギングをはじめ、毎年のようにフルマラソンを走っている。1日で100kmを走破するウルトラ・マラソンも経験済みだし、トライアスロンにもチャレンジしている。フィジカルな部分を鍛えることの重要性を、集中力と持続力との関連などから意識的に行っている。昔からエッセイの中で走ることについての文章がたくさんあって、そのたびにいいよなあと思っていた。僕も今では日々ジョギングをしている方だと思うけれど、走ることを続けている理由のひとつには、村上春樹のジョギングについての考えや文章が魅力的だったからということもある。だからこの本は出版されてすぐに読んだし、なるほどなとも思った。

 今回、ある程度時間をおいて再読してみた。ちょうどこれだけ走っているのだからハーフマラソンにでも出たいなという気持ちが出始めた頃であり、いままではそういう気持ちはあまりなかった。畏れ多いと言うか、ちょっと抵抗があるなという感じで。素人がマイペースで走っているだけなのだから、レースだなんて滅相もないという感じだったのだ。けれども、毎日自分の部屋に帰ることができるようになって、毎週30kmから50kmほどコンスタントに走るようになって、ある程度自分の脚力のペースのようなものがわかるようになってきた。そんな中で、もう一度この本を読んでみたいと思ったのだ。

 読み返してよかったと思う。少なくとも、以前よりもすっと頭に入ってきた。当時ももちろんなるほどと思い、それなり以上に感銘を受けたのだけれど、今回の方がよりしっくりきた気がする。前回よりも走る距離や頻度が長く多くなってきていて、共感できる部分が多かったからなのかもしれないし、レースに出てみたいという気持ちが湧き上がってきていて、実際に走った村上春樹の感想を読んで「いいなあ」と思えることが多かったからかもしれない。
 少なくとも、まずは毎年などとは言わず一度くらいは、フルマラソンを走ってみたいとこれは結構本気で思っている。一生で一度くらいは、と思うのだ。その練習のためにもハーフを一本くらい走ってみたいとはさらに強く思っている。ともあれレース的なものの雰囲気を体験してみたいと思っていて、これは今度駅伝に誘われたので今度体感することができる。そんなふうにして、あれよあれよという間にもっとちゃんと走りたいという方向にゆっくりと流れていっている。

 そういうタイミングのようなものは確かにあるのだろうし、こういうときにはその緩やかな流れにえいと乗ってしまおうとも思っている。

 この本の中にこういう記述がある。


 走ることは僕にとっては有益なエクササイズであると同時に、有効なメタファーでもあった。僕は日々走りながら、あるいはレースを積み重ねながら、達成規準のバーを少しずつ高く上げ、それをクリアすることによって、自分を高めていった。少なくとも高めようと志し、そのために日々努めていた。僕はもちろんたいしたランナーではない。走り手としてはきわめて平凡な――むしろ凡庸というべきだろう――レベルだ。しかしそれはまったく重要な問題ではない。昨日の自分をわずかにでも乗り越えていくこと、それがより重要なのだ。長距離走において勝つべき相手がいるとすれば、それは過去の自分自身なのだから。(23-24ページ)


 書かれている内容は村上春樹的なストイックなものだけれどその通りのことなのだと思う。大切なのは自分が掲げたバーを越えることで、ある種の物事はフィジカルな側面を潜り抜けないと実感することができないような気がする。たとえば、走り始めたばかりの頃は2kmももたなかった。2kmも走れば呼吸困難になり、電柱でもなんにでも寄りかかりたいと強く願うような感じだった。けれども、いまでは10kmをジョグペースで走ることは当たり前に出来るし、もっと長い距離だって走ることができる。新陳代謝のようなものは身体を動かしていないときと比べよくなっているだろうし、なによりも単純に走っているのが楽しい。楽しいばかりではなくて辛いこともあるのだけれど、ただ楽しいのではなく辛かったりすることの後に楽しみがあることの方が、ある意味まっとうという気もしている。

