平成という時代について:平成天皇・皇后の行動原理から

2019-05-10 17:19:41 | 歴史系

 

 

 

なるほど、平成天皇および皇后の具体的な行動履歴を、昭和天皇や大正天皇と対比することによって平成という時代を浮かび上がらせようとする、か。これは非常におもしろい。

 

最近のバカ騒ぎを見るにつけ、相変わらず空気で踊り狂ってんなあwと私は半ば呆れ、半ばおもしろがっていた。リアル鎖国でもしてるならともかく、世界(他国)の状況変化に大きく左右されざるをえないこの時代に、元号がどうにかなった程度で日本のゆるやかな衰退というこの状況が変わるわけもない。

 

別言すれば、天皇が代替わりをしようが、少子化や高齢化といったドメスティックな問題はもちろん、中国の台頭やEUの液状化、北方領土問題といった外的要素にほとんど何も関係ないのだ。要するに、もう一度繰り返すが日本のゆるやかな衰退という状況は変わらない。それを変化させうるとしたら、客観的なデータ分析であったり、合理的・戦略的思考と政策遂行以外にはありえない。本当に日本のことを大事だと思っているなら、自分たちがそれを強力に推し進めるべきではないか??と別に愛国者でもない私ですら思ったりするのだが、まあ衰退への不安からの逃避的行動だとすればこういう批判的言辞は逆効果であったりするし、まあ原理日本社のエートスってこういうもんだったんだろうなあ・・・などと感じている次第である(良し悪しの評価はさておき、たとえば皇国史観のイデオローグであった平泉澄とかは戦略的・理論的という意味で真逆だからね)。まあ客観的分析をしたって結局戦争には突入したやん!てのが痛みを伴う経験として我々にはあるわけで、そこは『未完のファシズム』『経済学者たちの日米開戦』などを参照・共有しつつ、明確な目的をもって抗っていくしかないのだろう。うーん、これ能力ある人にとっては日本捨てた方が早くね??

 

閑話休題。ムードに乗じたお祭り騒ぎはどうでもいいが、こういった分析であれば重要だろう。正直、昭和天皇の特徴というものは、まだ幼い頃に平成突入を経験した私にとって全くと言っていいほどリアリティーがなく、平成天皇の行動を見ても変化というものを読み取れなかった。しかし、その行動と行動原理の違いを説明されるとなるほどそういうことかと非常にクリアに感じた部分がいくつかあり(特にカトリック云々の部分は、日本人の無宗教の背景という問題設定に絡めてGHQの政策にも関心があるので興味が湧いた)、今後はそういう視点も持ちつつ動静を見ていきたいと思った次第である。


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