最近、車を運転しているときにラジオを聴くようになったのだけれど、別にたいした理由があるわけではない。
基本的にテレビを見ないので、少しは世間の話題に触れておこうと思ったところは確かにあるけれど、まあそれはとってつけた理由のようなものなので、一番感覚的に近いのは「何となく」聴くようになったというものだ。
だから最近では、通勤の合間の僅かな時間や、休日に買い物に行くときの時間に車の中でラジオが流れている。通勤自体は10分とかからないので(気が向いたら歩いて通うことさえできる距離)、本当にあっという間だ。ひとつのコーナーが終わらないうちに、1曲終わらないうちに着いてしまいさえする。
休日に車に乗るときには、もうちょっと長く聴いていられる。僕の休日は平日なので、必然的にウィークデイの日中のラジオを聴くことになる。午後ののんびりとした時間に流れる番組は、安穏とした雰囲気を感じさせて新聞をにぎわす物騒なニュースなんて別の世界の話題のようにさえ思える。明るいキャラクターのDJたちに、懐かしかったり新しかったりする様々な曲。あるテーマにまつわるエピソードや、リスナーたちの失敗談。思わず笑ってしまうようなものもあれば、やれやれと思ってしまうものもある。いずれにしても、ラジオの中の世界では、ある種の楽観さが重要な前提条件になっている。
聴いていて思うのは、日常がちゃんとあるのだということだ。僕の日々はやや仕事が中心になっているので、ちょっと気を抜くと職場と部屋の往復になってしまう。そういう生活だと、意識して遊びに行ったりしなければ同じような日々の繰り返しになってしまう。忙しい時期にはその傾向に拍車がかかり、それ以外の選択肢がないような感じにもなって、それが気がつくと生活を磨耗させてしまうときもあるのだ。
個人的にはストレスが溜まりづらい方なので、全然深刻ではないのだけれど(仕事は楽しいし)、それでもやっぱりどこかでは日常を求めているということなのかもしれない。少なくとも、ラジオを聴いていると、懐かしいペースを思い出すことができて、なんとなく嬉しくなるのだ。
テレビを見たらなおさらそう思えるのかなとも思うのだけれど、見出すと止まらなくなりそうな気もするので、それはとりあえず自粛の方向でいる。でもまあ、パソコンでドラマひとつくらいなら録画して、CMを飛ばして見てみたいとかは思ったりもするのだけれど。稲盛いずみのドラマもやっているみたいだし(と言いながら1話目から見逃しているのだけれど……)。
会社でテレビっ子の後輩と休憩時間に話していたりすると、そのあまりのテレビっ子ぶりに驚かされてしまう。韓国ドラマにはまっているその子なんかは、何かの暗号としか思えない俳優の名前を出してきてはそのよさを伝えようとしている。話題になっているくらいだから面白いのだろうけれど……
(ちなみに、そのテレビっ子後輩が教えてくれた何かのテレビ番組でやっていたというアンケート「ペイ・オフが何のことか知っていますか?」に、あるおばあちゃんが「韓国人俳優」と答えたというのはとてもツボにはまってしまったのだけれど)。
でもまあ、そんなにテレビを見ない僕でも、最近は大型テレビが欲しいなとちょっと思っていたりしている。部屋でDVDを借りてきて大画面で見たいなとぼんやりと思っていたりするのだ。でもまあ、そういうことは引越しするときにでも考えよう。
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お知らせ
ペ・イオフって本当にいそうですよね。