 とりあえず、まずは9月の駅伝を頑張ろう(5kmちょっとの山道を走る予定)。
 そのときの感じで、それからどうするかを決めていこう。


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 お知らせ

 最近のお気に入りはm-floとBENNIE Kの「Taste Your Stuff」です。


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普段の暮らし

2008年08月23日 | Days

 木曜日は8時から21時30分まで働く。
 22時30分頃に帰宅し、いつものようにジョギング。13km弱を60分を切るタイム。1kmあたり4分45秒。
 10kmを45分前後で通過。いつもは同じペースで走ることを意識しているのだけれど、昨日はスピードを意識して走った。もちろん、ある程度以上の距離があるので、スピードを意識してもどこかでペース配分を考えるところがあるのだけれど、いつもよりは大分意識して速度を上げる。
 9月に参加する駅伝のトレーニングの一環としてそうしてみることにしたのだ。別に他のチームとのタイムの競い合いでもなく、本格的なものではなくて趣味として参加するものなのだけれど、駅伝なので当然他のメンバーが絡んでくる。迷惑はあまりかけられないと思うと、それなりにスピードも大切かもしれないと思ってしまうのだ。はじめての参加なので、ペースがつかめないということもあるし。
 でもまあ、楽しく走れればいいなというのが大前提だと思うので、あまり無理はしないようにしようとも思う。
 何にしてもはじめて参加するものは勝手がわからなくてそれが面白くもあり、不安でもあるよなと思う。
 でもまあ、他のメンバーにいろいろと聞きながら頑張ろう。

 金曜日は休日。部屋にこもっていろいろと雑用をこなす。
 夜には恒例のフットサル。今日は11人の参加で、休憩が少ない分大分疲れる。でも週に一度フットサルができるというのは大分いいものだなと思う。
 最後はバテバテになってしまうし、飲み物もがぶがぶ飲んでしまうのだけれど。


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 お知らせ

 最近、毎日アイスクリームやかき氷を食べているような気がします。

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帰省

2008年08月20日 | Days

 帰省は3泊4日。
 初日は昼過ぎに札幌に到着し、実家で軽く食事。それから家族でお寺へ行き、お経をあげてもらう。
 そのまま車で小樽にある祖母の家へ行き、祖父の仏壇に線香をあげる。
 さらには叔母の家にも行ってくる。

 夜にはすすきの周辺まで車で送ってもらい、20時から昔からの友人と待ち合わせて4人でビール園へ行く。キリンビール園。
 アーバン札幌ビル7Fにある新館の方で、スタイリッシュなビール園で驚く。壁一面のスクリーンで野球が流され、個室なども多い。
 そこで(もちろん)キリンビールを飲んで、ジンギスカンを食べる。この夏はじめてのビール園で、しかも久しぶりのジンギスカン。
 懐かしい話に花を咲かせながら、食べ放題の肉をかなりおかわりする。

 店を出てから、2次会は大通り近辺で働いている友人がときどき行くというジャズバーへ。小さな店で、壁一面がレコードに覆われている。
 100万円以上するのだという歴史のありそうなスピーカーからは大音量のジャズが流れていて、ときどき話し声が聞こえづらいほど。
 0時少し前にお開きになり、1人と地下鉄に乗る。ほぼ終電に近い大通りのホームは、たくさんの人で混雑している。
今度は1月に会おうという約束をする。
 1月は母の一周忌なので、再び地元に帰省するのだ。

 地下鉄の終点からタクシーに乗って、家の前で降りる。
 実家にもう母がいないことに現実味がないような気がする。それはもちろん普段別の場所で暮らしているからなのだとも思う。
もし近くで暮らしていたら、不在感は日々より強く実感されるはずだ。父や妹がおそらくそうであるように。

 これが現実じゃないとは思わないけれど、それでも事実を認識するためには自分の中の何かのチャンネルを合わせなければならないような気がしている。
 あるいな何かのボタンをゆっくりと押さなければならないような。
 そして、そういうちょっとしたアクションが、ショックのようなものに対する麻酔のようなものであるような気もしている。
 ある程度以上の時間が経たないと、麻酔のようなものを必要ないとは言い切れないように思う。

 かつての自分の部屋(学生の頃使っていたパイプベッドが置かれていることくらいしか痕跡がない部屋)で眠る。実家に残している本を手にとってぱらぱらとめくる。
 ビールのせいか、部屋の電気をつけたまま、いつの間にか眠ってしまう。

 2日目は朝起きてから、バッグに入れてきたジャージとTシャツに着替える。
 父や同じく実家に帰省してしていた妹が驚く。ジョギングはそれなりに前からしていたけれど、帰省中に走ることはいままでなかった。
 ただ、今回はちょっとした計画があってジャージを持ってきたのだ。

