負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

太陽が真西に沈む秋のお彼岸が近づいた

2006年11月01日 | Weblog
宇治の平等院や加古川をさかのぼった浄土寺にある光の装置のことは、すでにこのブログに書いた。奈良が近い浄瑠璃寺のことも、堀辰雄や和辻哲郎のことも書いた。うかつな話だが、わたしはずいぶん長い間、浄瑠璃寺がどこにあるか知らないでいた。京都のどこか山すそというイメージだけしかなかった。

もうかなり前になるが、秋のお彼岸が近い一日、名古屋にいったついでに関西線に飛び乗って、奈良に近い加茂駅で下車した。小高い山の起伏をぬってたどり着いたのは、丘陵の奥まった谷にひっそりと静まった伽藍だった。西に背を向けた国宝の本堂、中央に池、東側にある三重塔がある。

あいにくその日は小雨の混じる曇天だったため、光の装置を実際にたしかめることができなかった。ただ寺の配置は、平等院や浄土寺と同じように太陽の光を巧妙に演出したものであった。今年も秋のお彼岸が近づいてきた。近くの人でまだだったら、ぜひ訪ねてみてほしい。思わぬ光の饗宴に出会うかもしれない。くわえて紅葉が美しいし、堀辰雄が書いた柿の実もたわわに実っている。

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