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ブラックバイト・ブラック企業に関して思うこと

2015-05-01 12:04:33 | 生活

 

私はこの放送を聞きながら、川島武宣の名著『日本人の法意識』を思い出した。法に無知・無頓着であるか、もしくはそれを知っていたとしても前面に出して異議申し立てをしたり交渉したりすることを忌避する人々。そしてそれに(意識的・無意識的に)付け込む企業・職場のブラック(完全に違法)・グレーな取り決めの数々・・・それがこの経済不況と就職難(将来への不安)という中でよりいっそう表面化・問題化してきたと言えるだろう(もちろんそこには、マタニティハラスメントという言葉が昨今広く取り沙汰されるような、権利意識の変化も存在している)。売上が厳しくなってくれば人件費を抑えるしかないから、これはしょうがないことなんだ・・・といったロジックの元に規律より「実態」が優先され違法状態がまかり通る(たとえば、たかの友梨の労働環境と訴訟が記憶に新しい)。

 

ここで「昔はもっと大変だったんだから今の状況をキツイと考えるのは甘やかしだ」という意見も出るかもしれないが、これは様々な意味で不見識以外の何者でもない。何度も似た話を書いているが、たとえば日本の戦後すぐは混乱して大変だったという人に対して、「でもアウシュビッツよりはマシだったんじゃない?」と言うことにどんな意味があるのだろうか?また自分が大変な境遇に置かれていたからといって、今の人もそれと同様な状況に置かれていても問題ない(一般的に正当化されうる)とするのはそもそも短絡的である(たとえば就職において差別をされた人が、だから今もあなたたちも私と同じように差別を受けるべきだと言っているのを聞いたとしたら、あなたはその発言に正当性を感ずるだろうか?)。さらに言えば、昔と今では社会条件が違うことも見逃せない。それはたとえば長時間労働させるにしても、ある一定の時期は終身雇用というシステムがセットになっていた=安定と引き換えだった(今でもトヨタはそうだが)。しかし今日では、終身雇用を考えている企業は少なく、長時間労働は使い捨ての発想としばしば対になっている。このような差異を無視して自分も長時間労働をかつてはやったのだからと言うのは、悪意はなくとも現状の維持に手を貸す行為でしかないだろう。

 

このような状態が続くようなら、遠くない将来に経済は回るが社会は崩壊するであろう(まああえて言うなら、このような違法労働を拡大・維持しなければ他国との競争から取り残されるというのであれば、すでに日本経済は終わっているのに無理して延命しているだけなのかもしれない)。

 

と社会状況一般について思いを馳せてみたものの、そもそも自分の会社・部署ではどうだろうか?残念ながら当てはまる部分が多々あるわな・・・あるいは放送で触れられているような「働かせやすさ」があるからこそ、うちの会社では数多くの学生バイトを使っているようにも思われるね。一管理職として改めて自分の振る舞い方も考え直していかねばなるまいて。

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