 計画は、手稲山を少しだけ走ってみるというものだ。
 会社の他部署の人に山道を走る市民駅伝のようなものに誘われていて、それに出ることにしていた。それなので、その練習という思いがあった。いま住んでいる場所はほぼ平地でフラットなコースなので、斜面を走って感覚を持っておきたかったのだ。参加するのはひとり5kmほどの距離を走るものなのだけれど、山道ということであればやはり普段とは全然勝手が違うと思ったのだ。また、高校時代に友人に誘われて同じ坂道を数ヶ月走っていたということもある。同じコースを十数年ぶりに走るのは新鮮かと思ったのだ。

 家から国道5号線に出て、それから手稲山への上り口を目指す。そこから斜面を駆けはじめる。
 想像以上に負荷がかかる。前日飲んでいた翌朝ということもあるのかもしれないけれど、普段よりも大分ペースが落ちる感覚がある。
 山道はカーブが続き、ほぼ上りに時折下りが混じるアップダウンだ。この感じだと、本番のときには結構ハードに感じるだろうなと思う。
 高校時代のジョギングでは、千尺という昔のスキー場の入口までいって折り返していた。一番街側に近いコースで、小さなリフトが伸びていた。頭の中で、かつてのその光景を思い出そうとしながら、ほとんどはじめて走るに等しく感じられる山道を走る。山菜採りをしているおじいさんを横目に走る。
 しばらく進むと、ほとんど唐突にかつて千尺の入口だった場所が現れた。唖然としてしまう。
 そのコースがすでになくなってしまっていたのだ。

 草木が周囲を覆い、小さなリフトはなくなっていた。半分以上錆びたような看板だけが当時そこがスキーのコースだったことを告げていて、コンクリートの台座のようなものだけがわずかに剥き出しになって残っている。
 iPod nanoのタイムを計る機能を一時停止にして、荒い呼吸のまましばらくその周辺を歩く。時の流れをずしりと感じる。別にショックなわけではないのだけれど、随分と時間が経ったのだということが理解される。もう一度昔のことを思い出そうとしてみる。高校時代には、いつも夜に走っていた。校内の10kmほどのマラソン大会の準備のために、トレーニングをしたいという友人に誘われて、とりあえず面白そうだなと思って付き添って走っていたのだ。いまではあの頃の倍以上の年齢になっている。同じであるはずがないよなと納得する。
 前日の友人との飲み会のときだって、中学生のときに同じ塾に通っていた友人たちだったのだけれど、当時からもうすぐ20年くらいになるのだという話をしていたばかりだった。
 いろいろと考えさせられるなーと、穏やかな朝の日差しの中でしみじみと暢気に思う。何だかんだ言って、日々は楽しく過ごしているし、これが最良かどうかは別にして、自分で選んできた時間だ。それなりにいろいろなことがあって、それなりに時間が過ぎている。普段はそういったことを考えないけれど、こういったときには唐突に何かを目の当たりにさせられた気になる。
 そして、またふと思いつくことがあって、そこから山道を下りはじめる。再び5号線を超えてさらに下り、JRの線路が走っている高架もくぐり抜ける。

 稲積公園を走ってみようと思ったのだ。子供の頃に何度も訪れた場所で、そこにある手稲プールだって何度だって行った。大きな公園で、子供心にはとても広大に思えたものだ。それをいま走ったらどれくらいなのだろう? と思い返すついでに連想してしまったのだ。
 懐かしい稲積公園の入口まで走り、ジョギングやサイクリングなどができそうな舗装された外周を走り出す。野球場に、テニスコート、遊具、それからプール。いろいろな施設が一堂に会している公園で、いまでも実際に広い。ただ、それほど広いと思っていた公園も、1周は2kmに満たなかった。もちろん、2km弱でも十分に広大だけれど、子供の目に映っていたサイズといま感じるサイズとでは当然のことながら違うのだなというようなことを思っていた。

 稲積公園を3周してから、家に戻った。
 お盆時期の午前中の大きな公園。公園の一角にある小さな山(冬になると子供たちがミニスキーで滑る)も薄い黄緑に覆われていて、小学校低学年くらいの兄弟が、身体を伸ばしたまま斜面を転がっているのが見えていた。昔、自分も同じようなことをしていたよなと思わず笑ってしまう。小さな草が服にたくさんついて、でも楽しいので回り続ける。いまの年齢ではもちろんそんなことはやらないけれど、いまやってももしかしたら面白く感じられるのかもしれない。

