負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

日本のアニメは日本文化の代表と語られている

2005年03月11日 | 詞花日暦
日本人の感覚で描いた漫画だと、
あちらさんではお手上げになる
――手塚治虫(漫画家)

 国産初のTVアニメ『鉄腕アトム』から四十年、平成十五年にCGを駆使した新作アトムが復活した。米国のソニー・ピクチャーズ製作で、世界中に配給された。国産アニメのアトムが登場した昭和三十八年、これもアメリカでリメイク版が放映された。タイトルは『アストロボーイ』。アトムはアメリカの隠語で行儀の悪い生理現象をいう。NBCフィルムの社長宅に招待された夜、その家の子供が指摘し、新しい名付け親になった。
 タイトルだけではない。アメリカ版は原作とかなりちがっていた。改作のポイントは残酷さ。アトムが敵のロボットを叩き壊すシーン、天馬博士がアトムをサーカスに売る人身売買など、家庭で観るTVだけに規制はきびしかった。
 いまや海外では、日本製アニメが日本文化の代表選手。四十年まえにアトムが受けた仕打ちは、遠い夢のようだ。かつて手塚は、お先真っ暗の現代生活でうっ積したものを伝えるのがマンガだと書いた。あれから世界は、うっ積したものがおおくなったのだろうか。カウンター・カルチャーとして世界の若い世代が受け入れつつある。