花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

猪鍋

2012年12月10日 | Weblog
猪鍋の囲炉裏を囲み忘年会
青空に誘われ登る落葉山
真っ青な空の高みに北風つのる

クリスマス色して小さき薔薇の咲く

初氷

2012年12月09日 | Weblog
やわらかく空気閉じ込め初氷
山頂へ落葉も空も明るかり
凩を見つつ聞きつつ露天の湯

冬紅葉なればいよいよ艶やかに

冬の朝

2012年12月07日 | Weblog
早寝せば早起き易し冬の朝
蟹食べに冬の但馬の海の町
木枯に身を揺すりたる常緑樹

屋根を越す大樹に冬の光かな

羽音---花冠349号(2012年10月)

2012年12月07日 | Weblog
山の影山に映りて秋の朝
頂へ芒の光分けてゆく
山萩や今日は誰にも会わぬ道
いびつなることもうまさよラ・フランス
木漏れ日の森に木の実の落ちる音
茶の花の咲くや羽音に包まれて
団栗を踏む音山路の静けさに

風呂吹大根

2012年12月06日 | Weblog
すきとおる風呂吹大根に箸入れる
風の中干されし大根の並ぶ
木枯らしに明るき町を見下ろせる

花壇には冬菊のリズム続きおり

火事

2012年12月05日 | Weblog
暁の空を焦がして近き火事
朝の火事昼の事故見て師走かな
短日に塗っては思案を繰り返す

冬晴れの池のほとりの酒造場

2012年12月04日 | Weblog
優嵐スケッチブック


冬暁や目覚めに熱きコーヒーを
小粒なる蜜柑の甘さにもう一個
静けさや凩いつかやんでおり

ビルに入る人を迎えて山茶花咲く

2012年12月03日 | Weblog
日の光ことに明るし霜の朝
散り終えて銀杏晴れ晴れ青空に
蝶飛びぬ小春の空に招かれて

山門の大樹のひかり冬ぬくし

極月

2012年12月02日 | Weblog
陽に干せばシャツよく乾く十二月
極月の金星光る明けの空
ひと仕事終えれば闇よ日短か

葉も赤くして仲冬の赤き薔薇

師走

2012年12月01日 | Weblog
金色に昇り来るかな冬の月
快晴の空連れ師走がやってくる
甘納豆食べて茶を飲む冬の昼

本堂の大屋根冬陽を浴び光る