 午後は家族で小樽のマイカルへ。中にあるシネコンで父と一緒に映画『ダークナイト』を観る。四十九日で帰省したときにもそうしたのだけれど、仕事以外ではなかなか家から出ないので、帰省したときには父を連れ出して映画を観るようにしている。気分転換になるだろうし。
 映画は面白かった。ジョーカー役のヒースは本当に熱演で、すでに亡くなってはいてもアカデミー賞を獲ってもらいたいくらい。バッドマン自体はそれほど好きでもないので入り込めない部分もあったのだけれど、次から次へと畳み掛けるようなストーリーや演出は、確かに今年No.1に推す人が多いことにもうなづける出来。

 それからゲームコーナーなどで遊んでいた妹と姪っ子たち(5歳と3歳)と合流して回転寿司を食べて、最後は姪が乗りたいと言った観覧車に乗る。売り上げ的にはおそらく計画倒れでとんでもないことになっているだろうそのショッピングセンターには、一時期全国的になぜか流行った商業施設に隣接する観覧車があって、いまでは数千円以上買物をしたレシートを見せれば、無料で乗ることさえできるようなのだ。
 ゆっくりと観覧車は動いていく。確かに目の前が日本海という立地ではあるけれど、夜景が印象的なわけでもなく、一度乗ればいいのだろうなという気がする。問題は、その一度を体験する人の分母が小さいことで、こういった施設を立案する人は、その後々の採算のことについては考えなかったのだろうか?
 それに、観覧車はお盆時期だというのに大分閑散としていて、小さな子供連ればかりが乗り込んでいく。カップルとかそういう姿は少なくともその時間帯には見当たらなかった。
 ただ、姪は喜んでいたので、ファミリー層にはうけているのかもしれないけれど。

 3日目はやはり家族で旭山動物園へ。ここ数年何かと話題になっている場所で、いままで行ったことがなかったのでよかった。父の運転する車で高速に乗って札幌から旭川へ。途中、激しい雨が降っていて、目の前も見えないほど。午後から止むだろうと言われていたのだけれど、そのような気配はなし。
 旭山動物園に到着したときにもまだ雨が降っていたのだけれど、それでもかなりの入園客で溢れていた。これがもし快晴だったら、いったいどれだけの人がいただろうとおそろしい感じ。
 さすが、道北にありながら日本で一番入園者の多い動物園と言われているだけのことはある。
 動物園自体も、予想以上におもしろい場所だった。よくテレビなどでもやっている透明なチューブを潜り抜けていくあざらしや、ガラスのトンネルから見える泳いでいるペンギンの白いお腹、レッサーパンダの吊り橋に迫力あるホッキョクグマ。一風変わった演出方法で見る動物たちは、よくある動物園のイメージとは確かに異なっていた。子供ばかりでなく、大人たちも十分に愉しむことができる場所だ。姪たちもとても喜んでいたのでよかった。
 雨は最後まで降り続いていたけれど、多くが館内なのでそれほど濡れることもなく見て回る。

 再び高速で札幌へ向かう。ちょうど年間で5日間だけの夜の動物園の時期(21時まで開園)だったのだけれど、夕方に帰る。
 もし19時過ぎまでいられれば、数百匹のホタルの乱舞が見られるという「ほたるのこみち」の催しを見ることができたのだけれど、さすがにそこまで姪たちを引っ張れないので、ちょっと残念ではあったのだけれど……

 帰りにそのまま外食。家族連れを推奨しているような個室つきの郊外型の居酒屋で、母がよく姪たちを連れてきていたのだという店に行く。
郊外型の居酒屋というコンセプトが飲酒運転を連想させてしまい「?」という感じではあるけれど、運転する人だけ飲まなければいいし、大人も子供も好きそうなメニューが溢れているので、それなりに需要があるのかもしれない。
 姪たちもすっかりその店に慣れていて、なんだか不思議な感じがする(帰りには子供へのサービスのお菓子までもらってごきげんだった)。

