なぜ大手メディアへのヘイトが広がっているのか

2023-06-21 18:30:09 | 生活

 

 

週刊誌記者に不倫の逆凸か~。色々反論するけど全部ブーメランで笑っちまうぜ🤣まあ有名人の不倫なんて、勝手に生きて勝手に死ねやと思ってる身としてはどうでもいいし、そこに群がっている人間を見ると「世の中暇人が多いんだなあ😀」と思わず笑ってしまうが、まあ個人の感想はさておいて、この動画とコメントの反応を見ると、「なぜ大手メディアへのヘイトが広がっているのか」が端的にわかっておもしろい。

 

結論から言えば、「どの口が言ってんの?」てことである。不倫で叩かれる有名人について、イメージ戦略とのギャップという分析をしている人もいて(だからスキャンダルの影響が薄い人もいる)、まあ概ね妥当だと思うんだけど、人の問題点をあれこれ指摘していて、自分はガバガバだったらそりゃヘイトを集めてボコボコに叩かれるわって話である。

 

こんなもん小学生でもわかるレベルの話だと思うんだけど、特権意識でもあるのか、自分たちが批判される段になると(一応まずい自覚ぐらいはあるという意味で)誤魔化すならまだしも、事によっては心外だとばかりの反応さえするので、まあ大手メディアが完全に官僚化・既得権益化していることがわかるというものだ。

 

そしてこのような性質がそのまま表れたのがジャニーズ問題への(特にテレビの)対応である。これまで事務所との関係性で散々報道を控えておき、外圧の上に被害者からの告発もあって、週刊誌はもちろん新聞も報道して、さらに事務所側からの発表があってからやっとおずおず報道するその体たらくを踏まえても、まだなお心の底から「第四の権力」などと思っているのだとしたら、もう完全なお笑いの領域であると言えよう(なお、念のため言っておくが、海外メディアがそういう腐敗とは無縁などという話ではないので悪しからず)。

 

このあたりは記者クラブ制度による特権化と箱庭の中での横並び、あるいはクロスオーナーシップ制度によるチェックアンドバランスの欠落により、相互の批判作用が働かないことも影響しているわけだが、要するに日本の現行制度の耐用年数がすでに終わりを迎えていること、またそれにもかかわらず、官僚組織化しているがゆえに現行制度の維持とその中での最適化しかできないため「貧すれば鈍する」の言葉通りどんどん先細りしていくしかない大手メディアに未来など存在しない(人気取りのため、歴史を忘却してより過剰な煽りに手を染めることも当然考えうる)。

 

もちろん、このように言うと、「いや、メディアには権力のチェック機能という重要な役割が・・・」といった反論が来るのは目に見えているし、その性質を否定はしないが、「じゃあ今の不信とヘイトが必然的に溜まっていく状況をどう改善するのかお前言うてみいや」という話である。

 

前に述べたように、NHKをぶっ壊すとか言っていた政党であるとか、それに賛同する人たちの姿に眉をひそめるのは結構なことだ(反権力の幻想にありがちなことだが、ある腐敗した組織を批判していることは、その批判者が腐敗していないことを保証などしない)。しかし、「なぜそのような傾向が生み出されるのか」という点に注目しなければ、それはせいぜい「良識派」という名を冠する想像力の欠落した現状維持志向と変わるところがないのであって、分析力も対応力も皆無なのはもちろんのこと、その結果として既得権益側を傍観者的に容認しているのと同じだということに、いい加減気付くべきだ(この点、ル・ボンの『群集心理』やオルテガ『大衆の反逆』、あるいはファシズムを批判したフロム『自由からの逃走』、アーレント『全体主義の起源』などを例に挙げれば十分かと。そして傍観者的ポジションにいる人は、己が不偏不党の観察者の立場にいるつもりかもしれないが、むしろ消極的に制度の温存に加担しているのかもしれないと自覚すべきだろう)。

 

以上。


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