枯すすき

飛行機雲冬青空を縦断す
落葉を終え梅林の整然と
ほわほわと昼の陽集め枯すすき

白鳥の孤影を映し湖の青

朝北風

さくさくと落葉踏みたり日向道
朝北風に遠き銀杏の金揺れる
ガソリンを入れる冬の陽真向かいに

万両の葉陰に鬱然と紅し

冬の鷺

冬の鷺気配を消して池に立つ
冬の雨いつしかあがり陽の差しぬ
出棺の警笛長く冬空へ

銀杏黄葉冬の日差しを正面に

暮れ早し

枇杷の花香り甘きを楽しめる
頂に三つ葉つつじの返り花
暮れ早き夕陽を浴びる紅葉かな

桜紅葉残る紅葉も散る紅葉

伸びゆくもの---花冠336号(2011年10月）

青空に雲のいろいろ秋高し
高鳴きの鵙に朝日の昇り来る
頂の風にすすきの高くあり　　
広々と播州平野みな刈田　　　　　
眠らんとすれば窓辺に降る月光
整備終え自転車軽し秋日向　　　
秋天に伸びゆくものの数多あり

根深葱

大根のぎっしり並んでいる畑
籾殻をかけてもらいし根深葱
紅葉散り尽くして空の広くなる

銀杏の黄冬あおぞらを背景に

冬田

冬ぬくし祭のあとを片づける
冬田より折り畳み椅子引き上げる
大方は片づき昼の粕汁すする

枯れ色の中に黄菊の咲き残る

冬の水

冬の水静かに雲を映したり
冬晴れに銀杏黄葉の輝ける
当選の万歳寒夜に響きおり

街角にポインセチアの赤あふれ

焚火

たっぷりの冬芽を持ちし柳を生ける
大鍋の湯気の中よりけんちん汁
支援者は枯田の中の焚火を囲む

冬紅葉光いっそう明るくて

冬灯火

ストーブのごんごん燃えて集会所
冬の川ひっそり流る橋の下
選挙カー冬灯火に戻りけり

松葉蟹食べる一座の静かなり