 そして、最後の夜も姪たちとあとは遊んで過ごす。たまにくるおじちゃんである僕は、ママのお兄ちゃんであることを理解しているのかどうか不明な感じではあるのだけれど、やっぱりわかるのかなついてくれている。今回の帰省の目的のひとつが「姪たちと遊ぶ」だったので、次から次へと変わる遊びにつきあう。塗り絵をしたかと思えばお店屋さんごっこになり、歌になり踊りになり、かくれんぼになる。まったくよく飽きないものだと思いながら、でもやっぱり子供はかわいいよなと思う。何を言っているのかわからないときもあるけれど。

 4日目は午前のうちに実家を出る。新千歳空港で札幌ラーメンを食べ、おみやげを購入する。自分用にはmorimotoのハスカップのピュレ(果汁の原液のようなもの)を購入する。ただでさえ帰省ラッシュに重なっていて空港はものすごい人だかりだったのだけれど、中でもとりわけ並んでいる場所があった。近づいていくと、田中義剛の花畑牧場の生キャラメルを買い求める列で、あまりの人気ぶりに驚く。

 羽田空港もかなりの混雑。それからモノレールや電車を乗り継いで埼玉まで帰る。
 部屋に着いて、やっぱり自分の部屋はいいなといつも思うことを思う。大分汗をかいたのでシャワーを浴び、着替えてから荷物を片付ける。
19時からは飲み会。
 参加者は7人で、1人以外ははじめて飲む人ばかり。男3女4で、笑える話がたくさん出てくる。居酒屋の個室にいたのだけれど、19時から0時少し前までいたのだから、結構長いと言えば長い。

 そしてあっという間だった夏休みも終わった。

 あと、もう一本映画を観たのだけれど、とても当たりだった。
『ベガスの恋に勝つルール』で、いかにもベタな展開なんて最初からわかりきっているので、その過程がどれだけ楽しいかという類のロマンティック・コメディ。

 パンフレットから筋を引用すると、

 フィアンセにこっぴどくフラれたバリバリのキャリアウーマン、ジョイ。父親が経営する工場を解雇されたジャック。気晴らしにでかけたラスベガスで出会ったふたりは意気投合して派手に飲み明かし、勢いで結婚してしまう。翌朝、正気に戻って結婚を取り消そうとしたものの、ジョイの25セントをジャックが投入したスロットマシーンで300万ドルが大当たり! ニューヨークに戻ったふたりは賞金の所有権を主張するが、裁判の判決で6ヶ月の結婚生活を送るはめに。財産の取り分をめぐって仮面夫婦生活を送るうち、衝突ばかりしているジョイとジャックの関係に変化が訪れる……。

 ここだけ読んでも、もう大体想像がつくという感じなのだけれど、やりすぎ感さえある笑いの連続で、あっという間に進んでいく。
 心を通わせていくエピソードがもう2、3あった方がよりよいような感じはしたけれど、最近のこの手のロマンティック・コメディの中では、個人的には充分以上に楽しい映画だった。
キャメロン・ディアスにアシュトン・カッチャーという主役たちも魅力的で、観終わった後の満足度が高い作品。

 先週から読んだ本は、

『ビジネス脳を磨く』小阪裕司著。日経プレミアシリーズ。
『風が強く吹いている』三浦しをん著。新潮社。再読。
『ハードボイルド/ハードラック』吉本ばなな著。ロッキング・オン。再読。
『悪童日記』アゴタ・クリストフ著。早川書房。再読。

 再読が多いのも、夏休み的な感じがするような気がする。


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 お知らせ

 ハスカップのピュレは、ペリエと混ぜてハスカップソーダのようにして飲んでいます。味が濃いですが、おいしいのです。

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リレーのようなもの。

2008年08月12日 | Days

 今日は7時に会社に到着し、会社を出たのは22時。部屋に着いたのは23時少し前で、それから着替えて10kmのジョギング。1kmあたり4分52秒。この2ヶ月は、大体月200kmペースだ。ふう。

 もちろん疲れていたし、お腹だって空いていた。けれども雨が降っているわけでもないし、水曜日からは5日間の夏休みで実家に帰る予定でもある。地元では昔からの友人と飲みに行ったり、おいしいものをたくさん食べたりする予定なので、今のうちにちゃんと身体を動かしておこうという算段だったりもする。それに、走らないとなんだかもやもやするようなところもある。これが習慣というものなのかもしれない。

