犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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ばかきぞめ報告の1

2023年01月16日 | 書の道は
昨年は、真面目に書初めをしようとした。
すると、完成度を求めてしまい、
練習ばかり繰り返して結局、「これでよし」と思えるものは書けなかった。

私の悪いところが出ている。

真面目な出来栄えを求めて、欠点に目が行き、
練習を繰り返し練習がつらくなり、本番も固くなる。

もっともっと肩の力を抜きたまえよ。



というわけで、ばかきぞめをした。
楽しく書こうぜ。
ご近所の幼なじみ友人Mを誘う。

私の祖父のものである端渓の対の硯を一個ずつ使ってみようじゃないの。



端渓の磨り心地は非常に硬かった。
キシキシいう。
きもちわる。

硬いうえに、なんだかいつまでも墨が濃くおろせている感じがしない。
M「どうなったら墨がすれてるんだろう?」
とろみだよ。粘りみたいな感覚が出てきたら、いい調子。

ところがお端渓で磨れども磨れども、ちっとも粘りが出てこない。
私は短気にしびれを切らし、いつも使っている雄勝の硯に切り替えた。
楽だし濃くなるし、なんたって磨り心地が良い。




端渓を使おうぜ、と言うと、
友人Mは
「だったら思いっきり馬鹿々々しい言葉を書かなきゃね。」と意気込む。

すばらしい。
その心構えである。



Mは最初、自身の重荷となっている、
片付けをしなければならない親戚の家の在る町名を書いた。

しかしそのうち、
やっぱり好きなものの名を書くほうが楽しい、
ということに気付いた。

「干柿」
「味噌田楽」
「牛乳寒天」
「電気炉」
「裏起毛」
「珈琲寒天」
「粕漬焼魚」

よほど寒天が好きなようだ。



年末に、家の片付けをしていた。
「シンルイ」と殴り書きした段ボール箱に、
捨てて良い書類がわんさかと、
大事な書類が少し、詰まっていた。

11年前、父が死んだ時に、相続の手続きで必要だった書類。
老母が「キョトン」として、在り処の分からなかった
この家の権利書なども出てきた。
母が整理していたのだ。
やはりあの頃すでに、こういうことの管理ができなくなっていたのだ。



そんなこんなで、書いた。

「登記」
「重要書類」
「保険証書」
「権利書」

おかたい言葉を隷書で書いたら、それっぽくなる。
実際、「保険証書」なんてのは隷書で印刷してある。
「登記」は隷書と草書で書いてみた。

そう、おかたい言葉を草書でやわらか~く書いてみた。
それらしさが全く出ない。
なんか、香でも焚きしめてありそうになる。

草書に長けていない。
調べて書いたはいいものの、
一枚はなんと書いたのか、忘れてしまった。
左下の、なんだっけ。


つづく
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