犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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富士時計

2018年06月09日 | 流民の窓
[あらまし] 月曜日に、御殿場口五合目駐車場から、富士山の寄生火山である双ツ塚のうち
下塚に軽く登り、須山御胎内へと降った。


自宅から車で10分ほどで調布インターだ。
中央道を走れば1時間あまりで河口湖インター、山麓に至る。
そこから富士山を反時計周りする。

富士は見る角度によって姿を変える。
頂上の形も違えば、傾斜の線も違うし、雪の残り方も違っている。
ぐるりと回って見る甲斐が有れば駿河も有る。

東京から手前の丹沢越しに見ていると、なんてことの無い、
プリンを伏せたような形で、割に直線的だ。
しかし、ちょっと河口湖に寄れば雪の形が美しいし、
西側は大沢崩れが面白いし、富士宮側からは山頂の形が「山」の字そのものだ。

河口湖インターは富士山の北東側だ。
私がそこに着いたのは昼過ぎだった。
富士山はくっきりと見えていた。

富士山北側の富嶽風穴に寄り、
そこから西側の朝霧高原へ移動した。
午後、富士山には雲がかかり始めた。
ここまで来たからにはと、陣馬の滝に行った。
この時期、水は少なめではあったが、やはりきりっとしてうまい。
4時の鐘が鳴った。メロディは「あーーたまーをーくーもぉのー、うーえにーだぁしー」だ。
見ると、ちょうど富士山には雲がかかっていて、その雲の切れ目から山頂が見えた。
まったく、歌の文句のとおりだ。

東西から見ると、富士には肩が有る。
南側はひときわ大きくまた最近の噴火の跡で、宝永山と呼ばれる。
水ヶ塚駐車場から、その宝永火口がよく眺められる。

5時半に水ヶ塚駐車場に着いた時はまだ雲が有ったが、
見ていると雲は東から湧いては動き取り巻き消えては生まれ、
時々刻々と変化する。
見て飽きさせない。

そして、夕暮れ頃になると、雲は消える。
富士はすっかり姿を現す。
車の中で過ごしながら、夜の間も富士は黒く見えた。

朝、
今の時期の日の出の方角がまたちょうど良く、
日が昇って行くに従って、宝永山は美しく変化する。

火口はがっぽりとえぐれている。
その内側の崖の凹凸が、日差しでくっきりと陰が付き、明瞭になる。
火口の中に、宝永山自身の陰が落ちる。
日が昇るにつれて、その陰は火口の中に収まって行く。

平日の朝だったが、カメラと三脚を持った人が、数人、入れ替わり立ち替わり現れ、
しばらく写真を撮って行った。

私と犬ジーロと友人Tとは、富士南東側の御殿場口五合目駐車場から登り始めた。
この日も快晴で、正面に宝永山の斜面、その右奥に富士山頂までがすっきり見える。
宝永山に登っていく道も、富士の御殿場ルートも、よく見える。
遠くに、登って行く人が点々と見える。
ゆっくりと点々は移動して行く。
下山してくるチームがいる。
数人の一行の後ろに、砂煙が残っている。

高山は植物で阻まれることなく視界が得られて、面白い。
この面白さに報われて、数時間登る苦しさも吹っ飛ぶというものなのだろう。か。

私たちが登って降って、再び御殿場口五合目駐車場に戻った午後2時頃に、
富士山は雲をかぶっていた。
「朝夕は晴れて、昼間は曇るんです。だいたいいつもそうです。」と、Tちゃんが教えてくれる。
「曇って見えてないと、何にも無いも同然ですよね。」自分に見えない物は、無い。

そんな曇った富士山から、続々と下山して来る人たちがいる。
小中学生の団体が多い。
「見えない富士山に登るのなんて、苦行でしかないですよね。いい思い出にはならないな。」
私たちは良い時間に登って、大いに報われた。
「7月になると登山客でごった返しますからね。駐車場も一杯になりますよ。」
私たちは良い時期に登って、眺望を独占できた気分だ。

少しづつ、この景色を楽しもう。
ちょびっとづつ、かじる。
次は、富士宮五合目駐車場から宝永山かな。

東側の山中湖畔から、山伏峠を東に越えて、道志みちで帰った。

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