 ジョギングを終えて部屋に帰ってきたのは0時10分。それからお風呂に入り、いまこうやってBlogを書いている。明日は休み前の最後の出勤で、引継ぎ準備等を含めて今日のように忙しくなる予定。

 休憩時間に、昔の上司と一緒になりコーヒーを飲みながら少しの時間言葉を交わす。新しい部署の仕事はどうか訊かれ、上司の部署が最近どんな感じなのかを尋ねる。とても尊敬していた上司だったので、話していると嬉しくなってしまう。熱い人で、部下でいる間は約半年間と短かったけれど、いろいろと勉強をさせてもらった。いまの部署の上司も、さらに以前の部署の上司もそうだけれど、同僚や後輩も含めて、本当にいろいろな人がいて、学ぶところは多いなと思う。

 あとは、会社もある種のリレーのようなところがあると思うので、自分が学ばせてもらったことを、後輩や同僚たちにしっかりと伝えていけたらいいなと思う。


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 お知らせ

 地元ではとりあえずジンギスカンを食べたいと思っているのです。

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ミルク&come again

2008年08月11日 | Days

 金曜日(厳密に言うと土曜日)は結局午前3時30分過ぎに眠った。
 そして目覚めたのは午前9時。
 前日の夜更かし(と少しのお酒)のせいか、大分眠い。けれども起きて、飲み物を飲んで、それからジャージに着替えて柔軟運動をする。本当は起きてすぐにジョギングをしたくはないのだけれど、夜遅くなることがわかっていたので、朝に走ろうと決めていたのだ。
 いつもの夜ではなく朝なので、走る前に飲み物を多めに摂る。汗をものすごくかくので、消耗を少しでも避けるため水分をしっかりと摂っておく必要があるのだ。

 いつものコースを走る。睡眠時間が短いこともあってか、あるいはただ単に疲れているのか、普段よりも大分きつい。日中のジョギングは、本当なら景色が新鮮で楽しいのだけれど、それどころではない感じ。でもなんとか10kmを走りきり、あらかじめ沸かしておいたお風呂に入る。午前中なので少し熱めに。

 それから準備をして、11時30分に着くように歯医者に出発。歯医者で治療をしてもらい、途中のモスバーガーでモスバーガー単品とモスのかき氷(歯医者の後なのに!)を買って、部屋に帰る。出掛ける予定になっていたので、今日は自炊はなしですぐ食べられるようにモスバーガーにした。軽い昼食をとって、それから掃除をする。掃除機をかけて、シュレッダーにかけるものをかけて、玄関を掃除して、それからトイレ掃除をする。

 掃除がひと段落着いてから、本を読んだり雑誌を見たり文章を書いたりして、少しのんびりして過ごす。午前3時30分まで起きていたせいか、少し眠たくなる。でも出発の時間が近づいていたので、16時頃にお風呂の掃除をして、その後でシャワーを浴びる。着替えて、それから出掛ける準備をする。

 土曜日は、国際フォーラムで開かれる「New Classic Gig in Japan 08」に行くことにしていたのだ。これは、昨年からはじまったクラシックとJ-POP(+DJ)のコラボレーションライブイベントで、今年のメインはCharaとm-floのVERBAL、演奏するのは東京フィルハーモニー交響楽団。通勤のときの中吊りで紹介されていて、ずっと気になっていたのだ。

 17時過ぎに部屋を出て、18時少し過ぎに有楽町に到着する。国際フォーラムまでてくてくと歩く。前に来たときにはBlastだったような気がする。国際フォーラムの中央の街路樹が植わっているような広場がライトアップされていて、散歩などに気持ち良さそうな感じになっていた。たくさんの人たちが待ち合わせをしているのかベンチに座っている。

 中に入り、自分の席を確かめる。後ろの中央で通路側。ステージ全体が見えるよい席。
 開演までイートコーナーでコーヒーを飲んで待つ。Numeroという雑誌の最新号が公式パンフレットになっていて、やたらと売り子が売り歩いている。インタビューは読んでみたかったので購入(500円)。
 場所柄、おしゃれに着飾った人がとても多く、いろいろな人を見ているだけで楽しい。男も女も、こだわった感じの人が多い。ただ、年配の夫婦なんかも混ざっていて、これは東京フィルの演奏でもあるからだろうか? などと考える。人間観察というほど大それたものではないけれど、ちょうど通路側の席だったので、通路を行き来する人たちを見る。

