花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

南天

2012年11月10日 | Weblog
冬の朝川鵜の群れが北へ飛ぶ
降り注ぐ冬陽のなかの城下町
南天の赤さ日ごとに増しにけり

頂に雪来るころの三室山

冬紅葉

2012年11月09日 | Weblog
冬紅葉開山堂を彩りぬ
マフラーを外して森を歩きけり
手水舎を飛び立つ鳥や石蕗の花

冬浅き日差しダリアを燃え立たせ

冬立つ

2012年11月08日 | Weblog
海山の陽に包まれて冬立ちぬ
なだらかな山の連なり冬霞
小春日の低空をゆくプロペラ機

暖簾揺れ冬暖かき町家カフェ

冬来る

2012年11月07日 | Weblog
快晴に播磨の冬の来たりけり
野に山に彩り残し冬に入る
頂の木々は木枯し待つばかり

白薔薇の白さに冬の来たりけり

播磨の山---花冠348号(2012年9月)

2012年11月07日 | Weblog
虫の音を聞くころとなり新所帯
湯にいても湯をあがりても虫の声
熟れ初めし柿に差しくる朝日影
澄む秋や切られし松の香りけり
秋の海へだてて青し淡路島
嵐去り秋夕焼けを残しけり
なだらかな播磨の山の良夜かな

行く秋

2012年11月06日 | Weblog
行く秋の夜の雷鳴をうつつに聞く
森に差す日差しに秋を惜みける
青空に雲を流して行く秋ぞ

澄む秋のダリアの色も澄みにけり

秋惜む

2012年11月05日 | Weblog
優嵐スケッチブック


脳茸のどっしり座るベンチかな
降る雨に耳を澄ませて秋惜む
歩きつつ聞きし話の秋深し

千姫の天満宮の秋の色

粧う山

2012年11月04日 | Weblog
そうじ終え洗濯を終え早生蜜柑
清流は粧う山より生まれけり
部屋の戸をみな閉め切って冬隣

秋の薔薇大きく咲いて茜色

2012年11月02日 | Weblog
尉鶲朝の空気を震わせて
山路来て柿の紅葉のかつ散りぬ
脚立出し柿採る思案のふたりかな

おのずから光りて秋の薔薇の咲く