犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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葉境期

2022年05月29日 | うつろい
庭で野菜を少し、作り始めた。

庭が有るのだから何か畑をやればいいじゃないか、
と、よく言われてきた。

今までにも、少しやったことが有る。

なんだかやたらと長く育つ、一見インゲンのようなえんどう豆や、
ニンニク、ショウガ、唐辛子、など。

ただ、あまり熱心でないので、ほったらかしでもなんとかなる物しかうまくいかなかった。
ニンニク、ショウガはほったらかしで良かった。
あまりにもほったらかしで、掘るのを忘れそうになるくらいだった。

思い出した。
ししとうがらしにものすごい数のカメムシが付いて、
イヤになってしまったのだ。



箸で落として、石鹼水に溺れさせて退治した。
ところがこれが、なんとかいう種類のカメムシで、
やっぱりニオイが強い。
なんだか熟したグレープフルーツのようなニオイを発する。

石鹸水の中にウジャウジャのカメムシが香っている。
ウゲエエ。

そうだ、このブログにも書いたことが有る。
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/a36d9c2ea3cfe885068110376ff764ea
ウゲエエ。



そのうち、老母の介護にココロを奪われ、
庭は放置してしまった。

カメムシとナメクジが増えた。



母は昭和8年生まれである。
戦中戦後はみんなが貧しくて食べ物が無かった、と
何度も聞かされた。

戦争中、碑文谷に住んでいたそうだ。
今だと高級な住宅街と思われるだろうけれど、
そんなふうになるずっと前のことだ。

環状七号線が、まだ出来上がる前だった。
土地は確保されているが、道路はまだできていない。
その空き地に、近所の人たちがみんな勝手に畑を作っていたそうだ。

サツマイモとカボチャを作ってとにかくそればかり食べていたと言う。
だから、畑は嫌いだ、と言う。
母は庭には花しか植えなかった。

そんな婆も2年前に特別養護老人ホームに入居した。
私は落ち着いて庭で畑をできるようになった。



ある日には15cm程度だった菜っ葉が、
翌々日くらいに見たら倍ほどに育っている。
慌てて収穫する。

雨が降って日が射して、葉が伸びる。
おそろしいスピードで伸びる。

胃袋が追い付かない。



近所の幼なじみ友人Mの母M子様は、
何年も前から畑をやっている。
ちょくちょく作物を分けてくれる。

そんなMに、「貰ってくれない?」と聞いてみた。

M子様は野菜至上主義である。
野菜を食べることは良いことだ、と信じて疑わない。

先日、私が食中毒でダウンした時も、
MはM子様に「野菜を持って行ってあげなさい。野菜は食べていたほうがいい」
と言われたそうである。

×す気か。

何も食べられない時に野菜を食うのはものすごい負担である。
野菜を消化するというのは、なかなかの重労働だ。

M子様には草食動物なみの酵素か何かが備わっているのだろう。

Mの弟が帰省してきて、何日か食事をともにした時、
「腸が傷付く」と言っていたそうだ。
気の毒に。



Mとはモスラの頭文字である。
いかにも大量の葉っぱを食いそうな渾名である。
頼りになる。

「うちはちょうど端境期だから、貰うよ。」との返事。
既に食い飽きてきている、のらぼう菜と春菊をお分けした。

とても旨いのだが、毎日食うと胃袋が疲れる。
あまり胃袋が疲れると、口内炎ができたりする。
野菜なんて毎日何百グラムも食うもんじゃねえ。
と、言いたい。



個人差が有ります。



Mの言う「端境期」の「は」が
「葉」に聞こえる。

「葉」の穫れる時期と「葉」の穫れる時期の間。
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