 そして、開演。ステージ後方にたくさんのディスプレイがセットされていて、VJのショーとのコラボレーションでもあることがわかる。GIG全体のテーマでもある「NO FIGHT, YES MUSIC & PEACE」の文字が青空などの映像とともに表現される。薄暗いステージに、華やかな映像。大音量のクラシック。そういったイレギュラーな、けれども新鮮な時間がはじまる。

 最初にプレイしたのはSugiurumn。ハウス・ミュージックDJとして有名らしいのだけれど、今回はじめて知った。DJプレイとクラシックの融合というのはこんな感じなのかということがわかる。面白そうだと嬉しくなる。

 そして、次に登場したのはChara。会場が沸く。僕も目的はCharaだったので、当然沸く。
 クラシックでもあるのでホームページに曲順はアップロードされていて、会場でもらったパンフレットセットにも当日の演奏プログラムの用紙が入っていた。12曲。楽しみなのは後半にある「やさしい気持ち」と「ミルク」。特に「ミルク」は大好きな曲だったのでとても楽しみ(Charaも歌う前のMCで「大好きな曲」と言っていたし!)。

 最新アルバムの『HONEY』の曲も数曲やる。結婚の歌だというMCの後の「TROPHY」や、当日ピアノを担当していた蔦谷好位置が作曲した「そして、僕が届かない」、「愛を憶える」に「Cherry Cherry」。どれもオーケストラとの競演で、よく知っている曲なのだけれど、新鮮に感じられる。途中のMCではオーケストラとのこういった形での競演ははじめてで、緊張しているという話があったり、当日誕生日の人のためにハッピバースディを歌ったり、あっという間に時間が過ぎていった。

 そしてインターミッション。20分の休憩。こういうのはクラシックのコンサートのようだ。

 休憩の後の第2部はいよいよVERBAL登場。1曲目から観客総立ちで最高潮に盛り上がる。ステージ所のディスプレイに時々映し出される客席では、戸惑ったように腕を組んでいる中年男性なんかが映っていて面白かったけれど、大半の人はリズムに合わせて腕を振り、あるいは手拍子をしている。

 途中で3組のゲストがくる。1人目はLisa。もちろん観客は大盛りあがり。プログラムでLisaがくることはわかっているのだけれど、それでもお約束でやっぱり大盛りあがり。個人的に(そしておそらく会場のほとんどの人にとっても)最高だったのは「come again」をやってくれたことで、生でLISAボーカルの「come again」を聴くことができるなんて思わなかったので、本当に嬉しい。01年の曲で、01年なんていったい何をしていただろう? と思ったりするのだけれど、よい曲は時の流れはあまり関係ないなと思いながら腕を振りながら目に耳に焼き付けようというように聴く。

 それからもBlastでおなじみの石川直のドラムの時間があったり、MINMI「Lotta Love」があったりと、盛り沢山。最後にはお約束ながら「Love to Live By」(m-floとCharaのコラボ曲。アルバム『COSMICOLOR』収録)をやって終わり。

 面白かった。Chara→VERBALという順番もよかった。また、昨年に引き続き指揮をしたという栗田博文さんは、髪なんか銀色で、なんだかはじけている感じの指揮者だった。キャラクターが立っているというか。

 帰りには、ミラフィス・ウォーターの500mlのボトルを一人一人にくれる。こういうところも自然に優しいというか、テーマと繋がっているのだろう。

 行ってよかったと思う。生のCharaを聴くことができたこともよかったし、クラシックとのコラボレーションなんてなかなか観ることができないのも新鮮だった。出演するアーティストによって印象が大きく変わりそうな気がするけれど、今年の組み合わせは個人的にはとても嬉しかった。繰り返しになってしまうけれど、「ミルク」と「come again」がとてもよかった。


