花冠同人・多田有花の俳句ブログ

日々の俳句の備忘録

小春

2010年11月11日 | Weblog
静寂とともに小春の頂に
遠山は冬の霞をまといおり
いっときは静かにとまり冬の蝶

木枯し

2010年11月09日 | Weblog
木枯しの吹くほど光明るくて
風ゆけば追って木の葉の散りにけり
森をゆく一身に木の葉浴びながら

立冬

2010年11月07日 | Weblog
立冬や場所尋ねられ先導す
冬来る野山色増す今朝の雨
冬紅葉低き峠を越えてゆく

露草の色に 花冠324号(2010年9月)

2010年11月07日 | Weblog
青空へ雲湧く日々よ西瓜食ぶ
秋野菜色々からり天ぷらに
秋晴れに今朝拭きあげる窓ガラス
曇り初めなおも鶏頭燃え残る
花筒を洗い清めて秋彼岸
風の音ばかりとなりぬ秋の森
露草の色に澄みたる野辺をゆく

冬隣

2010年11月06日 | Weblog
菊描くそのかたわらに立ちしまま
秋深し魚影きらめいてゆけり
横顔の肖像描く冬隣

黄落期

2010年11月05日 | Weblog
頂に日差しあふれて暮の秋
丘に陽のよく当たる日や黄落期
枝にある熟柿はすでに啄ばまれ