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 今週読んだ本は2冊。『最高の成果を生み出す6つのステップ』マーカス・バッキンガム著。日本経済新聞出版社。と、『誰よりも美しい妻』井上荒野著。マガジンハウス。
 前者は、自分の強みを発揮できる環境を作るためのレッスン、というような本。よくあるような本で、ところどころ印象的ではあるけれど、それほど目新しいところはない。
 後者ははじめて読んだのだけれど、江國香織にとても似たトーンで驚く。実際に友人で仲がよいらしいけれど(著名な作家や随筆家の娘というところも共通している)、なんだか不思議な感じがする。著者名を隠して誰の本か当てる問題があったら、ぼんやりしていると誤答してしまいそうだ。
今回の直木賞をとった作家で、Amazonで取り寄せたら、さっそく帯が「新直木賞受賞作家」になっていた(すばやい……)。でも、いい感じがしたので他の本も読んでみようと思う。
印象的な表現なんかも随所にあって、何かが起きそうで結局何も起きない(あるいは何かが起こっているのに、何も起こっていないかのように錯覚してしまうような)感じがとてもよく出ていて、けだるさというか文中にもある怠惰というか、あるいは美しく腐敗していくような感じもあって考えさせられる。


 日曜日は出勤。6時台の電車に乗り、20時台の電車に乗って帰ってくる。部屋に帰ってきたのは21時20分くらいで、それからいつものように10km走る。1km5分を切るペース。お急ぎモードで洗濯機をスターとさせ、お風呂に入り、カットフルーツ盛り合わせを食べる。先日も飲み会で部屋にテレビがないことに「信じられない!」という話をされたのだけれど、こんなことをしていたらあっという間に0時になっているのだから、確かにテレビを見る暇はないかもしれない。

 明日は仕事。水曜日から5連休で、3泊ほど札幌に帰省する。地元の友人たちと飲む約束をしたので、来週の飲み会も2つに。最近はなんだか飲んでばっかりだ……


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 お知らせ

 今日のジョギングのときの音楽はm-floだったのでした。

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タクシー

2008年08月09日 | Days

 いまは9日の午前2時40分。ついさっき帰ってきたところ。
 今日は休みだったのだけれど、20人くらいで19時からボーリング(2ゲーム)、そして飲み会。
 23時頃1次会が終わって、珍しく2次会にまで出る。
 それで4人でタクシーを乗り合わせて埼玉まで帰ってきて、こんな時間。割り勘にしたのだけれどタクシー代が1万円近くになり、ちょっと驚いてしまう。

 今日もよく知っている人と久しぶりに飲む人とはじめて飲む人とが混在していて、いろいろな話をする。ボーリングもものすごく久しぶりだったし、大分楽しかった。今週は結果的に飲み会が3日あったことになっていて、なんだかいろいろと話を聞いたりしたりした気がする。たまにはこういう週があってもいいかもしれない。

 でもまあ、来週にも別の飲み会(8割型はじめて飲む人)に誘われているので、夏休み企画のような感じで楽しいのかもしれないけれど。

 毎週恒例の休日前夜のレイトショー観賞は、『インクレディブル・ハルク』。以前のハルクは見ていなくてあまり期待をしていなかったのだけれど、思いがけずよかった。エドワート・ノートンの知性がハルクの苦悩と責任を深みのあるものにし、ヒロインのリブ・タイラーも久しぶりに見たのだけれど、とても魅力的だった。また、映像のセンスが非常によく、早回しのあらすじ紹介的な展開や、ブラジルのシーンの独特の映像美、バトルシーンのカメラワークなど、違和感なく引き込まれた。
 後半のあるシーンだけはちょっとそりゃあないだろうという感じで、それがなければかなり評価が高かったのにとも思う。
 でもまあ、観て損はない映画だと思う。

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 お知らせ

 さすがにもう寝ます……

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飲み会

2008年08月07日 | Days


 いまは7日の0時15分。少し前に帰ってきたところ。今日は元々予定に入っていた飲み会だった。
 以前店長をしていたときの店のメンバーで、中途採用の年上の方々4人に、いわゆる自分も含めた生え抜き社員が4名。本社にいるメンバーが多くなってきたので、久しぶりに皆で集合しようという趣旨の飲み会。

 ものすごく面白かった。中途採用の方々が商社出身だったり大手流通業出身だったり、海外経験が豊富だったりして、かなり興味深い話をたくさん聞くことができた。また、異なる部署に所属している人が多く、そういった意味でもいろいろな話を聞くことができた。たまにはこういった横断的な集まりもいいなという話になり、四半期に一度は集まろうという話になる。

 19時から飲み始め、店を出たのが23時。結構いろいろ話していたのだと思う。
 以前一緒に働いていた人たちと定期的に集まったりできるというのは、結構感慨深いことだと嬉しく思う。


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 お知らせ

 今日はさすがに走らないのでした。

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